イラストを魅せる。護る。究極のイラストSNS。

GALLERIA[ギャレリア]は創作活動を支援する豊富な機能を揃えた創作SNSです。

  • 1 / 1
    しおり
    1 / 1
    しおり
    子供の里のお茶の話(後編)水屋の準備は千代子たちに任せて、菅波とサヤカは茶室となる十畳間に向かう。新築の木の香もさわやかな広間はきれいに拭き清められていた。書院造の広間の大きな床の床柱は川久保が目利きで選んだヒバ材で木目も鮮やかである。その床には尺八幅の軸がかかっている。たっぷりとした筆の揮毫で花押もある。まぁ、自分には読めないが、と菅波が思ったところで、サヤカが口を開いた。

    「大宗匠のお筆で『青雲万里心』ですね。大空に青雲がたなびくように心を広く持って研鑽を積むことを励ます言葉です。学び舎にもぴったりだ」
    なるほど、と菅波が頷く。花は、紫蘭がすっきりと象耳の青磁花入と真塗の矢筈板に映えて。幼稚園児が参加する席にも子供こどもした設えにしないところに、この支度を整えた理事長たちの教育者の思いが垣間見える気がした。

    茶道口と点前座、上座などを確認していると、学校法人の理事長と副理事長、園長が顔を出した。今日は休日に無理をお願いしまして、と頭を下げる理事長に、精一杯務めさせていただきます、と菅波も頭を下げる。

    「実は、登園の園児たちのご家族で菅波先生の訪問診療のお世話になっているというお家が結構多くてですね。それで、先生がお点前してくださるというのは園児たちにとっても記念になるかと思った次第です」
    園長の話に、左様でしたか、と菅波が相槌を打つ。

    では、準備に戻らせていただきます、とサヤカが頭をさげるのに菅波も倣って茶室を出る。サヤカと菅波が集会室に戻ると、その姿を見止めた百音が菅波のもとにぱたぱたと駆け寄った。
    「光太朗さん!帛紗吊りました!これで合ってますか?」
    腕を曲げて振袖の袖をあげつつ体をよじって、帯に吊った柿色の帛紗を菅波に見せる。

    昨日教わったことを実践する嬉しさがあふれたその様子に、菅波も思わず口許を緩めながら、ふむ、と百音の帛紗を見て、そっと手を伸ばして、少しだけ向きを整えてやる。
    「合ってますよ。よく覚えてましたね」
    菅波のその言葉に、百音は運転免許証を勇んで見せに来た時のように得意げな笑顔。それにつられて菅波も笑顔で、そこだけおもむろに二人の世界である。その場にいた水屋手伝いの人々は初対面ながら二人の関係性を理解し、サヤカと文子・千代子は笑いをかみ殺して目くばせを交わすのだった。

    点前道具を一通り確認した菅波は、百音が文子の指示の元で数茶碗の準備をするのを見守る。その区切りがついたところで、もう少し茶会の開始までには時間があることを確認した菅波は、サヤカに一言かけたあと、お運びで歩くルートと歩き方を実際の場所で確認しておきましょう、と百音に声をかけた。百音は嬉しそうに頷き、お願いします、と菅波について広間に向かう。

    ここから出入りして、入る時は右足から、出る時は左足からです。畳の縁を踏まないのはいつもやってると思いますが、座るときには縁から十六目を目安に。座る時はまっすぐ腰を下ろして、立つときには少し右に膝を向けてから、左膝を立てて。そのまま左足を右足に被せて、方向転換します、こうやって…。

    菅波がやってみせるのを隣に並んで、見よう見まねで何度か。最初は着物の裾と振袖を捌くのにためらいがあったが、数回やって感覚をつかむ。焦ってどこかを踏んでしまったり茶碗を取り落としてはいけないし、数を捌かないといけない茶会ではないからと落ち着いてやれば大丈夫ですよ、と言う菅波の言葉に百音も安心してコクリと頷く。

    百音が最後に足運びを確認していると、サヤカがそろそろだよ、と広間に顔を出した。二人ではーい、と返事をして、風炉に炭を入れに来た文子と入れ違いで水屋に戻る。水屋の面々と全員で、よろしくお願いします、と礼を交わして、茶会が本格的に始まった。

    広間に一席目の客がそろった気配にサヤカと百音、それに水屋の二人がまず干菓子を運ぶ。サヤカについて広間に入ると、数人の大人に続いて園服を着た年長児たちがずらりと正座で並んでいる。緊張感も漂わせながら手を膝にそろえて座っている様子が可愛らしい。百音たちが運ぶ干菓子器の上には、有平糖で作られた紅白の躑躅と打物の青嵐。「粗菓でございます」と目の前に置かれた干菓子器の中の色鮮やかな干菓子を見て、子供たちが声を出さずに、うわぁと目を輝かせているのが可愛らしい。

    サヤカの動きに倣って、先ほど菅波に教わった通りに動いて茶道口を出ると、百音にサヤカがウインクして、小声でちゃんとできてるよ、と笑う。百音もそれにほっとして、集会室の水屋に戻ると、入れ違いで宝尽の色絵の水指を持った菅波とすれ違う。目顔で、できた?できました!と無言の会話を交わし、笑顔で頷いた菅波が茶道口に座って水指を建付に置く。

    襖をあけて「一服差し上げます」と一礼した菅波が水指を持って上体を起こすと、数名の園児がざわっと小さく声を立てた。

    「すがなみせんせいだ!」
    「あ、すがなみせんせ!」
    「だれ?」
    「あのね、ウチのおばあちゃんとおじいちゃんのおいしゃさん!」
    「ぼくのひいおじいちゃんのとこにきてくれてる」
    「うちも!」

    両脇の教員から静かにするようそっと動作で促された園児たちが、またもぞもぞと手を膝に戻してちゃんと座るのを水指を運び入れながら菅波が見ると、確かに見知った子供がちらほらといる。なるほど、みちかちゃんにかけるくんに、はるまくん、それに…と訪問診療で通う家々の子供たちの名前をなぞる。意外と通園圏広いな、と思いつつ、なるほど、それで僕にか、と『すっげぇ』や『びっくりした!』という園児の声が聞こえる様な視線を浴びつつ、水指を風炉の横に置く。

    一度茶道口に下がって棗と仕組んだ茶碗を置き合わせ、最後に仕組んだ建水を持ちこんで上座に座った菅波が、鏡柄杓に構えて蓋置を風炉の左下に置き、柄杓を引き置きして居ずまいを正すと、まだそわそわした雰囲気で菅波を見ていた園児たちも、その雰囲気を納めて背筋を伸ばして居ずまいを正した。

    それを視界の端でとらえた菅波はうっすらと口角をあげつつ、置き合わせの茶碗を三手で取り、棗も取り込むと、腰の帛紗を取って点前を進める。茶杓を清め終わったところで、「お早いですがどうぞお菓子を」と正客の理事長に手をついて勧めると、理事長もそれを一礼で受ける。次客へお先に、と挨拶をした正客が干菓子器を感謝して扱って懐紙を取り出すと、干菓子器が前に置かれた園児も倣って、連客へ挨拶して干菓子器を扱う様子は、まだ動作の幼さはあるものの何度か練習したものと見える動きで、この茶会に向けての園の取り組みがうかがえた。

    サヤカが建水の後ろに替茶碗を置いて、空いた干菓子器を百音たちとともに下げる。正客と次客に点前座から茶が出たところで、大勢様ですので三客様からは点出しで、とサヤカが声をかけ、百音や他の運びの役が水屋で茶碗を持って入ってくる。点前座に控える菅波は正客と次客がそれぞれの茶碗の拝見交換をしているのを待ちながら、さりげなく百音の様子を見守る。

    中身の入った抹茶腕を運ぶのに緊張しているようだが、慎重な動作で特に危なげはなく、茶碗を出して客の園児と礼をしあう様子は微笑ましい。自分がこの点前座に座っているのも百音の振袖姿に釣られたようなものだが、こうして百音が新しい経験をする機会になったのも含め、この登米にいればこその経験がふたりでできているのもいいものだな、などの思考が一瞬に脳裏をめぐるうちに、正客から主茶碗が返された。

    主茶碗を取り込み、湯を一杓差して建水にあけたところで正客からしまいの声がかかる。それを右手をついて受け、主茶碗を置いて「おしまいにいたします」と一礼して残りの点前を進めた。その間にも連客への点出しが続き、棗と茶杓を拝見に出した菅波が全ての道具を引いて茶道口で「お退屈様でした」と一礼して下がったあともしばらくは連客の茶碗回収が続く。菅波は茶席の後をサヤカに任せ、最後に引いた水指を持って集会室に戻ると、次の席の準備に移った。

    水指の水を補充し、主茶碗を清めて、と作業をしていると、広間から客が退出していく気配がする。終わったか、と思って広間の方を見遣ると、棗と茶杓を持ったサヤカと、最後に引いた数茶碗を持った百音が戻ってくるところだった。

    「先生、お疲れ様でした。あと一席、よろしくお願いします」
    「サヤカさん、半東ありがとうございました。はい、あと一席、よろしくお願いします」
    サヤカと菅波が挨拶を交わし、百音は引いてきた数茶碗を洗い場の担当者に渡しに行く。

    菅波が再度茶杓を清め、棗に抹茶を補充して掃いていると百音が横にやってきて菅波の手元を覗き込んだ。その興味津々の様子に菅波が口元を緩めつつ、こうしてできるだけ綺麗な山の形にするんですよ、と説明すると、ふむふむという顔である。

    「どうでした?お運びやってみて」
    棗の正面を確認して蓋をしながら菅波が百音に聞くと、百音が難しかったです、と頷く。
    「やっぱり緊張しましたね」
    「でも上手にできてたと思いますよ」
    「えっ、先生、ずっとお点前するか前向くかしてたのにみてたんですか?」
    「意外と点前座からは全体が見えるものです」
    「そうなんだ。え、先生に見られてるかもって思ったら次緊張する…」

    百音が眉をハの字に寄せ、その様子に菅波がくすりと笑う。
    「わかりました、次は見ないようにします」
    「そう言って見るんでしょう」
    「バレたか」
    菅波が笑って、百音が頬を膨らませてみせたところで、サヤカが二人に声をかけた。

    「はいはい、ふたり仲良しなのはいいけどね、もう次の席始まるよ、準備じゅんび」
    その言葉に百音が頬を染め、その百音をかわいいなと見ている菅波に、サヤカは本当に仲良いんだからと文子・千代子とまた目配せを交わすのだった。

    二席めも滞りなく進行し、予定していた茶会の全てが終了したのは昼すぎだった。百音と菅波が集会室で片付けを手伝っていると、サヤカがちょっとこっち来て、と二人を手招きする。呼ばれた方に向かうと、園の玄関の靴箱エリアで、園児たちが迎えの保護者と共に帰宅の準備をしているところだった。

    「あ!すがなみせんせいだ!」

    と菅波に気づいた園児が声をあげ、顔見知りの園児数人が和装の菅波に駆け寄ってくる。菅波は袴のすそを捌いてしゃがみこんで子供たちと目線を合わせた。その自然な仕草に、少し後方にいた百音は普段の菅波の訪問診療先でのふるまいを垣間見たようでうれしく思う。

    「すがなみせんせい、おちゃできたの?!」
    「どうしてきょういるの?」
    「おきものきてるのふしぎ!」

    と子供たちが口々に言うのを、手短にしかしそれぞれに丁寧に返事をする様子は、百音が今まで見たことない菅波で、あぁだからサヤカが私も呼んだんだ、と理解する。隣のサヤカを見ると、ね、と目くばせをうけて、うん、と頷く。あれこれと菅波と話して気が済んだ子供たちが保護者のもとに戻るのを立ちあがって見送り、保護者の目礼に応え終わった菅波が、サヤカと百音のもとに戻ると、少し照れくさそうである。

    「先生、子供たちに懐かれてるんですね」
    百音がニコニコと言うと、菅波は懐かれているのかどうだか、と首元をかく。
    「そういえばあの子たちの中に、傘イルカくんとコサメちゃんのお姉さんを知ってる子もいるんですよ。今日は気づかなかったみたいですね」
    「普段とは全然違う格好ですしね」
    と百音は振袖を持ち上げて見下ろす。
    正月明けの中継に一度、振袖着たでしょう、と菅波が言うが、あれ一回きりですしね、と百音が言えば、確かに、と会話が一段落する。
    「じゃあ、先生とモネ、千代子さんと一緒にウヂまで送るよ」
    会話のひと段落のタイミングを見計らって、サヤカが声をかけた。百音は今日の午後には東京に戻らなくてはならない。二人はよろしくお願いします、と頭を下げた。

    一度、水屋に戻り、そこにいる人たちに挨拶をして、千代子と共にサヤカの運転でサヤカ邸に送られる。片付けの手伝いと挨拶に幼稚園に戻るというサヤカを見送って挨拶をすると、こっちこそ、二人ともありがとね、と似合いの二人を目に焼き付けるようにうれしく見つめて頷かれ、なんだかこれも照れくさい。

    客間で千代子が百音の着付けを解き、菅波はリビングの片隅で自力で着替えを済ませた。着物の畳み方は不案内なので、不用意な皺がつかないよう、適当に縫い目に沿っておおまかに畳んだ着物と袴を使った衣装敷の上に残す。懐中していた茶席道具を帛紗ばさみに戻していると、洋装に戻った百音が客間から出てきた。あげた髪はそのままで、ふわりとしたワンピースに似合っている。

    「先生、お待たせしました」
    「いえいえ、全然。あ、千代子さん、すみません。着物の畳み方が分からなくて…」
    「ああ先生、そのままでいいですよ、まずは風通しもしますから」

    百音の後ろから顔を出した千代子に菅波が声をかけると、造作もない、という風に千代子が顔の前で手を振ってみせた。
    「それにしても、モネちゃんが遅くならない方がいいだろうし、先生、送ってあげてくださいな。着物やらあとはやっておきますから」

    千代子の申し出に、二人してありがとうございます、と頭を下げる。百音のボストンバッグは帰り支度がすでに整っていて、出られる状態である。先ほど二人がサヤカを見送ったように、今度は千代子に二人が見送られて菅波の車に乗り込む。助手席に座った百音が、窓を開けて千代子に「ありがとうございました。また来ます!」と言えば、千代子は嬉しそうに頷いて手を振る。百音が手を振り、菅波がぺこりと頭を下げて車を出せば、サヤカ邸の門を抜けてしばしは鬱蒼とした木々の小道である。

    気持ちよい初夏の木漏れ日がフロントガラスに落ちるのを見ながら、菅波と百音も「おつかれさまでした」と言いあい、心地よい緊張感から解き放たれた達成感を共有する。小道を抜けると小さな広場になり、そこから公道に降りる道に出る。広場に出たところで、菅波が木陰になる場所に車を停めた。

    エンジンは切らずにサイドブレーキを引いた菅波を百音が不思議気に見上げると、右腕を伸ばした菅波が百音の頬を捕らえて、キスを落とす。急なキスに驚いた百音が、それでもそれに応えると、そのキスはしばらく続いて。やっと途切れたところで頬を染めた百音が目じりを潤ませて菅波を見上げると、菅波が今度は百音の形のよい額に今度は軽いキスを。

    「今日、キスしてないなと思って。もう、これから新幹線の駅まで送らないとだから…」
    頬に手を当てたままの菅波に、百音はその頬をぷくっと膨らませてみせる。その様子があまりにかわいらしく、菅波はそっと親指で頬を撫でる。その菅波の表情があまりに嬉しそうなので、百音もいたずらめいた気持ちになり、ずいっと身をのりだして、今度は自分からキスを贈ると、菅波も甘んじてそれを受ける。

    先ほどよりは短いキスが終わって、二人は顔を見合わせて笑う。

    さっきまでお互い、とても素敵なでも見慣れない和装だったのが、今は見慣れたチェックシャツにワンピースで、でも髪型はそのまま、百音はかわいらしい編み込みだし、菅波も髪を軽く上げていて。その違いがなんだか楽しいし、それを共有していることがうれしい。

    「またこんな機会あるでしょうか」
    「どうでしょう。ほんとかじっただけの人間をこう何度もひっぱりだすのは勘弁してほしいところでもありますが」
    「でも、先生とお茶やってみるの楽しかったな」
    「僕も、楽しかったです」

    百音がそういえば、と話を続ける。
    「菜津さんのおばあちゃんはお茶やってたらしいんです。お茶名?も持ってるとか。習ってみようかな」
    「いいんじゃないでしょうか。本格的な教室に通うには百音さんの勤務時間は特殊だし、なんだかんだお金もかかる世界だから、まずは手ほどきを受けられたら」

    サヤカさんから茶席道具も一式もらいましたしね、と菅波が言うと、うん、と百音も頷く。
    「先生に私が点てたお茶飲んでもらえたらいいな」
    「それは、とても楽しみですね」

    あぁ、もうでも送らないと、と菅波が車を出すと、百音がまた助手席の窓を開ける。気持ちのよい登米の初夏の風が社内に満ちる。二人は今日の茶席のあれこれを振り返りつつ、少し未来にまたお茶をする日を楽しみに、新幹線の駅に向かう。

    後日、千代子の孫娘が撮影した二人の和装の写真がフォトブックに装丁されて菅波と百音のそれぞれに届いた。菅波はデスクの気象予報士試験のテキストの隣に2冊目になるフォトブックを並べ、百音はそのフォトブックを明日美に見つかり、てかこれもう結婚式の前撮りじゃん!と大盛り上がりされることになっている。

    幼稚園では、訪問診療のお医者さんがお点前してくれたというのが園児の間で大盛り上がりで、保護者の間にもとても評判が良かったという。学園の理事長や園長もサヤカに懇篤な礼を述べ、改めてゆくゆくの森林組合との関係強化につながった。

    その話をサヤカから聞いた菅波は、改めて森林組合ひいては登米夢想に貢献できたことはよかったと喜びつつ、三度目はどうぞご勘弁を、とサヤカに念押しをしている。モネがお運びでもダメかねぇ、とサヤカは笑う。まぁそれはもう見せてもらいましたので、と言う菅波に、サヤカは若干の虚勢を感じつつ、いやもうほんとに十分にやっていただきました、と改めて労うのだった。
    ねじねじ Link Message Mute
    2023/05/13 23:46:57

    子供の里のお茶の話(後編)

    #sgmn

    more...
    作者が共有を許可していません Love ステキと思ったらハートを送ろう!ログイン不要です。ログインするとハートをカスタマイズできます。
    200 reply
    転載
    NG
    クレジット非表示
    NG
    商用利用
    NG
    改変
    NG
    ライセンス改変
    NG
    保存閲覧
    NG
    URLの共有
    NG
    模写・トレース
    NG
  • CONNECT この作品とコネクトしている作品