初夢の悪夢と吉夢・あてんしょん!
キャプションにも書きましたが、Twitterタグの「#rtした人の殺し方を考える」の書かれた内容を、(ご提案されたのがペルソナ5でしたので)二次創作の話で作らせて頂きました。
この場を借りて、このネタを提供し掲載許可をして頂いたフォロワー様お二方ありがとうございました!!
ちなみに、元々は此方↓
・ペルソナ5でモナが仲間にならなくなるバグ(悪夢)
・ご当地モナ達+メイドモナに囲まれてモナ達にお酌してもらいながらモナ達を一生もふもふできる権利を与え尊死(吉夢)
これを踏まえた上に、お読み下さいませー。
・我が家のジョーカー設定
名前・鈴川 和哉
モルガナになると、本当に駄目な人間になる。モルガナ愛、モルガナ大好き、モルガナ居ないと生きていけない。
(この話では成人済みなので、飲酒してますが、お酒は二十歳から!!)
お酒飲めるようになってから、モルガナと添い寝出来ない日もあるので、厳選に厳選に厳選を重ねて買ったむちゃくちゃ滅茶苦茶可愛い猫ベット買って、そこで眠るモルガナを見てから寝ないと眠れないモルガナ狂。
(本編の)家出事件以降、モルガナの姿が見えないと滅茶苦茶不安になる。
大晦日
「なんやかんやで、今年も色々駆け抜けたなー」手酌でグラスに注ぐ
「おい、先に初詣行くんだろう? あんまり飲み過ぎるなよ」グラス持つ手を猫パンチ
「んー? 悪い酔いしないように、梅酒だけで我慢しているんだから、大丈夫大丈夫ー」
(ほんと、酒飲み出すと止まらないなーこいつ)
深夜 2020年に変わった時点で、一足先に初詣を済ませた和哉とモルガナはそのまま眠りにつく。(ちなみに、酒臭いと言う理由で添い寝して貰えなくていじけている)
さあ、和哉の見る夢はどんな夢やら……
(悪夢)
PiPiPi.....
「ふぁあああああ……あ゛ー朝か。なんとか起きられた……」
頭をかきむしりながら、部屋の違和感を覚えた和哉。キョロキョロと辺りを見渡すと、違和感の正体はすぐに分かった。
「? あれ? モルガナのベッドが無い?」
定位置にある、モルガナのベッドが無い酒類を窘める歳になり、凄い量を割と飲むので、「酒臭い」と言う理由で時々添い寝をしない事が多々増えた。床でそのまま寝せたくないので、愛おしきモルガナの為に、それは吟味に吟味を重ねて買った猫ベッド。それが無いのだ。
「モルガナ……?」
嫌な汗が吹き出す。あの家出事件の様な、いや、それ以上に嫌な事が起きている気がする。こういう時に直感は当たってしまっている……嘘だと思いたい一心で、若干の二日酔いを残している身体を無理やり動かして、下の階に居るであろう佐倉 惣治郎と双葉の下に向かう。
「惣治郎さん! 双葉!!」
「なんだぁー朝から騒がしいな」
「どうしたんだ、和哉?」
「モルガナが! モルガナが居ないんだ! しかも、モルガナの為に厳選したベッドも無い!」
「「モルガナ?」」
「何よりもモルガナが……また居ないんだ! 夜中一緒に先に初詣行った後、別々に寝て、それで……朝起きたら居なくて……」
「和哉、その取り乱しているところ悪いが……そのモルガナってなんだ?」
「……え?」
「双葉、知っているか?」
「私は知らない」
「……何、言って……双葉。だって、モルガナは怪盗団の仲間で、俺の大切な恋人で、猫って言うといつも怒る可愛いやつを忘れているのか?」
いつも“恋人”というと、誰かしらから「恋人なのかよ!」とツッコミを受けるフレーズを入れても、二人の反応は変わらなかった。
「和哉。お前さん、酒の飲み過ぎじゃないのか? 飲める様になってから、一回飲む度に凄い量飲むじゃねーか」と、惣治郎はそう言いながら慣れた手付きでカレーとコーヒー、そして水を和哉の定位置に置く。その隣に座る双葉も怪訝そうな顔をしている。
「……」
「とりあえず、とっととこれ食って、いつものメンバーと初詣行ってくるんだろう。さっさと支度して来い。この酔っ払いめ」
「……」
「和哉~? 早く食べないと冷めるぞ~」
二人の声が遠くに聞こえる。気付けば、俺はルブランから飛び出して、走り出していた。スマホを持っていたので、そのままチャットで怪盗団のグループに連絡する。他にも、協力者と知りうる限りの人々に。だが、返ってくるのは……
「俺の恋人? なんだそれ?新しくハマっているジョーク?」
「猫?え、鞄の中に入れていた?何言っているの?」
「怪盗団の仲間……? 何、寝ぼけているのか? そんなの知らんが」
「猫なんて見たこと無いけど?」
「君はいつも一人だった」
そもそもモルガナって、何? 知らないよ
「……」
あれから一頻りモルガナを探し歩き、連絡を取った。だが、皆口を揃えてモルガナの存在自体を知らないと言っていた。しかも、俺は鞄には猫なんて入れていなかったとも。
(……モルガナ……)
訳も分からぬ不安。モルガナが居ない。それだけで、押しつぶされそうになる。
「モルガナ……」
俺はただ一人、この世界に取り残された。モルガナの居ない世界なんて。
(あぁ、モルガナ。声聞きたい、撫でたい抱っこしたい、それに……)
「モルガナ、凄く会いたい」
「呼んだか?」
「!!!」
背後から声が聞こえ振り返ると、ずっと探していたモルガナの姿が目の前に。
「モルガナ……?」
「どうした、和哉」
お座りした状態で小首を傾げるモルガナ。
「……っ!!! モルガナ!!! 何処行っていたんだよ!!!」
駆け寄り、何も言わず抱き上げる。触った毛並みで、暖かさで実感する。あぁ、モルガナだ。俺の探していたモルガナだ!!!
「和哉」
「モルガナ……モルガナ……!!!」
何処かに行ってしまった不安が、やっと解消された。そう思っていたのに……。
「和哉、ワガハイ、お別れを言いにきた」
「……え?」
「ワガハイ、もうこの世界に居られない。もうすぐ和哉の記憶からも、そして世界からも消える。だから、その前に会えて良かった」
「何……言って……」
よく見ると、モルガナの姿は輪郭がぼやけていた。身体も心なしか色素を失い、段々と……。
「モルガナ?」
「和哉、ワガハイ、お前と出会えて良かった。お前はワガハイお前の事忘れちまうけど……楽しかった。ありがとう」
そう言うと、腕に抱いたモルガナはあの時と同じ様に消え去った。
「…………」
力無く足元から崩れ去った俺は、ただただ深い悲しみと絶望で意識がブラックアウトした。そして、悪夢は醒める事無く、永遠と続く。
(吉夢)
PiPiPi.....
「ふぁあああああ……あ゛ー朝か。なんとか起きられた……」
頭をかきむしりながら、起きると。
「ん? 下の階が騒がしい……」
珍しくルブランの方が騒がしい。時間を見ても、まだ仲間達が集まる時間でもない。なら、惣治郎と双葉が何か見て盛り上がっているのか?
(珍しいな、あの二人がはしゃいでいるなんて)
そう思いながら下に降りると……
「二人ともおはようござ……え?」
目の前の光景が、余りにも非現実的過ぎて理解が追い付かない。いや、なんだ、これ
「お、和哉起きたのかー! どーだ、新年だからもうちょっと酒飲むかー?」
カウンターに居るのは、久しく見れなくなっていた二足歩行しているモルガナ……しかもメイド服、羊姿、何故かシーサー、伊達政宗、あと普通のモルガナが勢揃いしてワイワイしていた。
「モルガナ……?」
「「「「どうした、和哉」」」」
(ハモった)
「とりあえず、そんな所に突っ立てないで、ここ! ここに座ろうぜ!」
羊モルガナが、いつもの定位置である椅子を指さすので、言われるがままに座る。すると、その膝の上に羊モナが座ってくる。
「?!」
「んーやっぱり、落ち着くな! 和哉の側は安心できる!」
「あ、ずるい! ワガハイもそこに座りたい!!!!!」
「ワガハイも!」
「えーと、羊モナ? あの、これはどういう状態だ?」
「どういうって? どう言うことだ?」
「あ、いや、その……この姿のモルガナって、認知世界に居るときにしかお目にかかれないし、こんなに沢山のモナが居るのは」
「なんだーワガハイが沢山居るのは駄目なのか?」
「駄目じゃない。むしろご褒美です」(食い気味に語る)
「素直で宜しい。まぁーなんだ? いつも頑張っているやつに、遅いクリスマスプレゼントとお年玉だ!」
「色々ツッコミ満載だけど……まぁ、モナが沢山で可愛いから許す」
会話が成り立ったる様で成り立ってない中、モナが(色々問題があるので)おつまみを袋から出したのと氷を沢山入れたグラスをそれぞれ置き、メイドモナがちょっと身の丈以上ある梅酒の瓶を持ってきた。
「さぁて、ご主人様、ワガハイが御酌してやる。ぐくぅいと新年一発目の梅酒を味わうがいい!」
「わわ、ちょ、そんな勢い良く注ぐと零れる!!!!!」
ギリギリまで注がれた梅酒をなんとか零さないように飲み、少し氷に馴染ませるようにくるくると軽くグラスを回す。そんな事をしている間に、モナ達は立ち替わり入れ替わりで膝の上で寛いでいるので、撫で回すのに常に忙しい。メイドモナは、膝には乗らない代わりにお酌してくれる。
(マジで、天国)
アルコール摂取しているので、普段よりも表情がだらしなくなっている自覚はある。
だが!
(この至福な時間を、顔が緩まず、尚且つ冷静に処理出来るか!!!)
膝の上で丸くなっているモナ達、それぞれが「にゃふふふー」とか滅茶苦茶可愛い声で鳴いている時点で、和哉の色々な物がぶっ飛んだ。そして、酒は旨い。
(これ以上至福な事があるか!!! いや、無い!!! もう、いっそうこのまま昇天するわ!!!)と誰もツッコミ役が居ないが故に、和哉の思考は(口に出してないだけで)、いつも以上の暴走をかましていた。
段々と許容値以上のアルコール摂取をしてきたので、眠気やらなんやらが襲ってくる。
「ふぁ……」
「お、なんだー和哉、眠いのか! だったら、ワガハイが子守歌でも歌ってやるぞ!」
欠伸をかみ殺していたが、些細な事にも気付いてくれるメイド天使モナが、カウンターの上に立って可愛らしい宣言をする。
(あれ、俺、今日命日???)
促されながら、店のソファーに横になると、肩辺りに座り込み、オリジナル子守歌をコーラス付きで歌われる。
(ぁぁぁぁぁぁ、これ、マジで俺命日かな??? これ、マジで昇天するわ……)
アルコールが回っている頭で、うつらうつらと考えていると、モルガナが頭を優しく撫ででくれていた。
「今年も宜しくな、和哉」
「此方……こそ……モルガナ……」
そのまま和哉は眠りについた。