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    立秋 その約束は守られないと、彼は信じていた。
     ひぐらしが鳴き始めた頃だった。三叉路の中央に取り残された岩の上で、彼は足を組んで座っていた。はす向かいに置かれた地蔵の前に備えられた饅頭に蟻がたかり、白く艶のある表面が黒く蠢いている。足元が丁度通り道になっているのだろう。黒い粒が列を成して絶え間なく行き来する。つま先を僅かに動かせば、この小さな列は崩壊し、蟻の群れは食物を得ることが叶わなくなる。帰り道を失う。そんな予感、或いは、幼い嗜虐が心の内に浮き上がっては肺の底をくすぐった。紗々と降り注ぐ赤光が肌を照らし、彼をも赤く染め上げる。夏の陽は長く、夕焼けは短い。白く熱っぽい光が赤く変わったと思えば、あっという間に宵が空を覆う。その一瞬、刹那にも等しい時間と空間があまりにも非現実味を帯びている故の思考か。
     ひぐらしが鳴いている。近くの樹上に止まっているのだろう。確かに響いているはずの音は、しかし、風景に溶け込み輪郭を掴むことは難しい。夏の声、頭の欠けた地蔵、虫の群がる供物、朱の薄膜。岩に腰かける己もまた、その一部に取り込まれ、動くことができない。初めから、そこに描かれた事物のように。
     彼は夕暮れの中で自ずと繰り返される呼吸を数えた。一つ、二つ。彼がここに座り始めてから三度繰り返された遊び。数え上げていくうちに、次第に数が不鮮明になり、やがて零に戻される。そうと分かっていながら飽きもせずに繰り返す自分の諦めの悪さに、彼は一人小さく笑いを零した。諦めの悪さならば、ここに座っていることが既に証明しているというのに。
     二十一を数えた時、彼は顔を上げた。赤光はいつの間にか遠く山並みに流され、東の空から薄紫の波が滲んでいる。残光を残す宙に茫と浮かんだ一番星を睨めば、星は彼を見つめ返すことなく、ただ無為に瞬いた。
     星を真似た瞬きを一つ。
     輪郭に沿って流れ落ちた横髪の隙間に影。
     足音が彼の眼前で止まる。
     彼は顔を正面へ向け、再び瞬きを落とした。
     目の前に立っていたのは見知らぬ青年で、しかし、彼はよく知った相手にするような軽快さで手を上げた。長く座り続けた岩から腰を上げ、微笑みを作り上げる。男は彼の仕草をじっと眺めながら、浮かべられた微笑みに応えて唇を三日月に象った。
    「やあ」彼が言った。
    「よく分かったな」男が言う。
    「来るとは思っていなかった」
    「私も、お前がいると信じていなかった」
    「だから来た?」
    「お前と同じように」
     二人は視線を重ね、奥底を見透かそうとするかのように、互いの黒目を刺した。一瞬を狙い定め。閃き。離脱。刀を操る時に似た緊張。ちょうど刀の間合いにあるためか。もしくは、その瞬間のために、間合いを選んだのか。伏せた双眸を僅かに持ち上げて、彼は再び笑みを浮かべた。いつの間にか、知らぬ顔が彼のよく知った少年の顔に変わっている。彼はそれに驚きも見せず、半歩、少年の斜め前に立った。二人は顔を見合わせ、今度はただ偶然にお互いの目が合ったにすぎなかったが、それから揃って三叉路へ顔を向けた。三つの道の一つ、一番細く、叢のはみ出した左の道を少年が指で示す。少年は頷き、薄暗い細道へつま先を向けて歩き出す。その背後には供物を失くした地蔵の影が一つ残されていた。

     細道はうねりながら二人を森の奥へと導いた。地面には濡れた落ち葉が点々と残り、古い雨の香りが鼻孔を刺す。人通りもないのだろう。伸びきった羊歯の葉が絡んでは擦れ合い音を立てた。木々の落とす影が道全体を覆い、この場所だけ早く夜が来たかのように錯覚させる。時折吹き抜ける風は、しかし、生温い。夏の夜に冷やされた風にはない温度。どこか日の当たる場所を駆けてきた風だった。
     森は深く、限りなく続いた。二人は依然として黙ったままだった。呼吸のために開かれる唇は薄く、言葉を発するには足りない。地面もろともに草を踏みしめる足音だけが鮮明に、二人の空白を埋めている。風に靡く梢の摩擦や、樹上に帰った鳥の声を背景に。決して足音を立てずに歩こうとはしなかった。
     彼は歩きながら半歩後ろにある重ならない影を、少年もまた同様にしていたが、時折盗み見た。よく知っているはずの影は道すがら、幾度かその輪郭を変えた。頬骨の張り出した顔。大きく曲がった鼻筋。長く伸びた髪。彼にとってどの顔にも見覚えはなく、それが少年の知り合いであるのかも分からない。しかし、彼が目を離し、次に少年を盗み見た時には必ず、彼のよく知る少年の顔に戻っていた。見知らぬ人の顔をしている時、少年は少なからず険しい表情を浮かべていたが、いつもの顔に戻ると必ず微笑を湛えて見せた。彼の視線を知っているためだろう、と彼は考えた。その、意味するところを。思考の間にも少年の顔は変化を続けた。時に同じ顔が、よく似た別の顔であったかもしれないが、登場した。順番に法則はないようだった。ただ一つ、知らない顔とよく知る顔が交互に現れることのみ、儀式めいた正確さで守られていた。
     そうして歩いている間に、彼らは一軒の家の前にたどり着いた。否、家と呼ぶよりも小屋に近い形状をしている。固く閉ざされた板戸には亀裂が走り、下ろされた雨戸には風雨の吹き付けた痕が蛞蝓のように這っている。板で打ち付けられた屋根だけが、古く劣化しながらも、目の前にあるものがまだ建物としての機能を有していることを示していた。
     少年が斜め前にある背を叩いた。彼は黒目だけで一瞬少年を振り返り、ゆっくりと小屋へと近付いた。雑草に覆われた中、獣の通り道であるのか、不自然に作られた道を進む。小屋の前で再び足を止めれば、建物の裏側から微かな水音と共に、草の向こうに僅かな光が見えた。小川が流れているのか、かつての住人が引いた水路であるのか。どちらであれ水が手に入ることは幸いだ。彼は髪を払う仕草に紛れて小さく息を吐いた。肺の底で淀んでいた息が霧散し、代わりに闇に冷やされた風が身体の内を巡る。歩いている内に、本物の夜が訪れていたらしい。彼は再び髪を、今度は本当に肌へ張り付いた髪を払い、扉に手を伸ばした。辛うじて朽ちていないと表現するべき風貌の戸に指をかけ、それから、扉を開くことなく手を離す。半歩後ろに立っている少年を振り返り、彼は大仰に眉を顰めた。扉には、その年季には不似合いな、真新しい鍵がかけられていた。
     少年は肩を僅かに震わせ、彼の背中を軽く叩いた。悪戯に成功した子供のような表情のまま、懐から鈍く光った金属を取り出す。鍵穴に挿し込み、手首を傾ける。金属片が回転し、軽妙な音を立てる。鍵は平衡を失し、地面へ落下する。それを拾い上げることなく少年は扉を滑らせた。古い板の軋む音と共に、埃が我先にと外へ流れ出す。星影に照らされた塵が視界を歪ませ、彼は反射的に瞬きを落とした。
     小屋の中は埃に満ちていながら、しかし、外観からの想像と比較してもしっかりとした内装を残していた。土間の先には板の間が広がり、そのどこにも腐食の痕は見られない。小屋の中央に建てられた柱は傾くことなく真っ直ぐに伸びている。目の前に広がる一室の他に部屋は見られなかったが、ここにいるのが二人だけであることを思えば十分な広さだった。
     小屋の中を見渡している彼の横で、少年が躊躇うことなく草履を脱ぎ、板の間に上がった。床板一つ分、背の高くなった少年が彼を見下ろす。作り物の顔、小屋に着いてからは彼にとって一番見覚えのある顔のままだったが、他人を象った面に空けられた二つ穴から覗く光を見つめ返す。
     一瞬、或いは一晩の錯覚。
     視線は揺らぐことなく、光を射す。
     時間という概念が霧散し、
     ただ、二人の双眸だけが存在する。
     やがて彼はゆっくりと顔を伏せ、草履の紐を解いた。素足で板の間に上がる。再び向かい合った少年の瞳は影に隠れ、光は消失している。面と素肌の間隙に生まれた角度が丁度光を覆うのだ。もしくはあの眼光は一瞬に現れた幻想で、二度は生まれないのかもしれない。そう思考しながら、彼は少年の顔に手を伸ばした。少年はその手を払わなかった。荒れた、節の目立つ手が頬を覆う。次の瞬間にも、面をはぎ取ることができるだろう。誰にも明かしたことがない、少なくとも彼に明かされたことのない、少年の秘密を暴くことが。その危険を理解していながら、少年は重ねられた掌の下で、そっと頬を緩ませた。
     許し。
     許される。
     彼は音を立てて息を吐いた。掌を離し、僅かの乱れもない作り物を見る。緩く弧を描いた唇が彼に向けられている。信頼。許容。わざとらしく肩を竦め、つられるように小さく笑った。彼が面の下を暴こうとしないことは、少年も、彼自身もとうに知っていた。
     雨戸を僅かに開けば、周囲の森に棲んでいるのだろう、梟の鳴き声が風に乗って静かに響いた。木々は騒めきを止めず、しかし、陽に照らされている時よりも幾分静謐を感じさせる。虫の羽音、鈴に似た歌声を彩るかのように。隙間から外を覗き見れば、青を滲ませた暗闇の中で黒に塗られた影が物質の代わりに浮き上がる。騙し絵のように。錯覚。或いは、見えている影こそが真実で、手に取れると思っている物の方が、本当は影なのかもしれない。但し、それらを逆転させてみたところで彼の目に映る景色は景色のままだ。真実とは嘘と比較するときにのみ生まれる概念であって、時の娘ではない。頭上に輝く星が本当に存在しているのかを確かめられないまま、光を信じるように。重要なのはそこに在るという認識。現実。それを信じる力。
     背後から聞こえた物音に、彼は振り返った。部屋の隅に立つ少年の手元から響いたようだと気付いた後で、彼は少年の顔が見知らぬ人の顔になっていることを認識した。彼と少年に共通する友人の顔でも、道中に見た顔でもない。まだ若い、恐らく男性の顔である、ということだけしか分からない。彼は素直に首を傾げた。少年は、彼が確かに己の顔面を目にした後で、ためらいなく面を外した。面の下から新しい面、彼にとって見慣れた少年の面が現れる。二重、三重に変装を仕込む技術は少年の十八番と呼ぶべき技だ。彼は驚いた様子も見せずに少年の行動を見つめていた。大きな双眸の内には鷹に似た鋭利が浮かぶ。僅かな動きさえも見逃すつもりはないと示すように。
     少年の手元で、不意に光が瞬いた。
     指先には、いつの間にか、三日月型の刃が握られていた。その薄い表面が窓から射し込んだ月光を撥ね返す。不規則に散乱する光に気を留めることなく、少年は片手に面、片手に刃を握ったまま、一度顔を上げた。
     瞬き。
     瞬間。
     少年は手にした刃で、作り物の肌を切り裂いた。

     夜は規則正しく過ぎていった。地上のことなど見えていないかのように。藍色の宙は盲目で、ただ機械的に夜の底へ人々を導き、朝日の中へ連れ帰るだけだった。
     彼らは、埃の匂いに満ちた部屋の中で、背を合わせて眠った。二人には十分な空間の中で、しかし、部屋の隅に寄り添って。夏の夜に似合いの蒸し暑さを気に止めることなく。着物を介し、互いの体温が鈍く交わることさえ厭わずに。呼吸に併せて身じろぐ度に背骨の凹凸が擦れ、ぶつかり、熱を生む。確かに相手がそこにいるという証。彼は身を丸めながら、ただその熱を感じていた。少年もまた、同様に。やがて互いの体温は混ざり合い、溶け、区別を失くす。そこにあるのは一塊の熱。微かな吐息。着物を湿らせる雫がどちらのものであるかさえ、意味を成さない。背を向け合ったまま、彼らはそうして夜を越えた。お互いの熱を抱きしめるように。
     時を告げる鐘の代わりか、気紛れに梟が鳴いた。
     夜の底を流れる、小波に似た繰り返し時を押し進める。
     停滞することは許されず、
     月は空を駆け、星も緩慢に空へ沈んでいく。
     地上を覆う藍の波はやがて、
     地平線へと引き返し、
     薄紫の夜明け。
     その紗々を縁取る、橙の鮮烈。
     生まれたばかりの朝陽だけが、
     全てから切り離され、
     銀色に輝く。
     薄く開かれたままの窓から射し込んだ光は丁度、二人の双眸を直線に照らし出した。
     瞼に突き刺さる光は皮膚の、その下を通る血管を透かし、俄かに視界を暖かな色で覆う。暗闇を終わらせた輝き、或いは外的に齎された形のない温度が目覚めを誘う。
     朝。
     梟は巣へ帰り、今は、名前も知らない小鳥のさえずりが森の梢を埋める。鈴のような賑わいに背を向けたまま、彼はゆっくりと身を起こした。部屋の中央に佇んだままの柱が、垂直から平行へ角度を変える。雑然と解れた髪を手で梳きながら、彼は視界の正常を確かめるように、三度、瞬きを落とす。丁度風が窓から吹き込み、背に触れた。まだ陽の光に暖められていないためだろうか。名残、或いは証明のような汗が風に吹かれ、肌を冷やす。その冷涼につられて彼は背後を振り返った。
     瞬間、視線がぶつかり合う。
     少年の顔が、身体は反対側を向いたまま、顔だけが彼の方へ向けられている。
     その顔を、彼は知っているか判別できなかった。
     彼らは二秒ほど静止し、それから揃って顔を背けた。交わされたものは視線の他にない。言葉さえも。この瞬間には何もかも不要であると彼は理解していたし、少年もまた、その無意味さを認識していた。
     彼らは黙ったまま立ちあがり、小屋の外へ出た。山際から顔を出した太陽はまだ真新しく、しかし、確かな熱気を散乱させていた。数刻後には夏の盛りらしい暑さになるだろう。雑草を踏み越える軽妙な音を立てながら、小川へと近付いた。銀の光を水面に跳ね返しながら進む流れを覗き込めば、波紋に歪んだ己の顔が映る。水面を乱すように手を水中へ差し込めば、よく冷えた温度が一瞬に掌を包んだ。そのまま掌に水を溜め、顔を濯ぐ。茫と残されていた夢の熱が一息に覚め、現実を取り戻す。濡れた顔が風に乾くのを待ち、それから髪を括り上げる。眠っていた時に崩れたのだろう、着物の襟を整え、吐息を一つ。隣を見る。見慣れた姿の少年が、やはり同じように呼吸を落としながら、足先を川面に遊ばせていた。いつの間に、少年は顔を戻したのか。そも、初めからずっと同じ顔をしていたのかもしれない。目覚めた時に少年がどのような顔をしていたのか、彼には思い出せなかった。彼は正解を尋ねようかと隣の少年を向き、しかし何も言わずに正面へ向き直った。どちらにせよ、隣にいるのが少年である以上、それを問う意味を彼は持たなかった。
     枝葉の隙間を縫う光が、角度を変えた。木陰が僅かに面積を小さくし、光の海が勢力を広げる。小鳥の歌はいつの間にか蝉の合唱に隠され、森の中に消える。川の流れだけが絶えず、そこにある。
    不意に、彼の足に飛沫が跳ねた。川の流れに生まれた、自然の飛沫ではない。明確な、人為的な飛沫。彼は隣に顔を向け、それから視線だけでその身体から連続した足を見た。足はもう一度川面の上を滑った。新しく生まれた飛沫が、今度は彼の頬にまで届き、一瞬の冷涼を伝えた。隣に並んだ少年の顔には悪戯気な微笑みが一つ浮かんでいる。彼は僅かに唇を窄め、それから同じように足先で水面を弾いた。無数の雫が弧を描き、飛散する。幾らかが少年の足にかかり、未だ濡れていなかった肌の上で俄かに煌めく。それに呼応するように、少年が再び水を飛ばす。大人にしては無邪気すぎる、子供と呼ぶには倦怠を含んだ遊び。繰り返し。飽きることなく。
     そして唐突に二人は川から足を引き上げた。
    「帰ろうか」少年が言った。
     長い沈黙を破った声は、どこか掠れたような響きで彼の鼓膜を震わせた。
    「もう終わり?」彼は訊ねた。この問いに意味がないことを知りながら。
    「一日って、約束だっただろう」
     彼の想像と一句も違わず、少年の答えが返される。彼はそのことに自ずと笑みを零し、ゆっくりと頷いた。
    「それじゃあ、また、新学期に会おう」
     彼が小指を差し出す。少年は伸ばされた小指に己の小指をそっと絡めた。
    「無事に会えるように?」
    「秘密を守って」
    「秘密なんてないさ。端から誰もいなかったのだから」
     少年が笑う。彼も笑った。夏は、それで終わりだった。

    ***

     家に帰りたくない。そう呟いた久々知の言葉を聞いていたのは、鉢屋一人だった。夏休みに入る前、授業が全て完了された学園の硝煙蔵には二人の他に誰の姿もない。久々知がこの場所に来たのは休み前に最後の仕事を片付けるためで、鉢屋はただ日陰を求めてついてきただけだった。
    「帰る途中に、一軒の小屋がある。今はもう誰も使っていない小屋が」鉢屋は不意に零された言葉の理由を尋ねず、代わりにそう言った。
    「持ち主は?」
    「知り合いのおじいさんの小屋でね。去年、病気で倒れて小屋に足を運べなくなった」
    「良くなるといいね」久々知が事務的に言った。
    「兵助の家と私の家は途中まで道が一緒だから知っていると思うが、学園の裏山から西へ一つ峠を越えた先に小さな地蔵が置かれた三本の分かれ道があるだろう?」
     久々知は頷いた。「一つは三郎の家の方へ、もう一つは俺の家の方へ続く道だね」残りの一つがどこへ続くのか、彼は知らなかった。
    「夏休みが始まって、家に帰って、十日後。そこで会おう」鉢屋が言った。「耐えられなくなったら、きっと」
     何に、と久々知は問わなかった。何故そのような提案を鉢屋がするのかという疑問も。
    「いいよ」
     学園の中でも、家の中でもない。ただ二人の人間として会った時、どのような顔をするのか。少年は、そして自分は。
     そこにいるのは、誰なのだろうか。
     久々知はその日を僅かに想像し、久々知は微笑んだ。
    「約束だね」
     約束は守られないことを、彼は確信した。
    417_Utou Link Message Mute
    2022/09/11 0:04:19

    立秋

    #鉢くく
    別サイトからの移転です。
    初出:2022-08-09

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