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    争乱 4注意事項第肆章 新手の出現注意事項
    【ATTENTION!!】読む前に確認お願いします

    ・「刀剣乱舞」の二次創作作品です。

    ・原作登場刀剣男士の女体化があります。

    ・カップリングとして「くりんば」が含まれます。

    ・モブ(オリジナル主人公及び登場人物)がかなり話します

    ・創作設定が多くでてきます

    ・文章は拙いです

    ・ご都合主義です

    上記の点確認の上、自己回避よろしくお願いします
    なんでも許せる方のみお楽しみくださいませ!

    第肆章 新手の出現
    「それでは、短刀、脇差がともに来ている人は私の右手側へ、それ以外は私の左手側に分かれてください!」
    「分かれましたか?では、今から最初の指示を出します。おそらく嶺染本丸率いる戦闘系審神者たちは、すでに戦場へ赴いているはず。短刀、脇差はその情報収集へ動いてください。そこは千木本丸統括をお願いします」
    「ああ、わかった」
    「次にここにいる審神者の中で、医療系の術を使える方はいらっしゃいますよね?その方達は、ここで簡易の治療場所を作りますので、戦闘系審神者の方々の怪我の癒しを。まとめ役は、霞本丸お願いします」
    「わかったわ!」
    「打刀以上の刀剣男士はその場所の警護に何人かいてもらえば、それ以外は結界を張る人々の周りの援護へ!審神者の方々もついて行っても構いませんが、戦闘により傷ついている人がいたら、こちらへ連れてきてください。統括は六合本丸!」
    「ああ」
    「短刀、脇差含め全ての情報は私の近侍の山姥切国広へ伝えてください。女型なのでわかりやすいでしょう。それでは皆さん。散開!」

     とりあえず最初の指示は出せた。あとは現場の情報がわからない限り動けないだろう。

    「蓮ちゃん!今ちょっといいかしら」

     私はホールの中央にいる彩綾さんから呼ばれた。

    「彩綾さん、どうしたんですか?」
    「いやーさっき座り込むフリして術具を埋め込んどいたから、私の霊力ですぐ結界は張れたんだけど、サポート役がねちょっと……」

     話しながらも、彩綾さんは手を何かしらの印で組んだままだ。顔には汗が浮き出ている。最高峰の術者でこれなのだ。この規模の結界を張るのは、他の術者にはかなりきついのだろう。

    「こちらからも、増援を?」
    「いいえ。さっき私の呼びかけに応えなかったと言うことは、今手伝ってくれてる方々より技術は低いと思う。だから、蓮ちゃんには結界のそばで守る人を配置したのよね?その人たちに、結界が弱くなる部分があることを知らせて欲しいの。私がもう少し頑張れば良かったんだけど……ちょっと無理そう」

     そう言って笑う彩綾さんの顔は、苦しそうとしか言えなかった。きっと、技術が足りない審神者のフォローも同時にしているのだろう。

    「そんなことはないですよ!」
    『そうだぞ
     そなたはよくやっておる』
    「え?」

     急に聞こえた声は、馴染みのあるもので私はなぜここにいるのか驚いてしまった。

    『我が愛し子が手助けを求めてな
     そなたはいろいろ愛し子を助けてくれたようだ
     我が力を貸すのも道理というもの』

     目の前に立つのはいつもの大蛇姿ではなく、白く長い髪が美しい絶世の美女。しかし、肌にはうっすら鱗のような文様が浮かんでおり、只人ではないことを示している。

    「蛟様⁈」
    「え、この子があの愛し子の坊やの⁈も、申し訳ありませんこのような姿で。」

    『気にするな
     さて、我も仕事をするかの』

     そう言って彼女の手に生み出された水の玉がすうっと浮かんで結界に触れると、一気に水色の光が広がり、結界が薄い水の膜で覆われた。

    「あっ……」

    『どうじゃ
     少しは楽になっただろう?
     我の力で結界を覆った
     そなたの負担も減ったはずじゃ』

    「本当、さっきと比べたら全然違う……。蛟様ありがとうございました」

    『ふむ
     礼は我が愛し子へ
     我はかの子の願いを聞き届けたのみじゃ
     では、我は愛し子の元へ戻る
     健闘を祈るぞ、おなごと嫁子よ』

     彩綾さんのの礼を聞き届けると、蛟様はそう言って姿を消した。

    「あの、彩綾さん。とりあえずは先程の連絡って……」
    「大丈夫、になったみたい。あとで愛し子くんにはお礼言わないといけないわね」
    「彼、そんなことは望んでないと思いますけどね」
     先ほどよりは随分楽になったような表情で彩綾さんは「そうね」と笑い声をあげた。

    「主!情報が来た!まとめたからこっちに来てくれ!」

     元いた場所からひろの呼ぶ声がする。

    「行って、蓮ちゃん。私にここは任せて。あなたはあなたの仕事を!」
    「はい!」

     ひろのそばに戻ると、そこには何人かの短刀と脇差が並んでいた。

    「主、今までに来たものはここにまとめてある。まだ連絡は残っているからまず、それを見ててくれ」
    「わかったわ」

     即席の資料を読む最中で隣からは、同時に何人もの話を聞き取りまとめているひろが見える。

     ーーこんなところで、うちの子の優秀さを示したくなかったな⋯⋯

     しかし、そうも言ってはいられない。資料に書かれていることをまとめると、遡行軍は推定二百部隊。今までおよそ百部隊は戦闘系たちによって屠られているらしいが、大太刀の姿はなかったと言う。疲れたところに出てこられたら、大打撃になるだろう。
     しかし朗報もある。襲撃直後、次元の歪みが発生していたため使えなくなっていたシステムの一部が復旧したようだ。これで各自のこんのすけは呼べるだろう。

    「コガネ!」ポンッ
    「はい!主様ご無事ですか?」
    「私は大丈夫。聞きたいことがあるのだけれど、こんのすけたちに預けた荷物の受け取りは今も可能かしら?」

     会場に来ていた戦闘系審神者の中には、得物の大きさなどを考えてこんのすけに預けている人も少なくない。しかし、この場ではすぐにでも武器を取りたいだろう。

    「可能でございます!」

     そうと聞けば、これを早く伝えなければ。

    「六合本丸に伝令!こんのすけから武器が受け取れることと、すぐに大太刀への対応部隊を作るよう伝えて!ここに集団で来られたら、戦闘系審神者たちが危ないわ。千木本丸のところにもこんのすけのことを伝えて!」
    「わっかりましたー!」

     すぐさまどこかの極今剣が返事をし短刀たちが各自走っていく。

    「他の状況は?」
    「何人かは負傷者が出ているが、霞本丸が対応して治療にあたっている。それから、千木本丸は大体の情報が集まったとして、短刀たちには遊撃、脇差たちは打刀連中の補佐に回ってもらったそうだ」
    「刀装は足りそう?」
    「それは俺も感じた。だから、ここで治療の手助けをしてたやつで手が空いていたものに、資材を持ってきてもらって刀装を作ってもらった。ちゃんと資材の量は確認してるから後で金は払う。俺の勝手な動きだからな」
    「ばかね。こんな緊急事態なんだから政府に出させるわ。それぐらいやってもらわないと!」

     ひろは独自に動いたことの責任を取ろうとしているが、その働きは必要なものだ。それを彼女だけに背負わせるわけがない。
     そこに1人の審神者が駆け込んできた。

    「白蓮殿!至急伝えたいことが!」
    「何!」
    「嶺染殿が、あなたを連れて来いと!」
    「私?」
    「はい。ですがお一人で、と。」
    「は?俺は行くぞ」
    「だめよ。ひろ、あなたは私の代わりにここで情報をまとめて。それにあなたなら私の言葉が届くでしょ?」

     私が使える術の中には、いわゆる念話のようなものがある。しかし、それが通じるのは自分の刀剣だけだから実質ここではひろだけだ。

    「だが!」
    「……鳴狐が付いてく」

     付いて来ようとするひろを遮ったのは、龍樹の護衛刀、鳴狐だった。

    「え、あなた龍樹くんは?」
    「主は主で動いてるから。…ひろ、これならどう?」
    「……わかった。主を頼んだ」
    「……ん」

     納得してくれたひろに安心した私は、すぐさま丈留さんの元へ向かおうとした。しかし、次の瞬間、一瞬息が止まってしまった。

    「……じゃ、行くよ」
     グイッ
    「へ?」
    「……ちゃんと捕まってて」

     そう、なぜか鳴狐に横抱きにされてしまったのだ。そして、何事もなかったかのように走り出す鳴狐に、すぐには声が出なかった。

    「な、なんで」
    「こっちの方が速いから」
    「……そうね。できるだけ急げる?」
    「……ん」

     今は戦時下、多少の羞恥は捨てなければ。そう思い込もうとはするものの、少し顔を赤くしながら、私は鳴狐に運ばれて丈留
     さんの元へ向かった。


    『何で嬢ちゃん鳴狐に運ばれてんだ?』
    「こっちの方が速かったんです!」

     少し廃れた服装になった丈留さんに不思議そうに言われたが、呼んだのはそっちなのだから速い方がいいはずだ。

    『俺は呼んでないぞ?』
    「え?……そうですか」

     当たって欲しくはなかったが、私はひろに念を飛ばした。

     ——ひろ!さっきの奴は捕縛!
     ——!わかっ、たんだが……もう前田が捕らえたようだ
     ——それなら、そちらはいいわ。千木本丸に連絡。極短刀部隊とともに前線に来るようにって
     ——わかった。気をつけろよ

    『嬢ちゃん?どうにかなったか?』
    「ええ、こちらはどうですか?丈留さんが私と話せているなら順調なんでしょうけど。」
    「まぁ。順調っちゃあそうなんだが。…さっきから嫌な感じがしてな。だからちょっと武器のメンテと陸奥に手入れ札つかってたんだ」
    「主の勘は当たることが多いきにゃ〜」

     丈留さんが嫌な予感を感じている、か。一応もしもで備えていたけど、これはきっと来てしまうのだろう。

    「丈留さん!今全体でどれぐらい倒せたのですか?」
    『全体を二百と見積もってたが、脇差達の増援もあってあとほんの数十体ってとこだ。見えるか?多分あれが最後のは、ず……』
    「……残念ながら、嫌な予感当たったみたいですね」

     目の前には、見渡す限り現れた青く光る時空の歪み。

    「け、検非違使だーーーーーーーーーーーー!!!!」

     誰かがその名を呼ぶと、周りは途端に慌て始める。それもそうだ。ようやく終わるかと思った戦いの継続。それも、練度に合わせて強さを変える検非違使が来ようとしているこの場は、高練度の刀剣男士しかいない。なんなら極めた刀も多い。

    『だから嬢ちゃんはこっちに連れてくるよう仕向けられたってわけか』
    「でしょうね。どうやったってここは再び戦場になる。それも先ほどよりもっと苛烈な」
    「それにしては、落ち着いているんじゃのう?」
    「いいえ、落ち着いてなんていませんよ。今だって情けないことに、震えが止まらないのを堪えているんですから」
     握った拳は手のひらに爪が食い込んで血が滲んでいるが、そうでもしないと恐怖から起こる震えは止まらない。

    『嬢ちゃん……』
    「いいんです。ここは戦場。そして、私の指示に従って動いている人たちがいますから。仮にも上に立つものが弱みを見せるわけにはいかないって、丈留さんならわかるはずです」
    『そうだな』

     そう言って、武器を構え数分もしないうちに検非違使が出現するだろう場所を見据えた。

    『でも、どうするんだ。この騒々しさじゃ陸奥の鉄砲の音も聞こえねぇ。俺は陸奥も自分の武器も一応回復はしたが、疲労は変わらん。今の今まで戦ってたやつらは手入れの時間はないだろう?』
    「検非違使の高速槍に対応するため、極短刀部隊を集めてこちらへ呼んではいますが、厳しいでしょうね。私の守りは鳴狐がしてくれますから、戦力には数えられませんし」
     
     《ならば、疲れが取れればいいのか?》
     
    「そうですね。せめて疲れさえ取れれば」
    『おい、嬢ちゃん誰と話してるんだ』
    「え、誰って。丈留さんじゃないですか」
    『俺は今話してない』
    「え?」
     
     《ふむ 上だ、上を見よ》
     
    「上?……え?なんで、ここにいるんですか!というか、あなたは夢で会った……」

     頭上には、緋色と赫色の鱗が美しい龍が一体、その身を空に浮かべていた。その大きさは、空の一面を覆い地上は先ほどより暗くなっている。その龍は到底人の言葉が話せるような見た目をしていないのに、愉快そうな声でこちらに呼びかけていた。

     《久しいな 
     哀れな人の子 
     面白そうなことになっておるではないか》
     
    「こちらは面白くないのですが」
     
     《そう怒るな 
     なに、それなら我が力を貸してやろう》
     
    「はい?あ、いえ、申し訳ありません。なぜ、そのようなことを?」
     
     《ただの気まぐれだ 
     それに対価はもらうぞ》
     
    『対価⁉︎おい。嬢ちゃん、早まるなよ!』
    「……何がお望みですか」
    『おい!』
     
     《そう怖い顔をするでない 
     ただ食事を作れば良い 
     お前の作る食事は美味なのだろう? 
     一度で構わん 
     我が一度お前を助ける代わりに、一度お前の食事で持て成せ》
     
    「……それだけですか?」
    『マジで?そんなもんで神様って力貸すのか……』
     
     《ああ 
     約束は守ろう 
     して、どうする?》
     
    「受けましょう。あなたの力、私たちにお貸しください!」
     
     《我が慈悲に深く感謝するがいいぞ
     我が名は倶利伽羅竜王 
     番の縁より繋がりし人の子らに我が力の一片を貸し与えん!》

     黒い巨大な龍が空に現れとぐろを巻いたかと思うと、審神者達と刀剣男士たちの体を赤い光が覆った。

    「え、くりからりゅうおう?それって、もしかして」

     《そなたらには我の嫁も世話になっとるからな 
     これしきのことは些細なことよ》

     私は戦場であるにも関わらず、めまいで倒れるかと思った。痛くなる頭を押さえる私に、丈留さんと陸奥守が惚けた顔で問いかけてくる。

    『もしかして、ここで言う嫁って』
    「想像どおり、なら私たちが知っている竜なんてお一方だけ。丈留さんがよく一緒にお酒を飲む蛟様、いえ、正しくは蒼龍様のことでしょう」
    「倶利伽羅竜王っちゅうことは?」
    「刀剣に彫られることも多い倶利伽羅龍の元、というか私たちにわかりやすい言い方をすれば本霊と言ったところですかね?」
    『……あとにするか』
    「そうしてください。正直私も考えたくありません」

     検非違使もそろそろ顕現する。今はここでもめている場合ではない。
     そこに、大勢の刀剣たちを連れた審神者が馬に乗って走ってくる。

    「白蓮どの!短刀たちを連れてきたぞ!後、君の近侍殿から伝達だ。ここ以外の遡行軍は殲滅完了。重傷の刀や審神者を救護所に預け次第、こちらに救援に来るそうだ!それと、この赤い光はなんだ!」

     駆け込んできたのは千木本丸の審神者だった。自分も戦うつもりなのか弓と矢筒を携え、そのどちらもほのかに赤く光っている。

    『ほら、嬢ちゃん。これがきっと最後の仕事だ。この光の説明とこの戦場への最後の檄、飛ばしちまえ!』
     
     《む?それなら小道具がつきものだろう 
     ほれ、これを使え》

     いつの間にか龍から人型に変化した竜王が渡したのは鮮やかな緋扇。これだけで周りの注目を集められる。そう確信できるほどの一品だった。

    「……なき。あの高台まで連れて行ってくれる?」
    「……ん。」

     鳴狐はすぐさま私を抱きかかえ、高台まで走ってくれた。この場所なら全てを見届けられる。検非違使は徐々に顕現し始め、少し離れたところで敵がどこにいるか探っている。こちらを見つけるのも時間の問題だ。
     私は、拡声の術を自身の周りに展開させた。これで私の声は、結界の中の人たちにも聞こえるだろう。

    「結界を張っている審神者の皆さん、治療と手入れをしている審神者の皆さん、動き回っている役人の皆さん、そして今なお戦場にいる戦闘系審神者と刀剣男士の皆さん、白蓮です。遡行軍の脅威がさり、終わりと思われた戦いは検非違使の出現という悪夢により、再び始まろうとしています」

     落ち着け、落ち着け。
     そう心で唱えながら必死に言葉をつなぐ。今からの戦いに絶望感を持たなくていいのだと伝えなければ!

    「戦いに疲れた人の身よ、傷ついた刀たちよ、今もまだ辛いですか?そうではないはずです。先ほどその身をまとったのは龍神のご加護。我らには龍神の加護がついています!」

     検非違使たちもこちらに気づいた。向きを変えこちらの戦力と見合う形になる。

    「これで、これで最後です!ここで勝てば自分の本丸に帰れます!」

     私は扇を開きまっすぐ上に持ち上げる。皆の注目が扇に集まった。目線の先は、倒すべき敵のみ。

    「最後にあなたたちに命じるのは一つ!」私は思いっきり腕を振り下ろした。
    「我らに勝利を!」
    「「おおっ!!!!」」
     
     次の瞬間、私の命令を皮切りに飛び出した審神者たちによる殲滅が始まった。

    夕霞 Link Message Mute
    2021/01/11 20:00:00

    争乱 4

    こんばんは、夕霞です。
    今回は争乱の第四話をお送りします。

    それでは注意事項を読んでからお楽しみください!
    #二次創作 #オリキャラ #刀剣乱舞

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