争乱 後日談 2注意事項
【ATTENTION!!】読む前に確認お願いします
・「刀剣乱舞」の二次創作作品です。
・原作登場刀剣男士の女体化があります。
・カップリングとして「くりんば」が含まれます。
・モブ(オリジナル主人公及び登場人物)がかなり話します
・創作設定が多くでてきます
・文章は拙いです
・ご都合主義です
上記の点確認の上、自己回避よろしくお願いします
なんでも許せる方のみお楽しみくださいませ!
後日談 中編
『なんだよ、そんな大声出して。智蕾のも知らなかったのか?』
「知らないわよ!ただ者だとは思ってなかったけど、まさかこんな大物だとはね」
「まあ、自分のことはいいですから。サクサク質問いきますよ」
「……あとで問い詰めるんですからね!」
まずは襲撃のことだと思い直したのか、彩綾さんを含め驚きの声を上げた鷹泰さんたちも椅子に座り直した。
「何か聞くようなことありますかね?まあ、いいですよ。時間があれば質問にはお答えします。ではまず、襲撃前ですね。自分が見る限りではここにいる方々を含め、古参と呼ばれる審神者はなんらかの予感を感じていたようですが、そこのところどうですか?」
その質問に最初に答えたのは露璃だった。
「私は会議の会場を出たあと、しばらくしたら少し空気が硬くなったような感じがしたんです。勘違いかと思って近侍の蜂須賀を顕現させました。すると、蜂須賀も何か変だと言うので……周りを見ると何人かの審神者が近侍を顕現し始めているので、こんのすけを呼び出して私の医療バッグを出してもらい、何か起こった時のために待機していました」
「ああ、だからシステムが動いてなかったのに、あそこに医療道具があったんですね。あの時使った物の申請はされましたか?」
「ええ、白蓮さんのところの山姥切に細かく連絡していたのであらかたの数はわかっていましたし、途中からはこんのすけが数を把握していてくれたので。きちんと補充されましたよ。むしろもらい過ぎたくらい」
露璃さんは嬉しそうに返事をした。次に話すのは誰かと思っていると、鷹泰さんが手を挙げて話し始めた。
「じゃあ次は俺が話そうか。俺も、ホールで変な感じ、と言うか空気を感じてな。近侍の今剣を顕現して、馬小屋へ行こうとしたんだ」
「馬小屋、ですか?」
「ああ。俺は戦場で騎乗しながら戦うことも多くてな。同じ戦いをしてるやつで馬術の見せ合いっつーか、検討会みたいなのを会議終わったらやるつもりだったんだよ。だから、愛馬を連れてきてたってわけ。だから俺は馬小屋に行こうとした。そこに友人達もいるだろうし、意見を聞こうと思ってな。だけど、着く前に襲撃が起こっちまった」
わたしはこの時ようやくなぜ鷹泰が戦場で馬に乗っていたのか納得した。
——丈留さんと話してるとき、急に馬走ってきたから驚いたんだよなぁ
そう内心思っていると、丈留さんもそう思ったのか笑いが隠せていない。
『くっくっくっ。ありゃ俺も驚いた。いきなり横に馬走ってくるんだからな』
「し、しょうがないだろう。馬でも乗らなきゃ短剣たちには追いつけん!」
『そりゃそうなんだろうが。なにせ、インパクト大でなぁ』
「まあそこらへんにしておけよ、嶺染の。さて次は俺が話すか」
未だ笑い止まらぬ丈留さんをやんわりとたしなめた弥勒さんが次に話し始めた。
「俺は会議が終わったあと、いつものように戦術検討会の方に顔を出していた。あそこは様々な考え方と触れられるし、若手が考える青い戦略も刺激になるからな。そうやって、参加した審神者と交流していると何やら不穏な気配がした。すぐに俺は近侍を呼び出した。俺の近侍は青江だったからな、少し周りを偵察してもらうと、何人かの審神者は己の近侍を顕現しているとわかった。だったらきっと何か起こるのだろうと思って預けていた武器をこんのすけから受け取ろう、としたところで襲撃が起こってしまったな」
「あ、それは俺も。さっきも言ったけど、馬小屋行こうとしたら襲撃だろ?だから俺も弓具受け取れなくてな」
「それに関しては、復旧に手間取り申し訳ありませんでした。襲撃の際、メインのシステムに破損が生じまして……」
「いやいや、責めてるわけじゃねぇよ。」
『そうだぞ。自分の武器くらい持っとけよー。まあ、六合のおやっさんは長物だから邪魔そうだが、千木の短弓なら持てるだろ』
「おかしいのはお前だよ!普通会議に武器携帯するわけねぇだろ!近侍だって連れてきてるんだし」
「ま、普通は帯刀してる嶺染のが変よね」
『なんだと?』
「ま、まあまあ。彩綾さんも落ち着いて!えっと、わたしと彩綾さん、丈留さんは一緒に行動していたので私が代表して話させていただきますね……」
また言い争いを始めそうになった二人を抑えて、私が代表して話すことにした。
私が経緯を話し終えると、彩綾さんと丈留さんも落ち着いたようで、二人とも私に任せたことを謝ってきた。
「ごめんね、蓮ちゃん。任せちゃった」
『すまんな嬢ちゃん』
「いいえ、構いませんよ。私も頭の中、整理できましたから」
こうしてすぐ謝罪ができるところは本当に尊敬するべきだと思う。
そして、これでここにいる全員の襲撃前の状況はわかった。ここまででわかっているのは、会議後に不穏な気配がしたと言うことだ。流石に戦闘系審神者の方々は、確信があった方が多そうだが、それ以外でも察知できた人は多いようだ。だが、そこで露璃さんのように動けた人がどれだけいたのかは、ここだけの話で推測できることではないだろう。
「……そうですね。とりあえず襲撃前の状況はわかりました。ああ、そういえば明日には公表しますので、それまでは黙っていて欲しいのですが、今回の事件は上位者会議に参加していた審神者の手引きによるものです」
『おい、聞いてないぞ』
「当たり前でしょう。言ってないのですから」
声をあげた丈留さんを始め、他のメンバーも驚きが顔に出ている。私はむしろそいつらに襲われた立場だったため、それを知っていたが普通なら驚愕ものであることは間違いない。
「蓮ちゃん、驚いてないけど知ってたの?」
「ええ、まあ。私、彼らに襲われましたし。
五虎退から聞いてませんか?」
「聞いてないわよ!ごこがあるじさんのご友人はお守りいたしました!って報告するから何事もなかったのかと思ったのに、まさかそんなことがあったなんて……」
てっきり聞いてるものだと思って、彩綾さんに答えると、五虎退は伝えてなかったようでかなり驚かせてしまったようだ。
——それになぜか少し怒っている?
「ああ、それは自分があまり言わないように頼んだんです。あの時はあまり情報を拡散する訳にはいかなかったので」
「そう言うことなら仕方ないわね。でも!私はあなたの後見なんだから、ちゃんと頼ってね!」
「分かっていますよ。私が襲われた時、不安に思わなかったのも、彩綾さんなら私になんらかの護衛をつけると思ったからですから」
龍樹くんの説明を聞けば、一応の納得はしてくれたのか怒るのはやめてくれたようだが、思いっきり心配と書かれた顔ですがられてしまった。だから自分の心からの言葉を告げたのだが、今度は思いっきり抱きしめられてしまった。
「んも〜。ほんっと蓮ちゃんってば良い子!」
「も、もがっ」
「ちょっと彩綾さん。自分の白蓮さんが苦しそうなんで離してください」
そう言って、彩綾さんの熱い抱擁から解放してくれた龍樹くんはついでに乱れてしまった髪も直してくれる。
「た、助かった。ありがとう。龍樹くん」
「いえ、これぐらい大したことないですから」
「なあ、自分のってどう言うこと?」
思わず聞いてしまったという感じで鷹泰さんに問われたことに、私たちは思わず顔を見合わせてしまった。
『んあ?そりゃそのままだろうが。この嬢ちゃんは愛し子の嫁だぞ?』
「まだ嫁じゃないですけどね。ですが、婚約者ではあります」
「はあ⁈婚約者⁈まじかよ。いや、それは後でも良いや。それよりも、その愛し子っていうのはなんなんだよ。最初っから嶺染のも智蕾のも呼んでるけど俺、全然意味不明なんだけど」
『ああ、そっか。お前らこいつらの加護とか見えねぇのか』
「それはしょうがないというものだぞ、嶺染のほどの目を持っているのは、ごく僅かなのだからな」
苦笑する弥勒さんの言い分に納得したのか丈留さんはうんうんと頷く。
『それもそうか。どうする、愛し子』
「それこそ、あなたたちがその呼び方をやめてくれという自分の頼みを聞いてくれていたら、こんな説明しなくても良いんですけどね」
『「だが断る‼︎」』
「でしょうね。……まあ、良いでしょう」
「いいの?」
「ここにいる人ぐらいなら大丈夫ですよ。むしろ悪用した方が危ない目に合いますし」
「ああ…。確かにそうかもしれない、ね」
「でしょう?」
「あの、なんだか不穏な話してませんか?」
私達の会話を聞いていた露璃さんが、恐る恐る質問してきたが、きっと彼らにとって問題はないはずだ。…たぶん。
「いいえ。何も心配することはありませんよ。まず自分が愛し子と言われている所以ですが、その名の通りある神様から愛されてる存在なんですよ、自分は」
「ある神様?刀剣男士じゃないってことか?」
「はい。それよりもっと高位の存在ですね。自分を守護するのは蒼龍様と言います。まあ普段は蛟様と言っていますが。その名の通り水と木の特性を持つ方ですよ」
「ふむふむ。あ、もしかしてあの時の加護をくれたのはその神様なのか?」
「あの時の加護とは最後の戦闘の時でいいですかね?あれはまた別の神様ですね。彼は倶利伽羅龍王と言われています。皆さんもご存知のように、刀剣によく彫られる倶利伽羅龍の元ですね。彼は白蓮さんを気に入っていますから」
「ん?じゃあ、竜泉のも愛し子ってやつになるんじゃねえか?」
「そうですね。気に入っている、ということは加護を得ているということではないのですか?」
龍樹くんの説明にふと気づいた様に問いかける鷹泰さんと露璃さんだが、厳格にはそこには大きな違いがあるのだ。かく言う私も龍樹くんに説明してもらったから知っているのだから、普通は知らない知識だろう。
「そうですね…。丈留さん、自分と白蓮さんの加護に違いはありますか?」
『ん?違い?ああ、あるぞ。愛し子は体全体に力が巡ってる感じがするが、嬢ちゃんの方は紋様、か?なんかそんなやつが手の甲に見えるぜ』
そう言われると思わず手を見つめてしまう。今日は目に封印をしているからそこには何も見えないが、丈留さんが言うのだきっとそうなのだろう。
「私もなんとなくだけど感じるわ。愛し子くんは体全体からオーラみたいなのを感じるけど、蓮ちゃんは一部だけね」
「丈留さん、彩綾さんもありがとうございます。これが自分と白蓮さんの違いです。言葉にするなら、寵愛と加護の差、と言うことでしょうか。加護とは神から特に目をかけられた印であり、場合によっては神に力を貸してもらえる立場といった感じですね。ですが、あくまで神様の気分次第ということです。対して寵愛を受けている者は、これが全く違う。神様はむしろ寵愛している者の助けになりたくてよく側に現れますし、頼むより先に動くこともあります。それが行き過ぎると大変なことになるのですが…。その点うちの神様はわきまえていらっしゃるので安心していただいて結構ですよ」
『確かに、あの神さんは落ち着きあるもんなぁ』
「何さらっと言ってるのかわかりませんが、あの方も他の神様と同じく人を見る目は厳しい。一緒に酒を飲むなんて普通じゃないんですからね!」
た、たしかに。この頃はもう普通に感じているが丈留さんは蛟様とは呑み仲間の様な者だ。本来ならおかしい組み合わせなのだから、龍樹くんの怒りも最もだ。
「コホン。まあ、そんな感じで自分と白蓮さんを比べれば、その与えられた力には差があります。だから、白蓮さんは愛し子というにはもう一歩、と言ったところでしょうか。…なんですけど、倶利伽羅龍王様の伴侶が蒼龍様であったり、倶利伽羅龍王様が白蓮さんへの接触を加護にとどめているのは、奥さんに誤解されないためだったりするので、正直普通の加護よりは強いですよ」
「そうなの?」
「はい。それに神様の力としては倶利伽羅龍王様の方がお強いですからね。それもあります」
なんだかすごい話になってきてしまったが、私への加護は思いの外強かったらしい。
「はぁ〜。なんか、すげえな」
「全くだ」
「ええ、なんだか異次元の話の様です」
「ほんとよねぇ」
『そうか?』
「「「「あんた/あなたはおかしいの/です!」」」」
「ま、そういうことです。このことはあまり大っぴらにすると自分も白蓮さんにも余計な連中が近づいてくるので、ここだけの話としといてください」
「「「「わかった。」」」」
『なあ、俺に対するフォローはないわけ?』
「何か間違ってましたか?」
『お前なぁ』
「さて、脱線が長引きましたね。次は襲撃後、そうですね検非違使が出てくる前までのお話を伺いたいです。先程と同じく露璃さんよろしくお願いします」
『おいこら、無視かよ!』
龍樹くんは横道に逸れた話を戻すべく、丈留さんのツッコミは華麗なスルーだ。次はいよいよ戦いについてだ。あらかたの情報はひろがまとめてくれた資料で分かっているつもりだが、実際にその場で動いていた人の話を聞けることは良い経験になる。
そう考えて、私は椅子に深く座り直した。