7月14日【7月14日】
捕まってはいけない。
学校内で何かにひたすら追われ続けている。階段を一息に飛び降りる。伸ばされる手をくぐり抜けて、踊り場を転がった。
痛みはほとんど感じない。飛ぶように走り続ける。
複数回捕まれば、何やら良くないことになるらしい。どうなるかは分からない。けれど、少なくともろくな目には遭わないだろう。
一階へ続く階段を降りようとした瞬間、伸ばされた腕に腹を掴まれた。そのまま体勢を崩して転げ落ちる。
鈍い痛みが全身に広がった。
どうにか体を起こす。あの手に掴まれた瞬間の異様な感覚は思い出したくない。
まだ死んではいない。どうとでもなる。そう言い聞かせて走ろうとするが、痛みに阻まれて再び捕まった。
直感的に、恐怖が体を駆け抜けた。どうなるかわからない。しかし、死にたくはない。
二度目の痛みから逃げるのを諦めて、目を瞑った。