間話:夢の狭間注意事項
【ATTENTION!!】読む前に確認お願いします
・「ヒプノシスマイク」の二次創作作品です
・カップリングとして「左馬一(碧棺左馬刻×山田一郎)」が含まれます
・周りのキャラも多いです
・創作設定も多くでてきます
・文章は拙いです
・ご都合主義です
上記の点確認の上、自己回避よろしくお願いします
なんでも許せる方のみお楽しみくださいませ!
ああ、ゆめをみている
ぷかぷか ふよふよ ゆらゆら
今の俺はそんな擬音がつきそうな場所にいる。自分の存在がどんどん希薄になってく感じだ。
なんでこんなところにいるんだっけ。ああ、そっか。俺、あのときマイクくらったんだったか。
入間さんと毒島さんと臨んだ“お掃除”だったが、最後にマイクの攻撃を受けるというミスを犯した。そこまではなんとか覚えている。確かそのままぶっ倒れたはずだが……
——いつのまにかここにいたんだよなぁ
そういえば、寂雷さんがあのマイクによる症状が厄介だって言ってたけど、もしかしたらコレかもしれない。
——いや、マイクの被害者の多くは昏睡状態になるってことだったか?もうだいぶ記憶があやふやになってるみたいだ
昔だったら弟たちのために何がなんでも目を覚まそうとしただろうけど、今の俺にはそんなやる気はない。これもマイクのせいかも知れないけど、さっきから思考がフワフワしてる正直自分が今の状況を正しく認識できていると一郎は思っていなかった
マイクの影響下にあるというのはそういうものだと経験からわかっていたし、どうするにしても後手に回ると直感していた。それでも、意識を途切れさせることがいい手だとは思えなくて、とりあえずつらつらと思考を巡らせていく。だからまず考えるのは心臓と同義である弟たちのことだったのだ。とはいえ、だ。
「二郎も三郎も、俺の手を離れてるし。そりゃ、心配はしてくれるだろうけど俺としてはこのままでも問題はないんだよなぁ……」
なんせ誰にも見られないとはいえ、最近生きる意味がなくなったとか手紙に書いたりしているのだから。
弟たちの環境の安定は俺の目標であり、なんとしてでも成り立たせなければならない聖域だった。昔はその聖域の維持に全力をかけていたわけだけど、今はその必要は無くなってしまった。お金も、萬屋も、諸々の相続関係だってちゃんと書類にしてあるし、指示も残してある。なんだかんだ優しい他のディビジョンの大人たちが、あいつらのことを気にかけてくれるはずだ。
それに、愛する弟たちは立派な男に成長してくれた。たった3人の家族、男手一人で育て上げたと言ってもいい。俺にはもったいないくらいな弟たちなら、俺がいなくなってもきっと問題なく生きていけるはずだ。
「でも、あの箱はどうなるんだろうな」
やはり意識は散漫になっているのか、弟たちのことからいつもなら脳には浮かばないことが気になってしまった。左馬刻が別れ際にくれた秘密の宝箱。もらった時は、高価なプレゼントすぎてどうしたもんかと思ったあの金庫は、結局あのヤクザのいう通り俺の拠り所として機能していた。あの箱には納められているものは、俺にとって無くしたくない想いそのものだ。
例の手紙だってあの金庫に隠されているし、弟たちにも言っていない、記憶媒体にも存在すら明記していない情報だって実はそこに隠してある。情報はそう簡単に取り出せるようにはしてないし、手紙だって人のものを読破しようとすることはなかなかいないだろう。まぁその金庫は俺の部屋にあるのだから、俺が死んで部屋の整理をしたら見つかるが。
そうは言っても今夢の世界にいる俺にとってはどうすることもできない問題だ。バレたとしても、アイツのことだ。うまくやってくれると信じている。
「なんか、眠くなってきたな……」
夢で眠くなるとはこれいかに。だが眠い。俺は睡魔に従って瞼を下ろす。
どうか”いい夢”がみれますようにと願いながら。
——こんな時ぐらいアイツの声を聞きたいなぁ