2月24日【2月24日】
登校中、飲み物を持ってくるのを忘れたことに気がついた。
仕方なく、近くにあった自動販売機に小銭を入れた。
お気に入りの炭酸飲料のボタンを押すのだが、なぜか見たこともない黒い液体の入ったペットボトルばかりが出てくる。何度押し直しても、出てくるのは黒い液体ばかりだった。
しまいには、ボタンを押していないのにペットボトルが出てくるようになった。断続的に響く、ペットボトルの落ちるガコンという音が酷く不気味に思えた。
しばらく立ち尽くしたまま、止まることのない自動販売機を眺めていた。
ふと、取り出し口から溢れてきたペットボトルが、靴の先にぶつかった。その途端、ハッと正気に返った。逃げるようにその場から立ち去った。
遠くで、ガコン、ガコンという音が鳴り続けていた。