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GALLERIA[ギャレリア]は創作活動を支援する豊富な機能を揃えた創作SNSです。

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    僕はコーヒー豆を挽かない 小綺麗な家の玄関ドアを開ける時に感じる、他人の家を訪ねるような感覚。それは簡単に拭い去ることができるようなものではない。リックは未だに新しい我が家に慣れない自身に苦笑いしながらドアを開けた。
     家の中に入れば、穏やかに笑う長男と無邪気な笑顔を見せる長女が床に座りこんで遊ぶ姿が目に留まる。幼い妹を構う息子が手にしているのは新品のぬいぐるみ。赤ん坊の存在を知った新たな隣人が贈ってくれたもので、その他にも真新しいベビー用品がこの家には整えられている。粉ミルクの在庫に悩まされることや、赤ん坊の泣き声がウォーカーを呼び寄せる問題から解放されたのは少し前のことだ。
     仲間たちと放浪していた生活は夢だったのではないかと疑いたくなるほどに壁の中の町──アレクサンドリアは崩壊前の世界のままだった。新築住宅独特の匂いも、水道から流れる水も、洗剤が香る清潔な服も、何もかもが二度と手に入らないと思っていたもの。それが己の手の中にあることが不思議で仕方ない。
     そんな風に物思いに耽るリックの耳に「父さん、お帰り」という我が子の声が届いた。その声を聞いて我に返り、リックは微笑と共に子どもたちの方へ足を向ける。
    「ただいま、カール。ジュディスは俺が出かけている間に起きたんだな。」
    「さっき起きたんだ。しっかり昼寝したからご機嫌だよ。」
     カールはリックに返事をしながらジュディスのふっくらした頬を撫でる。妹を可愛がる息子の姿を見てリックは目を細めた。カールは旅の最中も懸命に妹の面倒を見ていたが、アレクサンドリアに来てからもその姿勢は変わらない。「妹を守らなければならない」という義務感よりも愛おしむ気持ちの方が強いのだろう。
     リックは子どもたちの姿を満足するまで眺め、手を洗うために洗面所へ向かおうと体の向きを変えた。その時、「あっ、そうだ」とカールが話を切り出したのでリックは足を止めて振り返る。
    「父さんより先にダリルが帰ってきたんだけど、すぐに出ていったよ。まだこの家にいるのが落ち着かないみたいだね。」
     そのように話すカールの顔には仲間を案じる気持ちが滲む。カールの心配は彼個人のものではなく、リックや他の仲間たちも抱いているものだ。
     リックと共に旅をしてきた仲間たちの中でもダリルは特に新しい環境に馴染めていなかった。来たばかりの頃はシャワーを浴びるのも拒否するほどだった。それについては今は改善されたものの、家での滞在時間は誰よりも短い。警戒心が拭えないのはリックたちも同じだが、彼の場合はその度合が強いのだ。
     リックは町に馴染めずにいるダリルを心配して彼と何度も話をしてきたが、改めて話をする必要性を感じた。
    「ダリルはどこへ行くのか言ってたか?」
    「ううん、何も。町の外へは行ってないと思う。」
    「わかった。捜してくるからジュディスを頼むぞ。」
     そのように告げてからリックは再び家を出る。
     まずは家の周りを見てみたが、ダリルの姿はない。その他に一通りの場所を巡っても彼は見つからなかった。恐らく人目につく場所は避けているのだろう。
     リックは少し考えて、町を囲む壁の辺りを捜してみることに決めた。アレクサンドリアの住人たちは壁の周辺にはほとんど近づかないので一人で過ごすには最適だ。
     リックはゲート付近をスタート地点として壁沿いを歩きながらダリルを捜す。そして町の奥側まで行き、ようやく彼を見つけた。
    「ダリル、ここに居たんだな。」
     壁に背中を預けて座り込むダリルはリックの呼びかけに顔を上げた。目を丸くしてこちらを見る様子から、仲間が自分を捜しに来るとは考えていなかったのかもしれない。
     ダリルはこちらに視線を向けているものの立ち上がる様子はなかった。リックはダリルの正面に膝をついて目線を合わせる。
    「家の中は落ち着かないか?」
     遠回しではなくストレートに問えば「ああ」と短く返事があった。予想していたこととはいえ心配が増す。
    「そうか。……誤解しないでほしいんだが、責めてるわけでも早く慣れるように言いに来たわけでもない。どうすればお前がストレスなく落ち着いて過ごせるのか方法を探したいんだ。俺たちはこの町で生きていくしかないから。」
     真摯に語りかけるリックに対してダリルは何も言わなかった。だが、真っ直ぐに返される眼差しから彼がリックの話に耳を傾けていることはわかる。
     リックはダリルの目を見つめ返しながら言葉を続ける。
    「この町そのものに慣れないという気持ちは理解できる。俺もまだ慣れたとは言えない。無防備すぎることが不安だしな。ダリルもだろ?」
     それに対する返事は頷くことによって示された。
     見張りも立てず、外部からの攻撃に対して何も警戒していないアレクサンドリアの現状は過酷な経験を経てきたリックたちには考え難いことだ。リックをはじめとする仲間たちが壁の中にいても気を抜けないのはそのせいだった。
    「町の無防備さについてはディアナに対策を立てるように求めていこうと思ってる。今すぐに解決できるわけじゃないが、少しでも良くなるように努力する。それが解決できれば落ち着けそうか?」
     リックは黙り込むダリルの顔を覗き込みながら返事を待つ。そうすると重なっていた視線が外された。逸らされた視線は思案するためというよりも気まずさから逸らされたように感じられて、それが気がかりだった。
     ダリルはアレクサンドリアに来てから仲間と目を合わせることが少なくなった。以前はリックとも視線だけで会話していたというのに、最近では目が合うことがほとんどない。その変化がリックを不安にさせる。
     目を逸らしたまま黙り込んでいたダリルは沈黙の末に「わからない」という答えを出した。
    「馴染める気がしない。今言えるのはそれだけだ。」
     示された答えにリックは唇をグッと噛み、心の奥底にある疑問をぶつけてみることに決めた。
    「……一人になりたいか?狭い家の中に大勢でいるのが嫌なんじゃないかって……環境が変わったことで俺たちが煩わしくなったんじゃないかって、心配していた。」
     仲間を避ける素振りを見せるダリルを見て、リックは彼が一人になりたがっているのではないかと考えていた。元々は馴れ合うことを好まず、一人でも生きていくことができる男だ。ここへ来て仲間がいることの煩わしさを感じてもおかしくはない。
     その考えはリックの胸を締め付けた。ダリルが去ってしまうことを想像しただけで悲しくて胸が苦しくなる。それでも彼が決断したならば引き止めることはできない。
     問いを投げかけておきながら答えを聞くことが怖くなり、リックは立ち去ろうと腰を浮かせかけた。その時、ダリルに手首を掴まれる。
     驚いてダリルを見ると焦りを浮かべた彼がこちらを凝視していた。
    「違う。あんたらが嫌になったわけじゃない。離れたいなんて考えたこともない。ただ、俺は……」
     そこで言葉を切ったダリルの顔に苦笑が浮かぶ。それは恐らく自分自身に向けられたものだ。
    「この町に来て、俺はあんたらと生きてきた世界が違うってことを突きつけられた気がした。忘れてたってのに……思い出しちまった。だからあんたらを避けてるのかもしれない。」
    「ダリル、そんなことは──」
    「否定するなよ。本当のことだ。」
     ダリルはリックの言葉を遮って断言した。そのように言い切られてしまうと反論できなくなってしまう。
     リックが何も言えずにいるとダリルはリックから手を離して立ち上がり、横を通り過ぎて去っていった。リックは振り返り、去っていく男を視線だけで追いかけたが、彼が振り向くことはない。
     崩壊する前の世界でのダリルはまともとは言えない暮らしをしていたそうだ。本人が話したがらないので詳しいことは知らないが、出会った頃の彼の様子を思い返せば想像はつく。社会を恨み、他者に対して敵意に近い警戒心を向けていた姿からは生い立ちの過酷さが垣間見えた。
     そんなダリルにとってアレクサンドリアという町は整いすぎているのだろう。この町の雰囲気に戸惑い、馴染めずにいる自分とは異なり仲間たちは町に溶け込んでいく。まるで自分だけ取り残されるような状況がどれほど辛かったことか。ダリルが「自分と仲間たちでは生きてきた世界が違う」と感じて皆と距離を置くようになるのは当然だ。
     リックはダリルの抱える苦しみを知り、それを理解してやれなかった自身に情けなさを感じる。
    (俺にできることは何だろう?)
     その場から動けないまま、リックはダリルのために自分ができることを考える。時間が解決するなどとは思えなかった。
     しかし、良い案は何も浮かばない。ダリルの抱える問題は安易に踏み込んでいいものではなく、下手なことをすれば彼を傷つけるだけだ。
    「生きてきた世界が違う、か。」
     リックは呟きながら空を仰ぎ、日差しの眩しさに目を細める。
     リックや他の仲間たちにとって当たり前の日常はダリルにとっては日常ではなかった。それを突きつけられて一人取り残される虚しさや悲しみは、実感した者でなければ本当の意味で理解できないのだろう。ダリルの苦しみを理解できないことがひどく悲しい。
     開いてしまったダリルとの距離は縮まることなく過ぎていってしまうのだろうか?
     過ぎった疑問はリックの胸に痛みを生じさせる。リックは空を見上げたまま、じくじくとした胸の痛みに一人きりで耐えた。


    *****


     縮まることのないダリルとの距離に落ち込みながらも数日が過ぎ、それと同時にリックは熟睡できないという悩みを抱えたまま日々を過ごしていた。放浪していた時の癖が抜けないのか、夜中に何度も目を覚ますことが未だに続いているのだ。
     今日も眠りについてから二時間ほどで目が覚めてしまい、もう一度眠っても熟睡できずに夜中に起きてしまう。上手く眠ることができない苛立ちを無視して無理やり寝てみたのだが、また目が覚めてしまった。
     リックはサイドテーブルに置いた腕時計を手に取り、時間を確認して顔をしかめる。
    「……まだ五時前じゃないか。」
     窓の外は多少明るいものの、一日の活動を始めるにはまだ暗すぎる。また短時間で目が覚めてしまったという証拠だ。
     リックは熟睡できない苛立ちのままに腕時計を睨むと、それをサイドテーブルに戻すことなく腕に巻き付けてベッドから起き上がる。もう一眠りしても許される時間帯だが、今の自分ではアラームの時間まで眠っていられるとは思えなかった。悶々としながら寝転がっているよりも起きた方が良いだろう。
     服を着替えて寝室から出ると廊下が妙に静かに感じられた。子どもたちや同居する仲間たちはまだ眠っている時間帯なのだから当然だ。
     リックは足音を立てないよう気をつけながら階下へ移動し、洗面所に直行して顔を洗う。冷たい水で顔を洗うと気分も少しだけ晴れた。
     洗面所の次に足を運んだのはキッチン。インスタントコーヒーの瓶が用意されていることを思い出したので久しぶりにコーヒーを飲もうと思い立ったのだ。以前は日常的に飲んでいたコーヒーだが、今ではすっかり贅沢品になってしまった。
     リックはケトルに水を入れて火にかけ、その次にはインスタントコーヒーの瓶とマグカップ、そしてスプーンを用意した。コーヒーの粉を適当にマグカップに入れたら準備は完了。後は湯が沸くのを待つのみだ。
     リックはカウンターにもたれながらケトルを見つめる。コンロの上で火にかけられているケトルという構図がとても珍しいもののように感じられて、無性に眺めたくなったのだ。
     コーヒーを淹れるためにキッチンで湯を沸かすこと。その行為は日常の一部であり珍しいものではなく、リックも過去に数え切れないほどに繰り返してきた。それが数十年も前の出来事のように感じられてならない。それほどに自分は文明的な生活から遠ざかっていたのだと改めて思い知らされたような気がした。
     「そういえばキャロルがこのキッチンを見て喜んでいたな」と思い出し、初めてキッチンに足を踏み入れた時のキャロルの姿を思い浮かべる。
     真新しい輝きを放つキッチンを見て目を輝かせたキャロルは久しぶりに楽しそうな笑顔を見せた。立派なオーブンが備え付けられていることを特に喜び、「これでクッキーやケーキが焼けるわね」と愛おしげにオーブンを撫でる姿は印象的だった。きっと彼女は平和だった世界で一人娘のために焼菓子を作っていたのだろう。その子は変わり果てた世界で死んでしまい、自分たちは彼女を埋葬した地からこんなにも離れた場所まで来た。
     ソフィアの存在をきっかけに、失った仲間たちの顔がリックの脳裏に次々と浮かんでくる。その全員がこの地まで来ることができたならどれほど良かっただろうか?
     後悔に沈みかけた意識は沸騰したことを知らせるケトルの音によって現実に引き戻され、想像以上に大きく響く音に慌てたリックは急いで火を止めた。そしてマグカップに湯を注ぐとスプーンでかき混ぜる。久しぶりのコーヒーの香りは懐かしさを感じさせた。
     リックは役目を終えたスプーンを洗ってからマグカップと共にダイニングルームへ移動し、椅子に座ってコーヒーを味わう。真っ黒な液体を口に含めば安っぽいコーヒーの香りが鼻を通り抜けていった。以前は特に美味しいと感じたことはなかったが、今は不思議とホッとする味に思える。慣れ親しんだ味というものは人の心を優しく包むのだろう。
     ホッとすると同時に甦る思い出に胸が締め付けられる。家で過ごす時に飲むコーヒーは自分で淹れる場合もあれば、ローリが「私のついで」と淹れてくれることもあった。勤務中に飲むコーヒーはいつもシェーンの笑顔と一緒だった。コーヒーの香りや味は愛おしく懐かしい思い出を呼び起こし、過去には戻れない切なさをもたらす。
     しかし、愛おしむことのできる過去があるというのは幸せなことだ。忌まわしい記憶として背を向けたくなるような過去を持つのは悲しい。例えばダリルのように。
     そのように考えた途端、コーヒーの苦味が急に強くなった気がした。


     リックが少しずつコーヒーを味わっていると階段を下りる音が聞こえてきた。誰かが起きてきたようだ。
     リックがマグカップをテーブルに置きながら階段のある右方向へ顔を向けた時、階段を下りてきたダリルが一階の床に足を着地させた。彼はこちらを見て微かに眉根を寄せる。
    「あんた、いつから起きてたんだ。眠れてないのか?」
     足早に近づいてきたダリルはリックの傍らに立ち、気遣わしげな眼差しを寄越した。それを受け止めながらリックは微笑する。
    「おはよう、ダリル。全く眠れていないわけじゃないんだが、夜中に何回も起きてしまうんだ。五時前に目が覚めて、寝付けそうになかったから起きてコーヒーを飲んでる。心配しなくていい。」
    「俺も似たようなもんだが、あんたは日中に動き回るから疲れが溜まってるはずだ。無理するなよ。」
    「ありがとう。それより、起こしてしまって悪かったな。ケトルの音が思ったより大きかった。」
     苦笑交じりに謝罪するとダリルは「気にするな」と頭を振る。
     リックはダリルがすぐに立ち去ると思っていたが、予想に反してダリルはテーブルに浅く腰掛けてリックを見下ろした。最近は仲間との距離を置きがちな彼にしては珍しい行動だ。
     リックが内心驚いていると、ダリルはマグカップを手に取って飲みかけのコーヒーを一口飲んだ。コーヒーを飲み込み、マグカップをテーブルに戻すダリルの動きをリックは黙って見つめる。
     ダリルはマグカップから手を離すと視線をこちらへ寄越して「安っぽい味のコーヒーだな」と感想を述べた。
    「棚にあったインスタントのやつか?」
    「ああ、そうだ。昔は特に美味いとも思わなかったが、久しぶりに飲んでみると妙に美味いような気がする。不思議だよ。」
     リックは返事をしてから再びコーヒーに口を付けた。ゆっくり味わいながら飲んでいたので温くなっていたことに今更ながらに気づき、「ダリルは温いコーヒーでも良かったのだろうか」とぼんやりと思う。
     リックの喉を温いコーヒーが下りていった時、ダリルが「意外だった」と呟いた。
    「あんたはこんな安物は飲まないタイプだと思ってた。」
     それを聞き、リックはコーヒー豆を挽く自分の姿を想像した。どう考えても似合わない。
    「俺がわざわざ豆を挽いてコーヒーを淹れるタイプだとでも?どう考えたってそんな奴に見えないだろう?」
     リックは笑い混じりに問いかけたが、返される眼差しは真摯なものだった。それによりダリルは本気でそのように思っていたのだと知る。
     リックは笑いを引っ込め、ダリルと向き合うために椅子ごと体の向きを変えた。そして、こちらを見下ろすダリルに「聞いてくれ」と呼びかける。
    「ダリル、俺が飲むのは安いインスタントコーヒーだ。高いコーヒー豆を買ってきて、手間をかけてコーヒーを淹れたことなんてない。……なあ、お前の中にある俺のイメージがとんでもなく高尚な男に思えるんだが、俺の気のせいか?」
     その問いにダリルは苦笑を滲ませる。それが答えだ。
     リックが咎めるように「ダリル」と名前を呼ぶと彼は黙り込んだまま俯いてしまった。俯いたせいで長い前髪がダリルの顔を隠してしまい、表情がわからない。
     ダリルは顔を隠したまま溜め息を落とした。
    「あんたと俺は違いすぎる。生きてきた環境も、人間性も、何もかもだ。世界がこうならなかったら俺はあんたの視界に入ることさえできない。俺はそういう生き方をしてきた野郎だ。」
    「昔の自分の生き方を後悔しているのか?」
     リックの問いにダリルは「するに決まってるだろ」と吐き捨てた。
    「この町に来て、昔の自分のくだらねぇ生き方や生きてきた世界の違いを思い出した。──リック、あんたは俺には手の届かない人間だ。」
     だからダリルは手を伸ばすのを諦めるというのだろうか?
     ダリルの話を聞き、リックは浮かんだ疑問を叩き落としたくなった。
     「リックは自分には手の届かない人間」だと勝手に決めつけて距離を置かないでほしい。手を伸ばすことを始めから諦めないでほしい。こちらの思いを何も聞かずに決めないでほしい。
     リックは俯くダリルの右手に触れる。そうするとダリルの肩が驚いたように跳ねた。
    「ダリル、俺たちの生きてきた環境が違うことは確かだと思う。お前が話したがらないから詳しいことは知らないが、予想はつくよ。それでも俺たちが今こうして一緒にいることが大切なんじゃないか?」
     ダリルは相変わらず俯いたままなので顔が見えない。それでもリックは思いを紡ぐ。
    「なあ、過去はどうにもならない。変えたくても変えられない。もしもの話だって同じだろう。この世界になっていなかったら俺たちは見知らぬ他人で終わったのかもしれないが、それが何だ?俺たちは出会って、一緒に旅をして、大事な仲間になったじゃないか。過去や仮定のことじゃなくて今の俺たちに目を向けてほしい。」
     生きてきた環境が大きく異なるのは事実だ。世界が今のようになっていなければリックとダリルが出会うことはなく、大切な存在になることもなかっただろう。それは認めるしかない。
     しかし、全てが変わってしまった世界で二人が出会ったことも事実であり、大事な仲間として共に生きているのは過去や仮定の話ではなく今現在の話だ。それは絶対に変わることがない。それならばリックは今を大切にしたいと望む。
     リックは「ダリルが過去から解放されてほしい」と願いながら己の決意を口にする。
    「ダリルが手を伸ばすことを諦めても俺は諦めない。お前に手を伸ばし続ける。俺はダリルと一緒にいたいからやめない。このことを忘れないでくれ。」
     生きてきた環境の違いのせいで、リックが真にダリルの苦しみや悲しみを理解することはできないだろう。それはどうにもならない。だからといって諦めてしまえばダリルとの繋がりを失うことになる。
     ダリルとの繋がりを失いたくないのなら、「自分は彼の苦しみや悲しみを理解してやれない」と嘆くのではなく「大切に思うから一緒にいたい」と自分の気持ちを伝えれば良かったのだ。距離を置いたままにするのではなく隣に寄り添えばいい。ダリルの心は他者を拒絶しているのではないのだから。
     自分の思いを全て言葉にしたリックはダリルから手を離そうとした。それを阻んだのはダリルの左手だ。ダリルの右手に触れるリックの手の上に彼の左手が置かれ、それにより手の甲に温もりを感じる。
     ダリルの行動に驚いたリックが重なり合った手を見遣ってからダリルの顔に視線を戻すと、彼は自分たちの手を眺めていた。
    「リック、あんた──俺に惚れてるだろ?」
     唐突な問いは胸に秘めていた想いを指摘するものだった。それにより顔に熱が集中したことをリックは自覚する。ダリル本人に気づかれているかもしれないとは思っていたが、本人から尋ねられると照れてしまう。
     リックはダリルからの問いに答えるため、躊躇いながらも首を縦に振った。
    「うん、まあ、その通りだよ。いつから気づいてた?」
    「それなりに前からだ。あんたのことばかり見てたからな。──俺もリックに惚れてる。」
     その言葉を告げる瞬間にダリルは顔を上げてこちらを見た。前髪の隙間から覗く目の美しさにリックは息を呑む。久しぶりに見る、強い輝きを宿した目だった。
     ダリルは視線を外さないまま「あんたに惚れてるから怖くなった」と思いを明かす。
    「昔はあんたが手の届かない人間だとわかってたから手を伸ばさなかった。だが、あんたが振り向いてくれて欲張りたくなった。そんな俺に現実を突きつけたのがアレクサンドリアだ。……やっぱりリックには手が届かない、離れていっちまうって怖くなった。」
     ダリルは自嘲気味に笑うと再び視線を手の方へ移した。
    「あんたが俺に惚れてるってことに気づいた時、もっと仲を深められるかもしれないって期待した。ガキの頃から期待するだけ無駄だと思って生きてきたってのにな。その期待が潰れるかもしれないと思ったら、足掻くより手を伸ばすのをやめる方が楽だった。……でも、あんたは俺に手を伸ばしてくれるんだな。」
     そう言ってダリルは顔を上げ、笑みと共にこちらを真っ直ぐに見る。
    「今すぐに考え方を切り替えられるかって聞かれたら難しいが、あんたの話を聞いて少し気持ちが楽になった。だから俺もリックに手を伸ばすのを諦めたくない。」
    「ダリル……!」
     ダリルの言葉が嬉しくて、リックの顔には自然と笑みが浮かぶ。
     自分がダリルに手を伸ばすように、ダリルもこちらへ手を伸ばしてくれる。それならばいつの日か必ず手を取り合うことができる。その期待を抱くことをリックだけでなくダリルも恐れはしないだろう。
     その時、ダリルがいたずらっぽい笑みを見せた。
    「リック、弱ってるところにつけ込んで落とそうとは思わなかったのか?たぶん、今の俺なら簡単に落ちるぞ。」
     そう問われ、リックは顔をしかめた。
    「弱ってるところにつけ込むのは卑怯だ。そんなやり方で恋人になれたとしても嬉しくない。」
     そのように答えるとダリルが嬉しそうに笑う。
    「だろうな。あんたのそういうところが好きだ。」
    「あ、ありがとう。」
     ストレートに告げられる好意にリックは恥ずかしくなった。ダリルは気持ちが軽くなって素直な思いを伝えられるようになったのかもしれないが、もう少し抑えてもらっても問題ない。
     リックは気を取り直すように咳払いをして、改めてダリルと視線を重ねた。
    「弱っているところにつけ込むような真似はしたくないから、ダリルの精神状態が安定して、もう大丈夫だと思えた時は『恋人になってほしい』と伝えるよ。」
     そのように告げれば「待ってる」と返されたが、すぐに「ああ、違うな」とダリルが微笑む。
    「待っててくれ、の方が合ってる。いつか絶対に『俺のものになってくれ』って言うから、それまで待ってろよ。」
     ダリルはそのように宣言し、リックの手の甲にキスを落とした。その流れるような動きにリックは見惚れ、胸のときめきを感じる。
     ダリルは自分を卑下しがちだが、そんな必要はない。彼は十分に魅力的な人間で、こんなにもリックを惹きつけるのだから。
     手を解放されたリックはコーヒーを放置したままだったことに気づき、高ぶった気分を落ち着けるためにコーヒーを飲んだ。
     すっかり冷めてしまったコーヒーは苦味が増したはず。それでも今のリックにはとても甘く感じられた。

    END
    ♢だんご♢ Link Message Mute
    2022/08/13 22:12:24

    僕はコーヒー豆を挽かない

    #TWD #ダリリク ##TWD ##ダリリク


    pixivに投稿した作品と同じものです。
    S5でアレクサンドリアに到着した後。
    「生きてきた世界が違う」という理由でリックや仲間と距離を置くダリルを心配するリックのお話。


    ほんのりダリリクの味がするお話です。
    アレクサンドリアに着いたばかりのダリリクの何とも言えない距離感も良いですね。
    タイトルについては深く考えずに読んでいたたければありがたいです。
    地味な話ですが、よかったらどうぞ。

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    • リック受まとめ #ダリリク  #シェンリク  #腐向け  #TWD  #ニガリク ##ダリリク ##シェンリク ##ニガリク ##TWD


      privatterで投稿したものと今までに投稿していないものをまとめました。
      平和な世界だったり、ドラマ沿いだったりごちゃ混ぜです。



      ◆今日のダリリク:相手が風呂を上がっても髪を乾かさないので仕方なくドライヤーをかけてやる
      # 同棲してる2人の日常
      https://shindanmaker.com/719224

       髪を濡らしたままバスルームから出てきたリックを見て、ダリルは眉間に思いきりシワを寄せた。
       リックが「疲れた」と何度もボヤきながらバスルームに入っていった時点でこうなることは予想していたが、予想通りになったからといって喜ぶことはできない。
       ダリルは髪の先から雫を滴らせるリックを捕まえるとバスルームへ引きずっていき、ドライヤーの熱い風をリックの髪に吹きかけ始める。
       乱暴な手つきで髪を乾かしてやるとリックが苦笑いを浮かべた。
      「放っておいてくれて構わないんだぞ?」
      「バカか。風邪でも引かれたら困る。」
       それも理由の一つではあるが、リックに構いたいというのが一番の理由。
       普段は頼もしく凛々しい男がダリルの前では気を緩めて無防備になるのが嬉しい。それだけ自分に心を許しているということなのだと思うと甘やかしてやりたくなる。
       そんなことをリック本人に言うつもりは少しもない。
       そんなわけで、ダリルは緩みそうになる顔を引き締めながらリックの髪を乾かし続けたのだった。

      End




      ◆今日のシェンリク:昼下がり、相手が楽しそうに洗濯物を干しているのを、洗濯物をたたみながら眺める
      # 同棲してる2人の日常
      https://shindanmaker.com/719224

       今日は仕事は休み。
       そのためシェーンはリックと共に惰眠を貪り、遅めの朝食……ではなく昼食を食べてから活動を始めた。
       洗濯機を回しながら食器洗いや掃除を行い、それが終わると昨夜干した洗濯物を取り込んでいく。
       洗濯物の取り込みが終わった時点でリックが洗い終わった衣類を持って姿を見せた。
      「干すのは俺がやるからシェーンは洗濯物をたたんでおいてくれ。」
      「任せろ、相棒。」
       仕事中のような受け答えに笑い合いながら各自の仕事に取りかかる。
       Tシャツをたたみ、ジーンズをたたみ、タオルをたたみ……。
       シェーンはキレイにたたんだ衣類を並べながら洗濯物を干すリックに目を向ける。
       物干しに洗濯物を干していくリックの顔には笑みが浮かんでいる。それだけでなく鼻歌まで歌っているようだ。
       「何がそんなに楽しいのだろう」と首を傾げかけて、シェーンは自分の口元も緩んでいることに気づいた。
       ああ、そうか。二人一緒なら何をしていても楽しい。
       シェーンはリックも自分と同じなのだと気づき、自分の笑みがますます深いものになっていくのを自覚した。
       これが終わったら次は何をしようか?
       リックと一緒ならどんなことをしても楽しいに違いない。
       そんな風に心を弾ませながら最後の一枚をたたみ終わると、洗濯物を干しているリックの方へ足を運ぶことにした。

      End




      ◆今日のニガリク:無意識に「おかえり」と言うと相手が驚いた顔で「ただいま…」と小声で返すので、何だかお互いに恥ずかしくなる
      # 同棲してる2人の日常
      https://shindanmaker.com/719224

       遅くなるなら遅くなるって連絡しろ、クソ野郎。
       リックは怒りと共に冷めきったスパゲッティの皿にラップを貼ってから冷蔵庫を開けた。
       夕食の時間になっても帰ってこなかったニーガンからの連絡は未だにない。「夕食はいらない」という話もなかったので用意はしておいたのだが、日付が変わるまで残り三十分という時間になっても玄関のドアは開かなかった。
       ニーガンという男は他人の思い通りになるような人間ではないと知っていたが、少しは一緒に暮らしている者の身にもなってほしいとリックは常々思っている。
      「どこかの女の部屋にでも転がり込んだのかもな。」
       リックは吐き捨てるように言いながら冷蔵庫の扉を乱暴に閉めた。
       あんな男と一緒に暮らしている自分がバカなのだとわかっていても腹を立てずにいられない。
       ニーガンの言動一つに振り回され、翻弄され、感情が揺れ動く自分が情けなかった。それなのに離れずにいることも情けなくて悔しい。
       「早く帰ってきてほしい」だなんて惨めだ。
       リックは静まり返った部屋の中心に佇み、ボンヤリと床を見つめる。ニーガンがいるとうるさいと感じるのに、今はこの静けさが嫌いだ。
       どうしても「ただいま」の声が聞きたい。
       その時、ドアの開く音が微かに響く。その音に導かれるように玄関へ向かうと、そこにはニーガンの姿があった。
       ニーガンはリックを見ると普段通りの笑みを浮かべた。
      「文句は後にしろよ。説明してやるから、先にシャワーを浴びさせて……」
      「おかえり。」
       リックの口から滑り落ちた言葉にニーガンが驚いた顔をする。それは演技ではなく心からのものだとリックは確信した。
       ニーガンは驚きの表情を浮かべたまま口を開く。
      「……ただいま。」
       それは小さな声だった。
       そのことが妙な恥ずかしさを呼び起こしたため、リックは片手で顔を覆って俯いた。
      「どうして俺が恥ずかしくならなきゃいけないんだ?」
      「それは俺のセリフだ。……文句を言われると思ったのに、今のは反則だ。」
       意外にも近くで声が聞こえたためリックが顔を上げると拗ねた顔のニーガンが目の前にいた。
       リックは一歩後ろへ下がろうとしたが、ニーガンに抱き寄せられたためそれは叶わない。
       珍しく真剣な表情のニーガンは唇同士が触れそうな近さで囁く。
      「リック、もう一度『おかえり』と言ってみろ。」
       結局、この男には逆らえない。
       そう思いながら「おかえり」と口にするとニーガンは満足げに微笑む。
       そして「ただいま」と共に与えられたのは熱い口付けだった。

      End




      ◆ダリリク/制限付きの逃避行

      「笑う横顔に恋をしたのは果たしていつの日だっただろうか」
      https://shindanmaker.com/750576

      【制限付きの逃避行】

       ダリルの視線の先には難しい顔をして考え込むリックがいる。
       出会ったばかりの頃のリックはもっと表情豊かな男だったように思う。良いものも悪いものも表情に出していたように思う。
       しかし、リーダーとしての重さが増していくとリックの顔からは表情が消えていった。
       きっと、背負い過ぎたのだろう。
       きっと、失い過ぎたのだろう。
       それをどうにかしてやりたくても運命は過酷なもので、誰にもリックを救えない。
       だからダリルはリックの傍に行く。頬を撫でてやることしかできなくても、その一瞬だけリックに表情が戻るからだ。
       ダリルがリックの隣に立つとリックは視線だけを寄越してきた。
      「また考え事か?」
      「ああ、別に大したことじゃない。」
       嘘つきめ。
       そう言ってやりたかったが、言ったところで苦笑するだけだろう。
       ダリルは何となくリックに触れたくなって頬に掌を這わせた。そうするとリックは目を細めて幸せそうな笑みを浮かべる。
       笑う横顔に恋をしたのは果たしていつの日だっただろうか?
       ダリルは最近では滅多に笑わなくなった想い人に胸を痛め、自分にできることの少なさに落胆する。
       自分と過ごす時間だけでもリックが幸せだと思えるのならいくらでも傍にいるのに。
       そんなダリルの思いをやんわりと拒むようにリックが離れていく。
      「……もう行かないと。」
       小さく呟いたリックの顔からは表情が消えていた。
      「そうだな。」
       次にリックの笑顔に会えるのはいつになるのだろう?
       リックの傍にいたいのは彼のためなのか、それとも自分のためなのか、ダリルにはそれさえわからなくなった。

      End




      【この熱さをもたらすもの】ダリリク

       照りつける太陽が俺の背中を焼く。
       ジリジリと焦げつく背中に滲む汗は不快さしか与えてくれず、眉間にしわが寄ったのを自覚する。
       作業する手を止めて休めばいいのに「もう少しだけ」と作業を止められない。生き急ぐつもりはないが、小さな焦りが自分の中に存在しているせいなのかもしれない。
       思わず自分に苦笑を漏らした時、後ろから足音が近づいてきた。
      「仕事中毒か?水でも飲んで休め。」
       姿を見せたのはダリルで、彼は水の入ったペットボトルを手にして立っている。
       差し出されたペットボトルを受け取りながら礼を言うと、ダリルの手の甲が俺の頬に触れた。
      「おい、かなり熱いぞ。気分は悪くないか?」
      「大丈夫だ。だが、そろそろ切り上げた方がいいかもしれないな。」
      「あんた、結構汗かきだよな。脱水症状でぶっ倒れても知らねーぞ。」
       ダリルは呆れ顔で俺の頬を軽く叩いた。
       休まずに仕事を続けてしまうのは俺の悪い癖だ。そんな俺をダリルはいつも心配してくれる。
       本当に良い奴だな、と思わず笑みが溢れた。
      「気をつける。それにしてもお前は本当に俺のことをよく見ているよな。そんなに俺のことが好きなのか?」
       笑い混じりに冗談を言ってみた。
       「バカか」と呆れ顔をするダリルを想像していたが、予想とは違ってダリルは目を丸くして俺を見る。その顔が真っ赤に染まるのは一瞬のことだった。
       予想外の反応に何も言えずにいるとダリルが耳元に唇を寄せてくる。
      「好きだけど、何か文句あるか?」
       低く囁かれて背筋にゾクリとしたものが走る。
       ダリルは俺から体を離し、鼻を鳴らして去っていく。それを見送ることができないのは全身が硬直してしまったからだ。
       ああ、熱い。頬が燃えるように熱い。
       思いがけずダリルから与えられた熱に逆上せそうな気がした。

      End




      【Strawberry】ニガリク

       ああ、今日もよく働いた。
       そんな充実感と共にリックは体を伸ばす。
       スッキリと晴れた青空の下で作業をするのは気分が良い。そのためか今日はいつもより張り切って仕事をしたような気がする。
       休むことなく動き回ったので、さすがに体が重い。リックは休憩のために近くの家の壁に背中を預けて座った。
       吹き抜ける風の柔らかさが心地良い。
       耳に届く住人たちの賑やかな声が穏やかな気持ちにさせてくれる。
       様々な困難を乗り越えたアレクサンドリアは希望に満ちた町へと変わりつつある。
      (幸せだなぁ)
       素直にそう感じたリックは微かに笑みを浮かべた。


       リックが幸せな気分を満喫していると足音が近づいてくる。その足音の方へ顔を向ければニーガンが歩いてくる姿が見えた。
       ニーガンのシャツの袖には泥が付いている。畑仕事を嫌がらずに行うニーガンを意外に思ったのはそんなに最近のことではない。
       敵対し、憎み、戦争までした相手と手を取り合って生きていることが信じられないが、目の前にあるのは全て現実だ。そのことが不思議で、おかしくて、そして嬉しい。
       リックがクスクスと笑っていると目の前に来たニーガンが呆れたような顔をする。
      「働きすぎておかしくなったのか?」
      「違う。気にしないでくれ。」
       まだ笑いの余韻を残すリックにニーガンは顔をしかめたが、それ以上は追及せずにリックの正面にしゃがんだ。
       リックの前にしゃがんだニーガンの手には苺が乗っている。畑で育てていたものを持ってきたのだろう。
      「見事な出来だな。ニーガンが農作業が好きだなんて意外だった。」
       そう言ってやるとニーガンはニヤリと笑う。
      「小さなレディだと思えば手間をかけるのも惜しくない。」
       「何だそれ」とリックが笑っているとニーガンはリックの唇に触れた。
      「お前に一番に食わせてやる。口を開けろ。」
       その言葉に従ってリックは口を開けたが、ニーガンは苺を自分で咥えてしまう。
       一番に食べさせてくれるのではなかったのか?
       リックがそんな疑問を抱いているとニーガンが顔を近づけてきた。そしてニーガンが咥えた苺がリックの唇に触れる。「食べろ」という意味なのだと理解したリックは苺をかじった。
       かじった瞬間に口の中に果汁が広がり、甘く爽やかな香りが鼻を通り抜ける。リックは自分を真っ直ぐに見つめてくる瞳を見つめながら苺を咀嚼した。
      「美味い。」
       正直な感想を告げると、それを待ちかねていたかのように残り半分の苺がニーガンの口の中へと消える。
       ニーガンは己の唇に付いた苺の汁を舐め取りながら囁く。
      「お前のためにこの俺が育てた苺だ。全部食えよ、リック。」
      「……本当に押し付けがましい奴だな、あんたは。」
       溜め息混じりのリックの言葉を気にしていない様子でニーガンは再び苺を咥えた。
       リックは「仕方ない」と苦笑してからその苺を咥える。さっきよりも深く咥えれば唇同士が触れ合う。
       そして思いきって苺をかじれば触れ合うだけのものが深い口付けへと変わった。
       苺の甘い汁と共に舌を絡め合えば奇妙な背徳感に背筋がゾクリとする。その背徳感を嫌だと思わないのは目の前の男との甘い時間に溺れているせいだ。
      (甘い、さっきよりもっと)
       この甘さは自分だけのもの。ニーガンが自分のために育てた苺をニーガン自ら与えてくれることで生まれた甘さだ。
       そう認識した時、何度も噛むことでドロドロになった苺が喉を下りていった。
       まだ食べ足りない、と思ったリックは軽く口を開けて「もっと」と強請る。
       「仕方ない奴だ」とニーガンが楽しげな笑みを浮かべながら咥えた苺がリックにはこの世で一番美味しそうなものに見えた。

      End




      【唐突に告げる】シェンリク

      「愛してる。」
       シェーンの鼓膜を震わせたリックの一言は何の脈絡もないものだった。
       シェーンとリックは二人がけのソファーに並んで映画を観ている真っ最中。
       観ているのは恋愛ものの映画ではない。そういったジャンルに興味はなかった。ついさっきまでビール片手にストーリーにツッコミを入れて笑い合っていただけなのだ。
       それなのに突然リックが愛の言葉を口にしたため、シェーンは目を丸くして隣に顔を向けた。
      「何だよ、急に。」
       そう尋ねればリックは楽しそうに笑った。
      「何となく言いたかっただけだ。」
      「そんなムードじゃなかったぞ。」
       変な奴、と苦笑しながら新しいビールに口を付ける。
       突然のことに驚きはしたが、悪くはない。
       相手のことを常に愛しく思っているのはシェーンも同じだ。
      「愛してる。」
       今度はシェーンが愛の言葉を口にした。
       シェーンが再び隣へ顔を向ければリックも同じようにシェーンを見ていた。
       目が合った時、リックの目尻が垂れて幸せそうな笑みが浮かんだ。
       そんなリックを「愛しいな」と改めて思ったシェーンの口も弧を描いていた。

      End
      #ダリリク  #シェンリク  #腐向け  #TWD  #ニガリク ##ダリリク ##シェンリク ##ニガリク ##TWD


      privatterで投稿したものと今までに投稿していないものをまとめました。
      平和な世界だったり、ドラマ沿いだったりごちゃ混ぜです。



      ◆今日のダリリク:相手が風呂を上がっても髪を乾かさないので仕方なくドライヤーをかけてやる
      # 同棲してる2人の日常
      https://shindanmaker.com/719224

       髪を濡らしたままバスルームから出てきたリックを見て、ダリルは眉間に思いきりシワを寄せた。
       リックが「疲れた」と何度もボヤきながらバスルームに入っていった時点でこうなることは予想していたが、予想通りになったからといって喜ぶことはできない。
       ダリルは髪の先から雫を滴らせるリックを捕まえるとバスルームへ引きずっていき、ドライヤーの熱い風をリックの髪に吹きかけ始める。
       乱暴な手つきで髪を乾かしてやるとリックが苦笑いを浮かべた。
      「放っておいてくれて構わないんだぞ?」
      「バカか。風邪でも引かれたら困る。」
       それも理由の一つではあるが、リックに構いたいというのが一番の理由。
       普段は頼もしく凛々しい男がダリルの前では気を緩めて無防備になるのが嬉しい。それだけ自分に心を許しているということなのだと思うと甘やかしてやりたくなる。
       そんなことをリック本人に言うつもりは少しもない。
       そんなわけで、ダリルは緩みそうになる顔を引き締めながらリックの髪を乾かし続けたのだった。

      End




      ◆今日のシェンリク:昼下がり、相手が楽しそうに洗濯物を干しているのを、洗濯物をたたみながら眺める
      # 同棲してる2人の日常
      https://shindanmaker.com/719224

       今日は仕事は休み。
       そのためシェーンはリックと共に惰眠を貪り、遅めの朝食……ではなく昼食を食べてから活動を始めた。
       洗濯機を回しながら食器洗いや掃除を行い、それが終わると昨夜干した洗濯物を取り込んでいく。
       洗濯物の取り込みが終わった時点でリックが洗い終わった衣類を持って姿を見せた。
      「干すのは俺がやるからシェーンは洗濯物をたたんでおいてくれ。」
      「任せろ、相棒。」
       仕事中のような受け答えに笑い合いながら各自の仕事に取りかかる。
       Tシャツをたたみ、ジーンズをたたみ、タオルをたたみ……。
       シェーンはキレイにたたんだ衣類を並べながら洗濯物を干すリックに目を向ける。
       物干しに洗濯物を干していくリックの顔には笑みが浮かんでいる。それだけでなく鼻歌まで歌っているようだ。
       「何がそんなに楽しいのだろう」と首を傾げかけて、シェーンは自分の口元も緩んでいることに気づいた。
       ああ、そうか。二人一緒なら何をしていても楽しい。
       シェーンはリックも自分と同じなのだと気づき、自分の笑みがますます深いものになっていくのを自覚した。
       これが終わったら次は何をしようか?
       リックと一緒ならどんなことをしても楽しいに違いない。
       そんな風に心を弾ませながら最後の一枚をたたみ終わると、洗濯物を干しているリックの方へ足を運ぶことにした。

      End




      ◆今日のニガリク:無意識に「おかえり」と言うと相手が驚いた顔で「ただいま…」と小声で返すので、何だかお互いに恥ずかしくなる
      # 同棲してる2人の日常
      https://shindanmaker.com/719224

       遅くなるなら遅くなるって連絡しろ、クソ野郎。
       リックは怒りと共に冷めきったスパゲッティの皿にラップを貼ってから冷蔵庫を開けた。
       夕食の時間になっても帰ってこなかったニーガンからの連絡は未だにない。「夕食はいらない」という話もなかったので用意はしておいたのだが、日付が変わるまで残り三十分という時間になっても玄関のドアは開かなかった。
       ニーガンという男は他人の思い通りになるような人間ではないと知っていたが、少しは一緒に暮らしている者の身にもなってほしいとリックは常々思っている。
      「どこかの女の部屋にでも転がり込んだのかもな。」
       リックは吐き捨てるように言いながら冷蔵庫の扉を乱暴に閉めた。
       あんな男と一緒に暮らしている自分がバカなのだとわかっていても腹を立てずにいられない。
       ニーガンの言動一つに振り回され、翻弄され、感情が揺れ動く自分が情けなかった。それなのに離れずにいることも情けなくて悔しい。
       「早く帰ってきてほしい」だなんて惨めだ。
       リックは静まり返った部屋の中心に佇み、ボンヤリと床を見つめる。ニーガンがいるとうるさいと感じるのに、今はこの静けさが嫌いだ。
       どうしても「ただいま」の声が聞きたい。
       その時、ドアの開く音が微かに響く。その音に導かれるように玄関へ向かうと、そこにはニーガンの姿があった。
       ニーガンはリックを見ると普段通りの笑みを浮かべた。
      「文句は後にしろよ。説明してやるから、先にシャワーを浴びさせて……」
      「おかえり。」
       リックの口から滑り落ちた言葉にニーガンが驚いた顔をする。それは演技ではなく心からのものだとリックは確信した。
       ニーガンは驚きの表情を浮かべたまま口を開く。
      「……ただいま。」
       それは小さな声だった。
       そのことが妙な恥ずかしさを呼び起こしたため、リックは片手で顔を覆って俯いた。
      「どうして俺が恥ずかしくならなきゃいけないんだ?」
      「それは俺のセリフだ。……文句を言われると思ったのに、今のは反則だ。」
       意外にも近くで声が聞こえたためリックが顔を上げると拗ねた顔のニーガンが目の前にいた。
       リックは一歩後ろへ下がろうとしたが、ニーガンに抱き寄せられたためそれは叶わない。
       珍しく真剣な表情のニーガンは唇同士が触れそうな近さで囁く。
      「リック、もう一度『おかえり』と言ってみろ。」
       結局、この男には逆らえない。
       そう思いながら「おかえり」と口にするとニーガンは満足げに微笑む。
       そして「ただいま」と共に与えられたのは熱い口付けだった。

      End




      ◆ダリリク/制限付きの逃避行

      「笑う横顔に恋をしたのは果たしていつの日だっただろうか」
      https://shindanmaker.com/750576

      【制限付きの逃避行】

       ダリルの視線の先には難しい顔をして考え込むリックがいる。
       出会ったばかりの頃のリックはもっと表情豊かな男だったように思う。良いものも悪いものも表情に出していたように思う。
       しかし、リーダーとしての重さが増していくとリックの顔からは表情が消えていった。
       きっと、背負い過ぎたのだろう。
       きっと、失い過ぎたのだろう。
       それをどうにかしてやりたくても運命は過酷なもので、誰にもリックを救えない。
       だからダリルはリックの傍に行く。頬を撫でてやることしかできなくても、その一瞬だけリックに表情が戻るからだ。
       ダリルがリックの隣に立つとリックは視線だけを寄越してきた。
      「また考え事か?」
      「ああ、別に大したことじゃない。」
       嘘つきめ。
       そう言ってやりたかったが、言ったところで苦笑するだけだろう。
       ダリルは何となくリックに触れたくなって頬に掌を這わせた。そうするとリックは目を細めて幸せそうな笑みを浮かべる。
       笑う横顔に恋をしたのは果たしていつの日だっただろうか?
       ダリルは最近では滅多に笑わなくなった想い人に胸を痛め、自分にできることの少なさに落胆する。
       自分と過ごす時間だけでもリックが幸せだと思えるのならいくらでも傍にいるのに。
       そんなダリルの思いをやんわりと拒むようにリックが離れていく。
      「……もう行かないと。」
       小さく呟いたリックの顔からは表情が消えていた。
      「そうだな。」
       次にリックの笑顔に会えるのはいつになるのだろう?
       リックの傍にいたいのは彼のためなのか、それとも自分のためなのか、ダリルにはそれさえわからなくなった。

      End




      【この熱さをもたらすもの】ダリリク

       照りつける太陽が俺の背中を焼く。
       ジリジリと焦げつく背中に滲む汗は不快さしか与えてくれず、眉間にしわが寄ったのを自覚する。
       作業する手を止めて休めばいいのに「もう少しだけ」と作業を止められない。生き急ぐつもりはないが、小さな焦りが自分の中に存在しているせいなのかもしれない。
       思わず自分に苦笑を漏らした時、後ろから足音が近づいてきた。
      「仕事中毒か?水でも飲んで休め。」
       姿を見せたのはダリルで、彼は水の入ったペットボトルを手にして立っている。
       差し出されたペットボトルを受け取りながら礼を言うと、ダリルの手の甲が俺の頬に触れた。
      「おい、かなり熱いぞ。気分は悪くないか?」
      「大丈夫だ。だが、そろそろ切り上げた方がいいかもしれないな。」
      「あんた、結構汗かきだよな。脱水症状でぶっ倒れても知らねーぞ。」
       ダリルは呆れ顔で俺の頬を軽く叩いた。
       休まずに仕事を続けてしまうのは俺の悪い癖だ。そんな俺をダリルはいつも心配してくれる。
       本当に良い奴だな、と思わず笑みが溢れた。
      「気をつける。それにしてもお前は本当に俺のことをよく見ているよな。そんなに俺のことが好きなのか?」
       笑い混じりに冗談を言ってみた。
       「バカか」と呆れ顔をするダリルを想像していたが、予想とは違ってダリルは目を丸くして俺を見る。その顔が真っ赤に染まるのは一瞬のことだった。
       予想外の反応に何も言えずにいるとダリルが耳元に唇を寄せてくる。
      「好きだけど、何か文句あるか?」
       低く囁かれて背筋にゾクリとしたものが走る。
       ダリルは俺から体を離し、鼻を鳴らして去っていく。それを見送ることができないのは全身が硬直してしまったからだ。
       ああ、熱い。頬が燃えるように熱い。
       思いがけずダリルから与えられた熱に逆上せそうな気がした。

      End




      【Strawberry】ニガリク

       ああ、今日もよく働いた。
       そんな充実感と共にリックは体を伸ばす。
       スッキリと晴れた青空の下で作業をするのは気分が良い。そのためか今日はいつもより張り切って仕事をしたような気がする。
       休むことなく動き回ったので、さすがに体が重い。リックは休憩のために近くの家の壁に背中を預けて座った。
       吹き抜ける風の柔らかさが心地良い。
       耳に届く住人たちの賑やかな声が穏やかな気持ちにさせてくれる。
       様々な困難を乗り越えたアレクサンドリアは希望に満ちた町へと変わりつつある。
      (幸せだなぁ)
       素直にそう感じたリックは微かに笑みを浮かべた。


       リックが幸せな気分を満喫していると足音が近づいてくる。その足音の方へ顔を向ければニーガンが歩いてくる姿が見えた。
       ニーガンのシャツの袖には泥が付いている。畑仕事を嫌がらずに行うニーガンを意外に思ったのはそんなに最近のことではない。
       敵対し、憎み、戦争までした相手と手を取り合って生きていることが信じられないが、目の前にあるのは全て現実だ。そのことが不思議で、おかしくて、そして嬉しい。
       リックがクスクスと笑っていると目の前に来たニーガンが呆れたような顔をする。
      「働きすぎておかしくなったのか?」
      「違う。気にしないでくれ。」
       まだ笑いの余韻を残すリックにニーガンは顔をしかめたが、それ以上は追及せずにリックの正面にしゃがんだ。
       リックの前にしゃがんだニーガンの手には苺が乗っている。畑で育てていたものを持ってきたのだろう。
      「見事な出来だな。ニーガンが農作業が好きだなんて意外だった。」
       そう言ってやるとニーガンはニヤリと笑う。
      「小さなレディだと思えば手間をかけるのも惜しくない。」
       「何だそれ」とリックが笑っているとニーガンはリックの唇に触れた。
      「お前に一番に食わせてやる。口を開けろ。」
       その言葉に従ってリックは口を開けたが、ニーガンは苺を自分で咥えてしまう。
       一番に食べさせてくれるのではなかったのか?
       リックがそんな疑問を抱いているとニーガンが顔を近づけてきた。そしてニーガンが咥えた苺がリックの唇に触れる。「食べろ」という意味なのだと理解したリックは苺をかじった。
       かじった瞬間に口の中に果汁が広がり、甘く爽やかな香りが鼻を通り抜ける。リックは自分を真っ直ぐに見つめてくる瞳を見つめながら苺を咀嚼した。
      「美味い。」
       正直な感想を告げると、それを待ちかねていたかのように残り半分の苺がニーガンの口の中へと消える。
       ニーガンは己の唇に付いた苺の汁を舐め取りながら囁く。
      「お前のためにこの俺が育てた苺だ。全部食えよ、リック。」
      「……本当に押し付けがましい奴だな、あんたは。」
       溜め息混じりのリックの言葉を気にしていない様子でニーガンは再び苺を咥えた。
       リックは「仕方ない」と苦笑してからその苺を咥える。さっきよりも深く咥えれば唇同士が触れ合う。
       そして思いきって苺をかじれば触れ合うだけのものが深い口付けへと変わった。
       苺の甘い汁と共に舌を絡め合えば奇妙な背徳感に背筋がゾクリとする。その背徳感を嫌だと思わないのは目の前の男との甘い時間に溺れているせいだ。
      (甘い、さっきよりもっと)
       この甘さは自分だけのもの。ニーガンが自分のために育てた苺をニーガン自ら与えてくれることで生まれた甘さだ。
       そう認識した時、何度も噛むことでドロドロになった苺が喉を下りていった。
       まだ食べ足りない、と思ったリックは軽く口を開けて「もっと」と強請る。
       「仕方ない奴だ」とニーガンが楽しげな笑みを浮かべながら咥えた苺がリックにはこの世で一番美味しそうなものに見えた。

      End




      【唐突に告げる】シェンリク

      「愛してる。」
       シェーンの鼓膜を震わせたリックの一言は何の脈絡もないものだった。
       シェーンとリックは二人がけのソファーに並んで映画を観ている真っ最中。
       観ているのは恋愛ものの映画ではない。そういったジャンルに興味はなかった。ついさっきまでビール片手にストーリーにツッコミを入れて笑い合っていただけなのだ。
       それなのに突然リックが愛の言葉を口にしたため、シェーンは目を丸くして隣に顔を向けた。
      「何だよ、急に。」
       そう尋ねればリックは楽しそうに笑った。
      「何となく言いたかっただけだ。」
      「そんなムードじゃなかったぞ。」
       変な奴、と苦笑しながら新しいビールに口を付ける。
       突然のことに驚きはしたが、悪くはない。
       相手のことを常に愛しく思っているのはシェーンも同じだ。
      「愛してる。」
       今度はシェーンが愛の言葉を口にした。
       シェーンが再び隣へ顔を向ければリックも同じようにシェーンを見ていた。
       目が合った時、リックの目尻が垂れて幸せそうな笑みが浮かんだ。
       そんなリックを「愛しいな」と改めて思ったシェーンの口も弧を描いていた。

      End
      ♢だんご♢
    • 飽きたなら、さようなら #TWD #ニガリク #腐向け ##TWD ##ニガリク

      pixivに投稿した作品と同じものです。
      S7辺りのニガリク。
      ニーガンに素っ気なくされるようになったリックが徴収の前日に調達に出かけるお話。


      ニーガンに素っ気なくされるリックを書いてみたかったので挑戦してみましたが、あんまり素っ気ない感じがしないかもしれません。
      よかったら、どうぞ。
      ♢だんご♢
    • リック受けまとめ2 ##TWD ##ニガリク ##ダリリク ##メルリク

      ぷらいべったーに投稿した作品のまとめです。
      ほぼニガリクでした。
      よかったらどうぞ。
      ♢だんご♢
    • スコット受まとめ #蜘蛛蟻  #隼蟻  #盾蟻  #腐向け ##蜘蛛蟻 ##隼蟻 ##盾蟻


      診断メーカーのお題で書いたものをまとめました。privatterに投稿していたものです。




      ◆今日の隼蟻:洗う係と拭く係とで別れて、口論しながらも見事な連携プレーで食器を洗う
      # 同棲してる2人の日常
      https://shindanmaker.com/719224

      「だーかーら!今日は俺が夕飯作るって言っただろ!?しかも言ったのは朝!」
       スコットが泡だらけの皿を水で洗いながら怒鳴ると、その隣ではサムが洗い終わった食器を乾いたタオルで拭きながらしかめっ面をする。
      「俺がやりたくてやってるだけだ。俺としては何で怒られなきゃならないのかが理解できないね。」
      「疲れて帰ってきた奴にさせたくなかったのがわかんないのか!?あー、俺の優しさが無駄になった!」
       やけくそ気味に言い放ったスコットの言葉に対してサムが「自分で言うな」とツッコむと、スコットの機嫌はますます下降していく。
       今日の任務はサムだけだったので、スコットは今夜の食事は自分が作ろうと思っていた。毎日食事を作ってくれるサムへの感謝のためでもあったからだ。
       それなのに買い出しで家を留守にした間にサムが帰宅し、スコットが帰宅する前に夕食を作ってしまったのである。
      「あんたに美味いものを食べさせてやりたいと思うのがそんなにダメか?」
       サムはスコットが渡した皿を受け取って手際良く水分を拭き取った。
      「そうじゃなくてっ……サムに少しでも楽をさせてやりたい俺の気持ちも考えろってこと。」
       差し出されたサムの手にスコットは洗い終わった皿を乗せる。その皿の水気もサムの手によってあっという間に消え失せてしまった。
      「あんたを喜ばせたい俺の気持ちも考えてほしいね。……早く次を渡せ。」
      「はいはい、これで最後だよ。」
       スコットが不機嫌そうに最後の皿を渡すと、サムは目を丸くしてスコットの顔を見た。
      「最後?これで終わりか?」
      「何か問題でも?」
      「早いな。もう洗い終わったのか。」
      「……ケンカしても連携プレーはバッチリだな、俺たち。」
       その事実が二人の仲の良さを表しているようで、不思議と笑みが浮かんでくる。
       こうなってしまえば怒りは萎んで消えてしまい、後は仲直りをするだけとなる。
       スコットとサムは向かい合うと互いの体に両腕を回して抱きしめ合った。
      「サム、ごめん。ムキになって怒り過ぎた。」
      「俺こそ悪かった。スコットの気持ちは嬉しかったんだ。」
       謝り合ってハグをすればケンカはお終い。
       残りの時間は甘く穏やかな時間を過ごすことにしよう。

      End




      ◆今日の蜘蛛蟻:なんだか無性に甘いものが食べたいと思ってドーナッツ1ダース買って帰ったら相手も1ダース買ってた
      # 同棲してる2人の日常
      https://shindanmaker.com/719224

       お腹が空いたな、と思った帰り道。
       甘いものが食べたいな、と思って回り道。
       良さそうな店を探すピーターの鼻に届いたのは美味しそうなドーナツの香り。
       甘い香りに誘われてフラフラと店に入れば数えきれないほどたくさんのドーナツ。種類の豊富さは選ぶ楽しさを与えてくれる。
      (スコットさんは何が好きかな?)
       同棲中の恋人の好みを思い出しながらドーナツと見つめ合うが、どれも魅力的で一つだけ選ぶのは無理そうだ。
       それならば何種類も買って帰ればいいではないか。
       「我ながら名案だ」とピーターは笑みを浮かべ、澄まし顔で並ぶドーナツたちを次々と指名する。
       ドーナツを購入し、「ありがとうございました」と店員の声を背に受けながら店を出たピーターの手には大きな箱。その中にはドーナツが一ダースも詰まっていた。
       買い過ぎたかな、と思いながらも家に向かう足はステップを踏みそうな勢いだ。
       腹の虫を鳴かせながら家に帰れば愛しいスコットが出迎えてくれる。
      「見て、スコットさん。ドーナツ買ってきたんだ。」
       そう言ってドーナツの入った箱を差し出すとスコットは「えっ!」と言って目玉が飛び出そうな勢いで目を丸くした。
       どうしたのかと尋ねればスコットは気まずそうにダイニングテーブルを指差す。
       そこにあったのはピーターと同じ柄と大きさの箱。
      「俺もドーナツを買ってきたんだ。ピーターが喜ぶかと思って。……一ダース。」
       ピーターは困り顔で頬をかくスコットに抱きつきながら「僕たちの相性は最高だね!」と頬にキスを贈ったのだった。

      End




      ◆今日の盾蟻:仕事で疲れ切った帰り道、家の明かりが灯っているのを見て不意に泣きたくなった(相手には絶対言わないが)
      # 同棲してる2人の日常
      https://shindanmaker.com/719224

       すっかり暗くなった通りを歩きながらスティーブは冷たい風に体を震わせる。
       今日の任務は予定よりも時間がかかった。想定外の出来事が起きるのは当然で、そのための心構えは常にできている。
       しかし、疲れるものは疲れる。超人的な肉体を持つスティーブであっても疲れが溜まるのは避けられず、今日は特に疲れが大きい。
       重いものを引きずるように歩きながらの帰り道は気分まで重くさせた。
       暗い道を寒さに震えながら歩くのは妙に落ち込む。通りすがりの相手から嫌なことを言われたわけでもないのに……というより、誰とも擦れ違わないのだが。
      (なんだか情けないな)
       自分自身に対して苦笑しながら歩くうちに我が家が見えてきた。
       狭くはないが広いとも言いきれない小さな家には柔らかな明かりが灯っている。
      (スコット、まだ起きていたんだな)
       同棲を始めたばかりの恋人には帰るのが遅くなると連絡は入れてある。先に寝ていてほしいとも伝えておいたはずだ。
       それでも彼はスティーブの帰りを起きて待っていたらしい。

      ───ああ、一人じゃないことがこんなにも嬉しい。

       そう思った途端に鼻の奥がツーンとして、目の奥が熱くなって、瞬きを繰り返さなければ涙が溢れてしまいそうな気がした。
       スコットという存在が自分の心に温もりを与えてくれることが幸せで……幸せだからこそ泣きたくなる。
       スティーブは家の玄関の前に立つと頬を軽く叩いた。
       泣きそうになったなんて絶対に悟られたくない。いつも通りの自分でスコットに会いたい。
       「よし!」と小さく声を出してからドアを開ければ、愛しい笑顔がスティーブを迎えてくれた。

      End
      #蜘蛛蟻  #隼蟻  #盾蟻  #腐向け ##蜘蛛蟻 ##隼蟻 ##盾蟻


      診断メーカーのお題で書いたものをまとめました。privatterに投稿していたものです。




      ◆今日の隼蟻:洗う係と拭く係とで別れて、口論しながらも見事な連携プレーで食器を洗う
      # 同棲してる2人の日常
      https://shindanmaker.com/719224

      「だーかーら!今日は俺が夕飯作るって言っただろ!?しかも言ったのは朝!」
       スコットが泡だらけの皿を水で洗いながら怒鳴ると、その隣ではサムが洗い終わった食器を乾いたタオルで拭きながらしかめっ面をする。
      「俺がやりたくてやってるだけだ。俺としては何で怒られなきゃならないのかが理解できないね。」
      「疲れて帰ってきた奴にさせたくなかったのがわかんないのか!?あー、俺の優しさが無駄になった!」
       やけくそ気味に言い放ったスコットの言葉に対してサムが「自分で言うな」とツッコむと、スコットの機嫌はますます下降していく。
       今日の任務はサムだけだったので、スコットは今夜の食事は自分が作ろうと思っていた。毎日食事を作ってくれるサムへの感謝のためでもあったからだ。
       それなのに買い出しで家を留守にした間にサムが帰宅し、スコットが帰宅する前に夕食を作ってしまったのである。
      「あんたに美味いものを食べさせてやりたいと思うのがそんなにダメか?」
       サムはスコットが渡した皿を受け取って手際良く水分を拭き取った。
      「そうじゃなくてっ……サムに少しでも楽をさせてやりたい俺の気持ちも考えろってこと。」
       差し出されたサムの手にスコットは洗い終わった皿を乗せる。その皿の水気もサムの手によってあっという間に消え失せてしまった。
      「あんたを喜ばせたい俺の気持ちも考えてほしいね。……早く次を渡せ。」
      「はいはい、これで最後だよ。」
       スコットが不機嫌そうに最後の皿を渡すと、サムは目を丸くしてスコットの顔を見た。
      「最後?これで終わりか?」
      「何か問題でも?」
      「早いな。もう洗い終わったのか。」
      「……ケンカしても連携プレーはバッチリだな、俺たち。」
       その事実が二人の仲の良さを表しているようで、不思議と笑みが浮かんでくる。
       こうなってしまえば怒りは萎んで消えてしまい、後は仲直りをするだけとなる。
       スコットとサムは向かい合うと互いの体に両腕を回して抱きしめ合った。
      「サム、ごめん。ムキになって怒り過ぎた。」
      「俺こそ悪かった。スコットの気持ちは嬉しかったんだ。」
       謝り合ってハグをすればケンカはお終い。
       残りの時間は甘く穏やかな時間を過ごすことにしよう。

      End




      ◆今日の蜘蛛蟻:なんだか無性に甘いものが食べたいと思ってドーナッツ1ダース買って帰ったら相手も1ダース買ってた
      # 同棲してる2人の日常
      https://shindanmaker.com/719224

       お腹が空いたな、と思った帰り道。
       甘いものが食べたいな、と思って回り道。
       良さそうな店を探すピーターの鼻に届いたのは美味しそうなドーナツの香り。
       甘い香りに誘われてフラフラと店に入れば数えきれないほどたくさんのドーナツ。種類の豊富さは選ぶ楽しさを与えてくれる。
      (スコットさんは何が好きかな?)
       同棲中の恋人の好みを思い出しながらドーナツと見つめ合うが、どれも魅力的で一つだけ選ぶのは無理そうだ。
       それならば何種類も買って帰ればいいではないか。
       「我ながら名案だ」とピーターは笑みを浮かべ、澄まし顔で並ぶドーナツたちを次々と指名する。
       ドーナツを購入し、「ありがとうございました」と店員の声を背に受けながら店を出たピーターの手には大きな箱。その中にはドーナツが一ダースも詰まっていた。
       買い過ぎたかな、と思いながらも家に向かう足はステップを踏みそうな勢いだ。
       腹の虫を鳴かせながら家に帰れば愛しいスコットが出迎えてくれる。
      「見て、スコットさん。ドーナツ買ってきたんだ。」
       そう言ってドーナツの入った箱を差し出すとスコットは「えっ!」と言って目玉が飛び出そうな勢いで目を丸くした。
       どうしたのかと尋ねればスコットは気まずそうにダイニングテーブルを指差す。
       そこにあったのはピーターと同じ柄と大きさの箱。
      「俺もドーナツを買ってきたんだ。ピーターが喜ぶかと思って。……一ダース。」
       ピーターは困り顔で頬をかくスコットに抱きつきながら「僕たちの相性は最高だね!」と頬にキスを贈ったのだった。

      End




      ◆今日の盾蟻:仕事で疲れ切った帰り道、家の明かりが灯っているのを見て不意に泣きたくなった(相手には絶対言わないが)
      # 同棲してる2人の日常
      https://shindanmaker.com/719224

       すっかり暗くなった通りを歩きながらスティーブは冷たい風に体を震わせる。
       今日の任務は予定よりも時間がかかった。想定外の出来事が起きるのは当然で、そのための心構えは常にできている。
       しかし、疲れるものは疲れる。超人的な肉体を持つスティーブであっても疲れが溜まるのは避けられず、今日は特に疲れが大きい。
       重いものを引きずるように歩きながらの帰り道は気分まで重くさせた。
       暗い道を寒さに震えながら歩くのは妙に落ち込む。通りすがりの相手から嫌なことを言われたわけでもないのに……というより、誰とも擦れ違わないのだが。
      (なんだか情けないな)
       自分自身に対して苦笑しながら歩くうちに我が家が見えてきた。
       狭くはないが広いとも言いきれない小さな家には柔らかな明かりが灯っている。
      (スコット、まだ起きていたんだな)
       同棲を始めたばかりの恋人には帰るのが遅くなると連絡は入れてある。先に寝ていてほしいとも伝えておいたはずだ。
       それでも彼はスティーブの帰りを起きて待っていたらしい。

      ───ああ、一人じゃないことがこんなにも嬉しい。

       そう思った途端に鼻の奥がツーンとして、目の奥が熱くなって、瞬きを繰り返さなければ涙が溢れてしまいそうな気がした。
       スコットという存在が自分の心に温もりを与えてくれることが幸せで……幸せだからこそ泣きたくなる。
       スティーブは家の玄関の前に立つと頬を軽く叩いた。
       泣きそうになったなんて絶対に悟られたくない。いつも通りの自分でスコットに会いたい。
       「よし!」と小さく声を出してからドアを開ければ、愛しい笑顔がスティーブを迎えてくれた。

      End
      ♢だんご♢
    • スコット受け他まとめ ##アントマン ##蜘蛛蟻 ##スコット ##ロケット ##トニー

      ぷらいべったーに投稿した作品のまとめです。
      CPあり・なしの話がごちゃまぜ。CPありは蜘蛛蟻のみ。
      よかったらどうぞ。
      ♢だんご♢
    • ある寒い日のこと #ウースコ  #アントマン  #腐向け ##ウースコ ##アントマン


      自宅軟禁期間のウースコ。
      寒い日にスコットの自宅を訪ねるジミーのお話。

      寒い日は妄想がはかどるので書いてみました。ウースコというよりもウースコ未満かもしれません。
      いつも「ウーさん」と呼んでいるのでCP表記をウースコにしましたが、ジミスコの方がいいんでしょうか?
      とりあえずウースコでいこうと思います。
      短い話ですが、よかったらどうぞ。
      ♢だんご♢
    • 赤ずきんとおばあさん #蜘蛛蟻  #ピタスコ  #腐向け  ##蜘蛛蟻


      小説投稿機能のお試し。
      ぷらいべったーで投稿したものを少し手直ししました。タイトルのセンスがないのはお許しください。
      ピーターが遊びに来るのを待つ心配性なスコットのお話。
      よかったらどうぞ〜。
      ♢だんご♢
    • 本能が「欲しい」と囁いた #ニガリク  #TWD  #腐向け  #オメガバース  ##ニガリク  ##TWD

      pixivにも投稿した作品です。
      S7のニガリクで、オメガバース設定を使用しています。
      ネタバレになるので詳細は控えさせていただきます。

      好きなように設定を詰め込んでいますが、よかったらどうぞ。


      2018.6.21 一部を修正しました。
      ♢だんご♢
    • 小さなバースデーパーティー ##TWD ##リック ##カール

      アンディの誕生日にグライムズ親子の誕生日ネタで1つ。
      放浪中の親子の誕生日のお話。短いです。
      ♢だんご♢
    • さよなら、私のアルファ #ニガリク  #TWD  #腐向け  #オメガバース  #オリジナルキャラクター  ##ニガリク  ##TWD

      pixivにも投稿している作品です。
      【本能が「欲しい」と囁いた】の続きになります。
      ニーガンが運命の番と出会ったため、サンクチュアリを出ていくことにしたリックのお話。


      オリジナルキャラクターが複数名登場します。出番が多く、ニガリクの子どもも登場するので苦手な方はご注意ください。
      詳細は1ページ目に案内がありますので、そちらをご覧ください。
      ニガモブ要素を少し含みますし、ニーガンがひどい男です。
      よかったらどうぞ。


      2018.6.21 一部を修正しました。
      ♢だんご♢
    • ベッドひとつぶんの世界 #TWD #ダリリク #ニーガン #腐向け ##TWD ##ダリリク

      pixivに投稿したものと同じ作品です。
      S7辺りのダリリク。
      ニーガンの部下になったダリリクと、二人を見つめるニーガンのお話。


      ダリリクが揃ってニーガンの部下になったら、互いだけを支えにして寄り添い合うのかなーと妄想したので書きました。
      寄り添い合うダリリクはとても美しいと思います。
      CPもののような、そうでないような、微妙な話ではありますが、よかったらどうぞ。
      ♢だんご♢
    • ちょっとそこまで逃避行 #蜘蛛蟻 #ピタスコ #腐向け ##アントマン ##蜘蛛蟻


      pixivに投稿した作品と同じものです。
      スパイダーマンFFH後の蜘蛛蟻。
      FFHのネタバレを含むのでご注意ください。
      辛い状況にあるピーターがスコットの家に逃避行するお話。


      FFHが個人的に辛すぎたので自分を救済するために書きました。
      蜘蛛蟻というより蜘蛛蟻未満?
      よかったらどうぞ。
      ♢だんご♢
    • 数値は愛を語る #蜘蛛蟻 #腐向け #Dom/SubAU ##蜘蛛蟻

      pixivに投稿したものと同じものです。
      Dom/Subユニバース設定で、Switch×Subの蜘蛛蟻。
      ピーターに惹かれながらも寄せられる想いに向き合うことができないスコットさんのお話。
      特にどの時間軸というのはなく、設定ゆるゆるです。


      突然降ってきたネタに萌えてしまったので勢いで書きました。スコットさんがヘタレです。
      特殊設定なので「大丈夫だよ!」という方は、どうぞ。
      ♢だんご♢
    • プリンシパルとアンサンブル(前半) #TWD #ニガリク #腐向け #夢小説 ##TWD ##ニガリク

      S7の頃。救世主として日々を過ごす主人公が偶然リックと関わり、それをきっかけにリックやニーガンと深く関わるようになるお話。

      夢小説なので主人公はドラマに登場するキャラクターではありません。夢主がキャラクターたちと関わるのを楽しみつつニガリクを堪能する作品です。
      夢小説とCP小説を合わせた作品なので苦手な方はご遠慮ください。
      主人公とキャラクターが恋愛関係になる展開もありませんのでご了承ください。
      よかったら、どうぞ。
      ♢だんご♢
    • 家族写真 #TWD #ニガリク #腐向け ##TWD ##ニガリク


      pixivに投稿した作品と同じものです。
      S7辺りのニガリク。
      大切にしてる家族写真をニーガンに奪われたリックのお話。

      「ニーガンはグライムズ親子の写真を勝手に持って帰りそう」と思ったので書いてみました。
      特に盛り上がりのない私向けの話です。お暇な時にどうぞ。
      ♢だんご♢
    • 道なき未知を拓く者たち③ #TWD #ニガリク ##TWD ##ニガリク


      pixivに投稿した作品と同じものです。
      「リックを最初に拾ったのがニーガンだったら?」というIFストーリー『生まれ落ちた日』の続編。
      リックは食料調達のためにシェーンとカールと共に森に入り、その最中に事件が起きる。それはグループの運命を変えるものだった。


      ドラマの展開に沿ったストーリーですが、オリジナル要素を盛り込んでいます。納得できない展開になってもご容赦ください。
      ニガリクタグを付けたら詐欺になりそうなくらいにニガリク要素が少ないです。ニガリクを探せ!という気持ちで読んでください。
      よかったら、どうぞ。
      ♢だんご♢
    • Restart #蜘蛛蟻 #ピタスコ #最新作のネタバレあり ##蜘蛛蟻


      ※スパイダーマンNWHのネタバレを含むのでご注意ください。


      pixivに投稿した作品と同じものです。
      スパイダーマンNWH後。
      パトロール中のピーターがスコットに出会うお話。
      蜘蛛蟻未満だけど後々に蜘蛛蟻が成立するという解釈で書いているので蜘蛛蟻です。


      スパイダーマンNWHは面白い映画でしたね。
      でも個人的にとてもしんどい展開だったので自分を救済するために書きました。蜘蛛蟻は癒やし。
      よかったら、どうぞ。
      ♢だんご♢
    • 侵入者との攻防 #ロケスコ #腐向け ##ロケスコ


      pixivに投稿した作品と同じものです。
      アベンジャーズ・エンドゲームでのロケスコ。
      毎朝ロケットが自分の上で寝ていることに困惑するスコットのお話。


      エンドゲームを観て見事にロケスコにすっ転んだので書いてみました。
      口調が掴みきれてないので違和感があったら申し訳ないです。
      短い話ですが、よかったらどうぞ。
      ♢だんご♢
    • 亡霊殺し #TWD #ダリリク #腐向け ##TWD ##ダリリク


      pixivに投稿した作品と同じものです。
      S2終了後のダリリク。
      リックの傍にシェーンの亡霊が見えるダリルのお話。ほんのりシェンリク風味もあります。

      盛り上がりが特にない私得なダリリクです。ダリリク未満かもしれません。
      じんわりとリックへの執着を滲ませるダリルが好きなので書いてみました。
      本当に暇な時にどうぞ。
      ♢だんご♢
    • 雛の巣作り #ニガリク  #TWD  #腐向け  #オメガバース  ##ニガリク  ##TWD

      pixivにも投稿している作品です。
      【本能が「欲しい」と囁いた】の番外編。
      ニガリクが番になって1年が経った頃のお話。
      よかったら、どうぞ〜。


      2018.6.21 一部を修正しました。
      ♢だんご♢
    • 罪な味 #TWD #リック #シェーン #カール #ダリル #ニーガン ##TWD


      pixivに投稿した作品と同じものです。
      リックと誰かの食にまつわるお話。
      時期も長さもバラバラ。基本的にほのぼのですが、ニーガンとの話はほのぼのしてません。


      ・【ピザ】 リック&シェーン
       アポカリプス前。「ピザの魅力には抗えません」というお話。

      ・【ケーキ】 リック&カール
       アポカリプス前。「いつもと違う食べ方をすると楽しくて美味しい」というお話。

      ・【肉】 リック&ダリル
       平和な刑務所時代。「調味料は偉大だ」というお話。

      ・【フルーツティー】 リック&ニーガン
       S7辺り。「悔しいけれど美味しいものは美味しい」というお話。


      リックに美味しいものを食べてほしいと思ったので書いてみました。ニーガン以外はほのぼのしてます。
      よかったらどうぞ。
      ♢だんご♢
    • 特に何も始まっていない二人 #TWD #ダリリク #腐向け ##TWD ##ダリリク

      pixivに投稿した作品と同じもです。
      平和な刑務所時代のダリリク。
      特に何も始まってないけれど仲よしなダリリクの詰め合わせ。

      CPというよりブロマンスなダリリクです。お互いに相手を大事に思ってることが滲み出るダリリクが好きです。
      よかったら、どうぞ。
      ♢だんご♢
    • 道なき未知を拓く者たち① #TWD #ニガリク #腐向け ##TWD ##ニガリク


      pixivに投稿した作品と同じものです。
      「リックを最初に拾ったのがニーガンだったら?」というIFストーリー『生まれ落ちた日』の続編。
      リックの家族を捜す旅に出たリックとニーガンだったが、過酷な世界での旅は簡単なものではなく……。


      ドラマの展開に沿ったストーリーですが、オリジナル要素を盛り込んでいます。納得できない展開になってもご容赦ください。
      長編なのでのんびり書いています。次の章を投稿できるのがいつになるのか不明です。
      完全に私得な話なのでお暇な時にどうぞ。
      ♢だんご♢
    • プリンシパルとアンサンブル(後編) #TWD #ニガリク #腐向け #夢小説 ##TWD ##ニガリク


      S7の頃。前作の続きで、ケガの治療のためにサンクチュアリに滞在するリックを世話する主人公がリックとニーガンの関係性を目の当たりにするお話。

      夢小説なので主人公はドラマに登場するキャラクターではありません。夢主がキャラクターたちと関わるのを楽しみつつニガリクを堪能する作品です。
      夢小説とCP小説を合わせた作品なので苦手な方はご遠慮ください。
      主人公とキャラクターが恋愛関係になる展開もありませんのでご了承ください。
      前編よりも主人公がリックに肩入れしています。
      よかったら、どうぞ。
      ♢だんご♢
    • 恋しい、と獣は鳴いた #TWD #ダリリク #ニガリク #腐向け #オメガバース ##TWD ##ダリリク ##ニガリク


      pixivに投稿した作品と同じものです。
      S7辺りのダリリク・ニガリク。
      リックと番になっているダリルがリックと引き離されて情緒不安定な時にニーガンと話すお話。ダリルとニーガンのちょっとしたバトル。


      「αが番のΩに依存する」という設定で書きたくて書いてみました。会話してるだけなので特に盛り上がりのない地味な仕上がりです。
      気が向いた時にでもどうぞ。
      ♢だんご♢
    • 彼らが愛したのは「   」です #TWD #セディリク #ゲイリク #ニガリク #妊夫 #腐向け ##TWD


      pixivに投稿した作品と同じものです。
      S8終了後。
      ニーガンの子どもを妊娠したために孤立するリックを支えるセディク、ゲイブリエル、ニーガンのお話。セディクがメインです。

      ※注意
      ・男性の妊娠、出産、授乳の表現あり
      ・リックへの差別、迫害要素あり
      ・全体的に重苦しい展開


      CP要素があるような無いような微妙なところです。
      重苦しい雰囲気の話なのでご注意ください。
      本当に気が向いた時にどうぞ。
      ♢だんご♢
    • 生まれ落ちた日 #TWD #ニガリク #腐向け ##TWD ##ニガリク


      pixivに投稿した作品と同じものです。
      S1初回。
      ニーガンが病院でリックを見つけるお話。
      S1初回にニーガンを放り込んだだけ。ニーガンの過去について原作の設定を使っているので未読の方はご注意ください。


      S1の時点でニガリクが出会っていたら最強コンビになったのでは?という妄想を形にしてみました。別人感が強いです。
      よかったら、どうぞ。
      ♢だんご♢
    • 赤い糸の憂鬱 #TWD #カルリク #ニガリク #腐向け ##TWD ##カルリク ##ニガリク

      pixivに投稿した作品と同じものです。
      S7のカルリク・ニガリク。
      リックとニーガンが赤い糸で繋がっているのが許せないカールのお話。
      特殊な設定がありますが、深く考えない方がいいかも?


      カルリクとニガリクで三角関係が読みたくて書きました。カールの前に立ち塞がるニーガン美味しいです。
      「カールは赤い糸が見える」という特殊設定がありますが、深く考えず雰囲気を味わって頂ければと思います。
      よかったら、どうぞ。
      ♢だんご♢
    • 「大丈夫」の言葉 #TWD #ダリリク #腐向け #ケーキバース ##TWD ##ダリリク


      pixivに投稿した作品と同じものです。
      平和な刑務所時代のダリリク。
      リックが「ケーキ」であることを知ったダリルが思い悩むお話。
      ケーキバース設定を使っています。この話にグロテスクな要素はありませんが、ケーキバース設定自体がカニバリズム要素を含むので苦手な方はご注意ください。


      リックのことが好きすぎて思い詰めるダリルが大好物なので書いてみました。
      盛り上がりの少ない私得な話ですが、よかったらどうぞ。
      ♢だんご♢
    • 夢の残骸 #TWD #ニーガン #ゲイブリエル ##TWD

      pixivに投稿した作品と同じものです。
      S9ep5後で、リックが死んですぐの頃。
      リックの死を悲しむニーガンのお話。ゲイブリエルがそこそこに出番があります。リック、カール、ジュディスの出番は少々。


      リックが死んだと知らされたらニーガンは悲しむんじゃないかと思って書いてみました。
      もしかしたらドラマの中で触れている内容かもしれませんが、「こういう妄想をしました」という報告書みたいなものだと思ってください。
      特に盛り上がりのない話ですが、よかったらどうぞ。
      ♢だんご♢
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