2月23日【2月23日】
スーパーで惣菜を選んでいると、レジの方で複数人の悲鳴が上がった。
何事だろうと棚に身を隠しつつ様子を伺うと、武装した男達が見えた。立てこもろうとしてるようだ。
いち早く気がつくことができた私は、近くにいた同い年くらいの子ども達に声をかけた。そして、客を避難させてもらった。
犯人達は一人しか人質を取れなかったようだ。安全な位置から説得を試みたが、投降するつもりはなさそうだった。
どうすれば、人質を無事に解放させられるだろう。
そうだ。戦況を逆転させてしまえばいいのだ。
なぜだか分からないが、私にはそれが出来ると思った。
手をかざしてありったけの力を込める。彼らの持っている武器を全て消し去ってしまえと願う。
すると、銃や爆弾はすっかり消え去ってしまった。更に、イメージで出来た縄を具現化させて、慌てる男達を拘束する。人質は無事に走って逃げてくれた。
遠くからパトカーの音が聞こえてきた。
そこでようやく、どうやってこの状態にしたのかと尋ねられたら面倒だと気がついた。
喚く男たちをダメ押しの魔法で眠らせて、警察が乗り込んでくる前にスーパーの裏口から飛び出した。
少しだけ愉快な気持ちで走り抜けた。