争乱 幕間 戦いの後注意事項
【ATTENTION!!】読む前に確認お願いします
・「刀剣乱舞」の二次創作作品です。
・原作登場刀剣男士の女体化があります。
・カップリングとして「くりんば」が含まれます。
・モブ(オリジナル主人公及び登場人物)がかなり話します
・創作設定が多くでてきます
・文章は拙いです
・ご都合主義です
上記の点確認の上、自己回避よろしくお願いします
なんでも許せる方のみお楽しみくださいませ!
戦いの後
彩綾が一足先に帰還ゲートの方へ向かうのと同じタイミングで会場の入り口が騒ぎ出した。
『嬢ちゃんのお帰りか』
ならば指揮官殿を迎えねばなるまいと騒ぎの方向へ向かう。もちろん、息子たちを迎えに行った後だが。人混みをかき分けた先には、やはり今回の総指揮官殿が近侍に支えられて困っている。
「た、丈留さん⁈大丈夫ですか⁈」
『なーに、これぐらいかすり傷よ!そっちこそ指揮お疲れだったな』
「どこがかすり傷ですか!あとでちゃんと治療してくださいよ!」
『わかった、わかった。智蕾のと同じこと言うんじゃねーよ』
「あ!彩綾さん!結界はもう消したみたいですけど、大丈夫でしたか?」
『あー、まあ。一応霞本丸だったか?そこの審神者に任せてきたから今頃休んでんだろ。切国も向かったしな』
さて、総指揮官の最後の仕事の背中を押してやろうじゃねぇか。俺の腰に携えていた刻永を右腕で地面に突き立て、その場に膝をつく。
「え?」
嬢ちゃんが突然のことに驚いている間に、隣にいた陸奥も同じ姿勢をとり始め、周りの審神者も習うように武器を突き立て地に膝をついていく。
「た、丈留さん⁈一体何を……」
『我らが指揮官殿、我らはそれぞれの力を示した。結果は見ての通りの勝利だ。それも元を辿れば貴殿の指揮のおかげ。ここに我ら戦闘系審神者からの最大の敬意を!』
「うむ。わしらからも同じく、じゃな。貴殿の声がわしらの背中を押した!ここにいる多くの刀剣男士がそれを証明するじゃろう。だからこそ、わしらからも審神者白蓮に最大の敬意を!」
そう言い切ると、皆一斉に己の武器を天に掲げた。
『「さあ、我らが指揮官殿よ。勝鬨を!」』
「…主」
「…」
静かに促す近侍に体を支えてもらっていた腕を外してもらいながら、嬢ちゃんは俺たちの前に立った。手にはあの、龍王から借りた緋扇を持って。
「……最初に、今回私の拙い指示に従ってくれたことへの感謝を。有名審神者の後ろ盾があったとはいえ、信じてくれたこと本当に感謝しています。だからこそ、敬意を示すべきは私の方です。あの緊急時に私を信じるという判断をしてくれた貴方達こそ、敬意を表されるべきだと」
「あるっ」
思わず声をかけようとした近侍を嬢ちゃんは視線で止める。わかっている。ちゃんとここでは終わらせないとでも言うように。
「ですが、きっと貴方達はそれを違うと言ってくれる。今日初めて出会った人も多いですが、私はそう言い切れます。…ならばこれは、我らの戦果。私たちみんなに与えられるべき敬意です。ここにいない、結界に従事していただいた方々、手入れ、治療に動いていただいた方々、全てに聞こえる勝鬨を今ここに届けましょう」
嬢ちゃんは扇を広げた。伸ばす先にはとっくに晴れ渡ったあの青い空。
「我らの勝利に勝鬨をあげよ‼︎‼︎‼︎」
「「「おおぉぉぉぉぉぉ‼︎‼︎‼︎」」」
その声はどこまでも響き、この戦いの本当の終わりをその場に知らしめたのだった。
~***~
「もう、丈留さん。本当にびっくりしたんですからね!」
『悪い悪い。だけど、どっかで締めとかないとな。あとあと色々あるだろ?』
「それはわかりますけどね」
あの勝鬨の後、興奮冷めやらぬ審神者たちに龍樹からの伝言を伝えた嬢ちゃんと、俺は壁にもたれかかって話していた。ちなみに俺は他の奴らを先に返して迎え待ちだ。
『しっかし、あいつのことどうするかなぁ』
「あいつって、あの初めて見る刀剣男士ですか?」
『刀剣男士って言っていいのかもわかんねぇがな。あれの本体は俺の刀だったのは間違いないが、どうして顕現されたのかは分からん』
「でも、龍樹くんと見てましたから後日なんらかの接触はあると思いますよ?」
『げ、まじか。まぁ、愛し子なら悪いようにはしないだろうからいいか……』
——あー、めんどくせぇ。説明とかクソだるいわ
なんて思っているとそこには予想通りの刀剣男士が俺を迎えに来ていた。
「おい、迎えに来たぞ」
『あー、やっぱお前か』
「……ボロボロだな、おい」
『まあな。すまんが頼む』
「わかってる。ほら、乗れ」
ぶっきらぼうに言いながらも、体に負担がかからないようにできるだけかがんでいるのは、見えにくいがこいつの優しさだろう。
——可愛いヤツめ。これだから俺の息子は
『じゃあ、嬢ちゃん。俺は先に行かしてもらうわ』
「ええ、ご自愛ください」
嬢ちゃんと別れて、ゲートに行く前に、と。もう一つやることあんだよなぁ。嬢ちゃんからは見えない場所で背中から降ろしてもらい、少しだけ田貫に待ってもらう。
『っふ、なぁ、いるんだろう?愛し子』
「……相変わらず、ですか。疲れていても健在ですね、その勘の良さは」
『まあな』
「で、何意地張ってるんですか。貴方も彩綾さん以上にボロボロでしょうに」
『はっ。今回はちと大変だったなぁ。……でも、俺よかマシだが重傷そうなのを隠しきれてないガキの前で大人が倒れるわけにはいかんだろうよ。嬢ちゃんには隠し切れたみたいだがなぁ?』
柱の影から出てきた龍樹が、ズルリと柱にもたれかかる。
「はぁ……っ、ふ。やっぱり、お見通しです、か。視え過ぎるのも良くないですね、ホンット」
「……あるじ」「主様、」
「なきと前田は悪くないよ。自分が隠してただけだから。……でもわざわざここで言わなくてもいいでしょうに。酷いことしますね」
『まだ身体が子供のくせに無茶するわ、大人をからかおうとするからだ。あとで今回の件の報告書は提出しておく。アイツの件もな。しっかり休めよ〜〜愛し子。また神さんにも礼しに行く、言いたいのはそれだけだ。またな』
「おい、もういいか」
『あぁ。帰るぞ田貫』
そうして、するべきこともすべて終わり、俺たちはゲートをくぐった。
『……あんだけ見せつけておいてまだくっついてないアンタらもどうかと思うんですけどね、丈留さん』