真・女神転生5 プレイレポ3あてんしょん!
此方、2021年11月11日にアトラスより発売されました「真・女神転生5」のプレイレポとなります。
ナホビノが何を想い、ダアトの世界を生き抜くのか的な感じで書いております。
主人公 渚ナオト
感情の起伏が少ない、物静か。好きなものみたりすると、それに限らず。
今回は、魔王城攻略からエンディング(座の破壊)までのネタバレ全開なので、未プレイ・プレイ途中の方はご注意を。
特に、「隼の首」から続くコンス関係、「暴走する猛気」から続くアマノザコ関係のサブクエストそれぞれの結末が分かるような事も書いています。
そちらのサブクエストもこれから攻略・受注する予定がある方は見ない方が良いかと思われます。
見てしまった後の苦情は受け付けられませんので、ご注意を。
大丈夫ですね?
・心の底から思った答え
(やはり・・・・・・か)
魔王 アオリクが話すベテルが崇める創造主が居ないと言う現実。薄々気付いていたことを、改めて突きつけられる。だが、それに対して悲観も絶望もない。ただ、ただ。
(哀れだな)
創造主が居ると信じ、戦ってきた天使達の亡骸を見て、そう純粋に思った。信じる者は救われる。信じた者達が、こうやって死んでいく様を、俺はナホビノになってから見てきた。
(あぁ、哀れだ)
何のために、武器を持ち、戦い続けたのか。
「秩序が無くなるなら、それでも構わない」
アオリクとの質問に、自然と、そう答えていた。
・それぞれの思惑
「魔王を倒し、世界は平和になるかもしれぬ。だが、東京が滅びの危機を迎えているのだ」
「そんな!」
太宰が悲痛な声を上げる。そして、俺は(だろうな)と心の声を上げる。
そして、越水長官が伝えてきた東京を救う唯一の方法を伝えられたとき、気付かれぬように一つ溜め息を漏らした。
「ナホビノだけがたどりつける玉座で、世界を創世する。それしかない」
(また、“ナホビノの力”か)
そして、越水総理の正体を知っても、驚きも何もなかった。なんとなく、人外の気配が合ったからだ。
(さて、どう転ぶだろうか)
アオガミの警告に、一つ溜め息を漏らしてから、礼を伝える。
「私が守る、安心してくれ」
「今後どのようなことになっても状況に抗い、好転させるために。そうだ、生き抜く手段にするために」
アオガミの言うとおりだ、巻き込まれてしまった立場だからこそ。どの思惑にも属さない。だからこそ・・・・・・。
「俺は・・・・・・いや、俺達は俺達の思惑で動こう」
・崩壊の時
「ナホビノよ。間もなく一つの時代が終わる。お前こそが新たな時代を作る資格を持つものだ」
「神の支配する秩序から脱却しろ。混沌の中に生み出される自由。それこそが今の世界に必要なのだ・・・・・・」
そう言い残すアオリクと
「たとえどれほどの実力差があろうとも戦う。その意志のない者には生きている意味がない。ならばいつ死のうが同じこと。また悪魔にそそのかされて、他人を裏切るような愚か者も死ぬべきだ」
そう吐き捨てる八雲。
万魔会談にて語られたアブディエルの思想や他の支部の思惑。
「なんだが、滑稽だな」
<少年?>
思わず出てしまった一言に、アオガミが声を掛けてきた。頭を降り、「大丈夫だ」と答えたものの。
(結局は、そういうものだ。皆が皆、同じ方向に向いてる訳じゃない。人間に限らず、悪魔も天使もだ)
<君が悔いなくいきること。それが私の生きがいだ。そのためなら何でもしよう>
そう言いきるアオガミ。少しだけ苦笑して、ナオトは告げる。
「アオガミの生きがいがそれなら、俺はアオガミが胸張って自慢できるような働きをしないとな」
・念願の
「モコモコ・・・・・・フワフワ・・・・・・可愛い」
「・・・・・・」
「可愛い。可愛い・・・・・・可愛い・・・・・・」
魔獣ケルベロスが仲魔になってから、戦闘時以外は言語が「可愛い」、「モコモコ」、「フワフワ」以外出て来なくなったようだ。弟 オルトロスの時よりも酷いとケルベロスは思う。
首根っこにぎゅうううと抱き付くナオトに、困惑しつつもちょっと嬉しい等と思っているケルベロスだが、かれこれ一時間以上はこの状態だ。流石に、いい加減にして欲しいとは思うわけで。
「主、イイ加減ニシロ」
「んー」
「主」
「・・・・・・んんー・・・・・・」
「主!」
尻尾を叩き付ける。その時に地面が凄い音が鳴り響き、反動で地面がひび割れる。それでも動じないナオトは、ますます首根っこに抱き付く。
「・・・・・・」
若干諦めも入ってきて、どうしたもんかと思ってた矢先。やっと離れたナオトだったか、若干不満げだった。
「もうちょっとケルベロスを堪能したい」
「・・・・・・主ハ、我ヲタダノ犬カナニカト勘違イシテルンジャナイカ?」
「ただの犬とは思ってないよ。番犬ではあるけど」
と言いながら、頭を撫でるナオト。その撫で具合に、ちょっとうっとりするケルベロスだったが、(流サレテナルモノカ)と思いながら、ナオトの言葉に耳を傾ける。
「地獄の番犬じゃなくて、俺だけの番犬だ。そして、ずっと仲魔にしたかったんだ」
そう言うと、優しく微笑むナオト。
「だから、嬉しくて」
「主」
「あと、思ってたよりも滅茶苦茶フワフワのモコモコだったから、抱き締めたら堪らなくなった」
「ヤッパリ、ソウカ!!!!」
また凄い音を響かせて尻尾を叩きつけ、地面が更にひび割れる。そんな状態でも、優しい微笑みを絶やさないナオトは、ケルベロスの頭をまた撫でて立ち上がる。
「でも、仲魔にしたかったのは嘘じゃないぞ? 本当はオルトロスと一緒にと思ったんだけどな」
それはいつか実現させるとしてと言いながら、ナオトは出口に向かう。ケルベロスも立ち上がりながら、ナオトの側に寄る
「今は、君を愛でたくてしょうがないんだ」
頭を軽く撫でながら言うナオトに、「仕方ガナイ」と溜め息をつくケルベロスだった。結局、この兄もまたナオトに甘かった。
「彼女の気持ちを考えろ」
地の這うような声が出たと思う。コンスは今ミヤズの気持ちすら無視して進めようとしてる。イシスが頼ってくるのも頷ける。
「コンス、アナタは他の神と違うだろう。当事者の声を無視して、こんな事を押し進める事をする神じゃないだろ」
コンスの昔話をイシスから聞いて、俺はそう感じていた。自分自身の利益の為でなく、純粋にミヤズの生き様に惹かれての行動をしているのだと。
「ミヤズ、下がってろ」
「先輩」
ぎゅっと腕を掴まれて、不安そうにしているミヤズに対し、(笑えてるか自信は無いが)少し口元を緩ませる。
「大丈夫だ、ミヤズが望まない結果にはさせない。だから、下がってて欲しい」
「・・・・・・分かりました・・・・・・」
改めて、コンス・ラーに向き合う。
「さぁ、その曇った眼を醒まさせるぞ」
控えていた仲魔達が応える。
アマノザコが何故クラマテング達から逃れていたのか。そして、他の悪魔とは違う、何処か親近感すら覚えていた事、全てが腑に落ちた。
「ある意味では、アオガミの兄弟みたいなものか?」
<そういうものに当たるのだと思われる>
「思われるって、まぁそれもそうか」
アマノザコの誕生の仕方からして、そいう風な解答になるなと納得するナオト。
「まぁ、これでアマノザコも安心だな」
「ほんと、ほんと! ありがとうね! ね!!」
・一時の休息、魂の安らぎ
「オーディン倒すのにもめっっっっっちゃくちゃ苦労したから、労ってくれ・・・・・・ケルベロス」
首根っこに有無を言わさず抱き付くナオトに、なすがままと言わんばかりの態度のケルベロス。
(マァ、今回ハ甘ンジルベキカ)
実は、オーディンを倒す為に時間を費やした事、何よりも愛おしい魔獣をメンバーから外さざる得なくなり、ブロークンハートな状態に陥ってるナオト。そのオーディンとの戦いが終わるまでが「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛、獣成分が欲しいいいいいい!!!!」と普段の物静かな仮面を殴り捨てて叫び、そのままオーディンと戦いを挑んでいたと、同行していた悪魔達から聞いていた。それと同時に、あの人造魔人から「少年の精神状態を安定させるために協力して欲しい」ともわざわざ言われてしまった。たかが、自分が居なかっただけでと思わなくもないが・・・・・・。
(嬉シイト思ウ、ダイブ毒サレテイルナ。弟ノ気持チモ分カラナクモナイナ)
「ケル、ケル・・・・・・ケル、あぁあ、ケルベロス、モフモフ、モコモコ。可愛い、可愛い、可愛い・・・・・・堪らない。可愛い・・・・・・」
ギュウギュウと首根っこに抱き付く主 渚ナオトは、今はナホビノではなく、“ただの人間”の少年だった。そう、仲魔である魔獣 ケルベロスに甘える彼は、今はただの人間だ。
(休息ト言ウ訳ダナ)
人造魔人の気遣いと、これから起こるであろう戦い。望まない戦いをこれから強いられる事を考えれば・・・・・・。
(主ヲ甘ヤカス使命、甘ンジテ受ケヨウ)
緩やかに尻尾を床に揺らしながら、ナオトの気が済むまで好きにさせていた。
「すまないな・・・・・・ジョカ・・・・・・俺の我が儘に付き合わせた」
その声は、とても穏やかだった。八雲と何度か合ったが、こんなにも穏やかな声など出せたのかと思ってしまった。
「フ・・・・・・望みは叶わなかったが・・・・・・己の生き様に悔いはなかった」
穏やかな声で、穏やかな顔で、ジョカを見つめる八雲。戦いに身を費やしてきた男の最期は。
その想いは、
その瞳には。
共に側にいた、悪魔に落とされた愛しき“神”を見ていた。
人のための世に、八雲の想いに賛同し、俺は太宰とアブディエルを手に掛けた。全てを作り直すため・・・・・・必要なこととは分かっていた。だが、
(同じ人間を手に掛ける事になるなんてな)
微かに震える右手。今までも沢山の悪魔や天使達を屠ってきたのに、今更かと笑ってしまう。悪魔や天使達だけではない。八雲とも何度か刃を交えたと言うのに、今更怖じ気着くのか。
(そんなのは、許されない)
八雲は「資格が無かっただけだ」と言っていた。だったら、資格のある俺が意志を継ぐ事に何の問題がある?
「俺は、貴方の成そうとしたことを受け継ぎたい。これは、俺の意志でもあり、八雲。貴方の意志であり、願いだろう」
強く強く右手を握り締め、この先に待つナホビノを討つ決意を固める。
勝ち取った。全てを勝ち取った。そして、俺は玉座を破壊した。
戦う知恵を持った人間が、厳しい世界で生きていく事になった。だが、それが一番正しい生き方だ。
「そうだろう? 八雲、ジョカ」