1月1日【1月1日】
眠ってしまっていたようだ。
寝起きのぼんやりとした頭のまま、電車に揺られる。先程まで見ていた、妙な夢を思い出した。
公園の遊具に、中身を失ったかのような薄っぺらい少女と犬がぶら下がっていて、それがこちらを見つめているだけの夢だった。
忘れないようにメモに書き留めて、ペンとメモ帳をカバンにしまう。電車が止まって、人の波に乗せられるままに改札を出た。
学校に向かって歩いていると、友人と出会った。雑談がてら、今日見た夢の話を聞いてもらう。友人は興味深そうな顔をして言った。
「最近流行っている都市伝説の元になったのは、貴方の体験かもしれないね」
けれど、私は先にその話を耳にしていた。印象深かったから夢に反映されたんじゃないか答えた。そうかもね、と友人が横を向いた。つられて目線の先を見た。
公園の遊具から女の子と犬が見つめていた。