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    5月23日【5月23日】

     外食をしに行くことになった。

     ぎりぎりまでのんびりしていたが、いい加減外に出なければいけない。先程から、世話係らしい女性が私を呼んでいた。靴を履いて、外に出る。美しいドレスを身にまとった女性が笑顔で迎えてくれた。

     彼女と喋りながら車に乗り込もうとしたが、なぜか上手く車に乗れない。にっちもさっちも行かず困っていると、突然背中を突き飛ばされた。車の中に転がり込んだ衝撃で体中が痛む。何が起きたか理解できずに後ろを振り返った。

     彼女を巻き込んで、車が川へ突っ込んでいった。

     その場から動けなかった。周囲が騒がしくなってくる。
     そして、現場にやってきた人達に家へと返された。家の中で彼らから事故の詳細を聞かされた。
     車は運転手の操作ミスで暴走したものだった。その先に、不幸にも彼女と、それから私が居たのだという。彼女が咄嗟に私を突き飛ばしてくれたおかげで、私は今ここにいるのだと。

     運転手も世話係も助からなかった。

     そうか、と返して黙り込んだ。何も言えなかった。

     数日が経った夜のことであった。なんとなく気分を変えたくて外へ出た。あの時と同じような時間帯だった。街頭に照らされる夜道を、サンダルを履いてぼんやり歩いていた。

     すると、目の前に一台の車が止まった。なんだろうかと思って様子を見ていると、扉が開いた。そこから、外へと出てくる影がある。

     首がなかった。

     けれど、わかった。
     彼女だ。彼女が帰ってきたのだ。

    「ご無事で何よりです」

     口も舌もないのに、彼女は弾んだ声でそう言った。そして強い力で私を抱きしめた。感極まっているのか、腕が振るえている。
     段々と今起こっていることを理解してきた。そして、嬉しくなって抱き締め返した。

    「よかった。もう大丈夫、これからも一緒だよ」

     彼女がにこりと微笑んだような気がした。
     紫色のドレスは美しいままだった。
    縣 興夜 Link Message Mute
    2022/12/18 19:43:31

    5月23日

    5月23日の夢日記
    #創作 #夢日記

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