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    間話:拝啓 親愛なるアンタへ注意事項注意事項
    【ATTENTION!!】読む前に確認お願いします

    ・「ヒプノシスマイク」の二次創作作品です

    ・カップリングとして「左馬一(碧棺左馬刻×山田一郎)」が含まれます

    ・周りのキャラも多いです

    ・創作設定も多くでてきます

    ・文章は拙いです

    ・ご都合主義です


    上記の点確認の上、自己回避よろしくお願いします
    なんでも許せる方のみお楽しみくださいませ!

     拝啓 親愛なるアンタへ
     久しぶりに手紙ってのを書く気がするぜ。いざ書くってなるとなかなかに内容が思い浮かばないもんだな。
     きっとアンタは何してんだって笑うだろうけどさ。
     でも、気持ちの整理には誰かに喋ったり紙に書き出すのがいいってよく言うだろ。
     俺のアンタへの気持ちを誰かに言うわけにもいかないし、消去法で紙に書くのは自明ってわけだ。
     まぁ、ただ紙に殴り書きってのも変な感じだし書きにくそうだからレターセットとか用意してみたんだけど。これはこれで恥ずかしいな。
     何書けばいいんだろ。そもそも何書こうとしてたんだっけ。わかんなくなったから今日はここまで。また言いたいことができたら書くことにするわ。
     じゃあまたな。

     慣れないことしてちょっと恥ずかしい俺より

     *


     拝啓 親愛なるアンタへ
     意外と前から期間を置かずに机に向かってこの手紙を書いてることに俺自身驚いてるぜ。きっとアンタも驚くだろうな。
     今回はちゃんと書くことを決めてきたんだ。俺は失敗からも学べるってとこを見せてやるぜ!
     ずばりお題は「俺の愛する弟について」だ。
     いまぜったいアンタのことだから期待しただろ?照れなくても俺はわかってるぜ!
     んなこと言ったらアンタめちゃくちゃ怒るんだろうけどさ。
     さて、じゃあ書いていくぜ!
     俺の弟たちはあんたも知ってるように、いや、アンタが知ってる以上にかわいいんだ!あ、ここでシスコン反論は待ってないからな?
     上の弟は俺と同じように不良だったりして、頭はそれほどかもしれないけど顔は広いし、人の懐に潜り込むのがうまい。ありゃ天性のモンだと思う。それに人に指示したり、状況把握とかがうまいから誰かを指揮する立場とかうまくやると思うんだよな。アンタはどう思う?
     下の弟はなんにせよ頭がいい。とんでもなくいいんだ!正直、パソコンとかそう言う知識はあいつに任せたほうが早い時の方が多い。複雑な情報の理解も早いし、ファンタジーとかだったら参謀とか軍師とかになってそう!反面人付き合いが苦手そうだけどな。ほら、天才は普通の思考がわからないとか言うだろ。なんかそんなギャップみたいなのを感じるんだと思う。俺は感じたことないけど。
     でも、俺からしたらどっちも可愛い弟で、才能がどれだけ凄かろうがあいつらなら使いこなすって思ってるけどな!あーうちの弟たち尊い!
     それに比べて、俺はラップと体力ぐらいしか取り柄がないから、あいつらの兄として見本になれてるか自信がなくなる時がある。あいつらは太陽みたいにまっすぐキラキラしてて、薄汚れた泥臭い戦い方しか知らない俺なんか尊敬してたらダメなんじゃないかって思う時もある。
     勘違いするなよ?俺は俺の人生を後悔なんかしてない。だけど、時々、本当に時々、目の前が暗くなる時があるってだけだ。暗かろうが気にせず上を向いて歩いてきたのが俺だけどな。

     なんか、アンタ宛てだけどあんたに知られたら怒られそうな内容になってんな。ま、いっか。どうせあんたも見ないし。
     今日はここまで!またな。

     アンタに怒られたくない俺より

     *


     拝啓 親愛なるアンタへ
     聞いてくれよ!弟が俺に進路相談してきたんだ!あ、上の弟の方な。
     正直、ずっと俺の仕事手伝うって言ってたからどうしたもんかと思ってたんだけど、あいつ大学進学目指すって!急にだぞ、目ん玉飛び出るかと思った!
     なんか、あいつなりに考えたんだって。このまま俺の仕事手伝ったとして今以上のことできるのかとか、進学したらどんなことが学べるのかとか。なんか知らないうちに他の地区の大人にも聞きに行ってたみたいでさ。
     このまえ頭はそれほど、とか書いちまったけど前言撤回だわ!あいつすごい頭いい!
     あんたのとこの大人たちにも聞きに行ったみたいだ。しっかり答えてくれたみたいだ。今度お礼に行かないとなぁ。なあ、アンタのとこにも来た?
     もし行ってたら、きっとあいつの思考回路は俺と似てるだろうから、発言にいらいらしたかも。でもアンタならなんだかんだちゃんと話聞いてやったんだろうなぁ。いや、聞かずに煽るようなことしてたりして。それも想像できるわ。

     どちらにしてもあいつのためになったと思う。アンタとその仲間にも心から感謝してる。ありがとう。
     やばい、泣きそう。弟の成長ってこんなに嬉しいのな。俺知らなかったわ。嘘、めちゃくちゃ知ってるけどこれは今まで最高を更新したわ!
     じゃあ、今回はここまで。俺は今からちょっと豪華な夕飯づくりが待ってるからさ。じゃあまたな。

     今鏡みたら目が赤くなっててどう誤魔化すか悩んでる俺より

     *


     拝啓 親愛なるアンタへ
     久しぶり。なんか間があいちまったな。いろいろあったんだ許してくれ。
     実は今日は上の弟の卒業式だったんだ。
     前の手紙であいつが大学進学目指すって言ってたの覚えてるか?覚えてないだろうな、見てないだろうし。
     まぁそれはどうでもいい。要は受験生だったんだ。まじで大変だった。世の中の親ってあんな大変なのな。
     あいつはもともと進学なんて考えてなかったから、急に進学ってなるとめちゃくちゃ勉強しなくちゃならなかった。確かに想像はしてたけど受験生ってそれ以上にやべぇわ。
     塾とかいくことも考えたけどそれ以上に俺の下の弟が優秀だった。もうマンツーマンのカテキョ状態よ。逆じゃねって思うだろうけどマジの話だから。
     俺と上の弟が塾にはいるかとかいろいろ相談してたら教科書と参考書もって割って入ってさ、「こんな低能に余計なお金を使う必要はありません!僕が叩き込みます!」って言うんだぜ?
     最初は俺も上の弟も無理だろって言ったんだ。でもさ、いろんな大学の過去問とか受験生用の模試の過去問とか満点で出されてみろよ。納得するしかないだろ。
     それでまあ、塾に行くことはナシにはなったんだけどさ。弟に教わる、ってのもプライド的に納得いくかと言われれば無理になる時もあるだろ?だからどうしたらいいかと思ってたらさ。
     うちの弟たちやっぱり天才だったわ。
     いつの間にか話つけてたんだよ。大人たちと。そう、相談してたって言う大人たち。いつのまにかカテキョのローテーションまで出来て提出された俺の気持ちを答えてみやがれ!お礼しようとしたら断られるしさぁ。とりあえず、次うちに依頼があった時は無償でするってむりやりでも認めさせたけど、なんか絶対お代渡されそうで今から恐ろしいぜ。
     あんたんとこのお仲間も入ってたぞ。アンタの指示だったりするのか?いや、そんな指示はしねぇか。
     でもきっと気にかけてやれぐらい言っただろ。あの二人子供には甘そうだもんな。あんたが俺に甘かったみたいに。
     そんなこんなでごたごたした受験期間だったけど、あいつの努力もあって大学には受かったんだ!スゲーだろ、俺の弟!合格通知来た時は兄弟そろって万歳三唱しちまったぜ。
     それで今日ようやく高校の卒業式だったってわけ。あいつは大学が遠いのと一人で生活してみたいってことで大学入学に合わせて家を出て一人暮らしする予定なんだ。バイトとか早く始めるために明後日にはもう新しい住処に行ってしまう。下の弟なんか素直じゃないから「さっさと出ていけ!」なんて言ってるけど、あれはきっと後で泣くんだろうなぁ。

     俺もさびしいけど、あいつならできるって信じてる。なんて言ったって俺の弟なんだからできるに決まってる!俺は下の弟とあいつが帰ってくるとこを守るだけだ!
     じゃあ、俺は今から弟の新しい門出を祝う会の料理の仕込みしなきゃなんないからまたな!

     弟の旅立ちが思いの外早くてちょっとおセンチな俺より

     *


     拝啓 親愛なるアンタへ
     なあ、俺どうしたらいいんだろ。
     あんたがそばにいればいいのに。なんでいないんだよ、ばか。

     ぐちゃぐちゃしてる俺より

     *


     拝啓 親愛なるアンタへ
     前の手紙は取り乱してんな。わるい。ちょっと俺も整理できなくて、とりあえず吐き出したかったんだと思う。
     今日はそれについて書く。
     三郎が海外に行きたいらしいんだ。もとは学校に講習会で来てた先生に気に入られたのがきっかけだったんだけど、その人の大学の研究室とか見学してるうちに海外も見てみたくなったらしい。留学のこととかはその先生だったり、毒島さんや乱数が相談乗ってくれて、卒業したら行きたいんだって。
     さぶちゃんが俺に行かせてくださいって頭下げるんだ。俺が気にしないようにお金の明細とか先生からの推薦状とか大学のパンフレット見せてくるんだ。ちょっと二郎の時とは違って用意周到すぎて笑っちまった。すごいだろ。俺の弟。
     一応高校を卒業したらってことなんだけど。なんか話が進みすぎて俺はついていくのもやっとだぜ。

     だからまた毒島さんとかに迷惑かけることになるんだ。この手紙上だけでもお礼を言わせてくれよな。ありがとう。


     頭沸騰しそうな俺より

     *


     拝啓 親愛なるアンタへ
     今日は三郎の卒業式だ。俺はいつもどおり笑えてたかな。笑えてるといいな。
     何度いっても卒業式ってのは節目なんだな。さぶちゃんもちょっと涙ぐんでたんだぜ。
     でも、あいつもすぐに留学の出発が迫ってる。あっちの状況にも慣れなきゃだからな。俺には応援しかできないから、今日の晩ご飯はさぶちゃんの好きなもんづくしにするつもり。

     それにしても、俺も年とってるんだな。なんか弟二人とも卒業したっていう事実が今更じんわりきてる。今俺アンタと出会った時と同じ年齢なんだぜ。

     なあ、アンタも妹と離れちまった時こんな感じになったのかな。なんかならなさそう。
     俺、どうしようもなく変だ。なんかぽっかり空洞が開いたみたい。なんかすーすーするんだ。これなんなんだろうな。

     なんにせよ、俺の弟はすごい!卒業おめでとう!

     なんか感動してる俺より

     *


     拝啓 親愛なる碧棺左馬刻へ

     また期間が空いたな。ま、いいだろ。そんな時もある。
     でも、次があるかわかんないんだ。なんでって?なんでだろ。俺に書く気がなくなったからかな。

     弟たちもいなくなったこの家はめちゃくちゃ広く感じるんだ。
     いつもしてた声がしないって意外ときついんだな。俺知らなかったよ。なんだかんだ人がいる場所でしかいたことないからさ。
     あんたは寂しくねぇの?

     ごめん。そんなの聞いたってどうしようもないよな。それも踏まえた上で俺たちは一緒にならないことを選んだんだから。

     俺たちはあの忌々しい壁をぶっ潰した後、お互い噛み合っていない認識を解消するため話し合って誤解を解いた。あれだけ信頼して、支え合って、奮い立たせあってそれでも起こった裏切りにぶつかって、憎しみあって、殺し合って、その裏切りが誤解だと知って俺たちに残ったのはお互いに対する執着だった。

     恋はとうの昔に通り過ぎて、愛と言うには煮詰めすぎたこの感情につける名前をなくした俺たちはそれでも共にいることを選べなかった。

     お互いを信頼できないからじゃない。お互いを憎み合ってたからじゃない。ただ、もう自分たちがいる立場を捨てることができなかった。俺は弟二人を育てること、あんたは恩ある組の若頭として務めること。それはお互い譲れない、譲るつもりのない生き方だった。選んだことに後悔なんかしていなかった。

     でも、その生き方は交わらせるには自分たちの周りに与える影響がデカすぎた。俺は弟たちを危険な世界に踏みこませたくなかった。あんたは俺を自分の弱みとして危険な場所に置きたくなかった。俺はそう簡単にやられるつもりはなかったし、あんただって俺の弟を自分の世界に干渉させる気はまったくなかった。

     だけど、俺たちの道が交われば少なからず踏み込みたくない境界線を越える可能性は高くなる。だから俺たちは離れることを選んだ。そうだろう?

     何度も話し合ったよな。そりゃ俺たちはいわゆる想いあってる二人なわけだし?でも、結論はいつも同じだった。俺たちの関係はいつでも危険がついて回る。だから、離れることを選んだ。別れることを選んだ。俺たちの道は今後一切交わらないのだと、交わらせないと俺たち自身が誓った。

     最後はどんな感じだったっけ?キスでもしたかな。もう覚えてねぇや。でも、俺の記憶はあんただけなんだから最後だけ覚えてなくてもいいよな。

     ああ、俺は弱くなったよ。あんたの隣にいたら負けることなんて死ぬことなんか考えてなかった俺はもういないみたいだ。
     いまになって思うんだ。俺はなんのために生きていくんだろうって。生きる意味だと思って育ててきた弟たちは立派に飛び立ったしさ。
     しぬために生きるのが人間だっていうけど本当にそうなのかもな。あんたは馬鹿なこと言うなって俺を笑うか?
     てつかずだったことを片付ける時間ができるだろって言った人もいたんだ。でもそういう場所って結局何もしなくてもどうにかなる場所でさ、生きる目的とかにはならないんだ。知りたくなかったけど。
     まぁ、あんたに偽善者って言われ続けたし俺は他人のために動くことが存外嫌いじゃなかった。萬屋はきっと天職だった。でも、それでさえ俺の生きる目的にはなってくれないんだ。
     すっげぇ時間がかかったしいろいろ悩んだんだ。だけど、俺、今まで生きてる中で一つだけわかったことがあるんだ。

     左馬刻さん。

     俺は偽善者じゃなかったみたいだ。あんたの言った偽善者だったらよかったのに。だって、それなら、偽善者だったら、
     俺は見知らぬ誰かに手を差し伸べることを生きがいにできただろう?困ってる人を探して救うことを生きがいにできただろう?たとえ俺の基準で救う人と救わない人を無意識に選択していたとしても。それでも、俺が真の偽善者だったらそれでこれからの生を歩めるだろ?

     なぁ、左馬刻。俺の未練。俺の執着は醜いよ。とてもおぞましいものになっちまった。
     だって、俺は偽善者になれなかった。俺はやっぱりあんたの隣にいる夢を捨てられなかった。あんたのために生きることを、諦められなかった。これが醜い俺の執着の成れの果てだ。
     だからこそ、俺の生きる理由はすでに俺の中から失われてる。だって誓いを忘れることなんてできやしないし、破ることは考えられなかった。あの誓いは、俺とあんたの最後の繋がりみたいなもんだったから。


     きっと、俺が死んでも弟たちは生きていけるって考える俺はダメな兄なんだろうな。でも助けてくれる大人もあいつらの周りにはいるみたいだしさ。安心したっていいだろ?
     心配しなくても俺は自殺なんかしない。だけど、俺の生きる目的がないことも事実なんだ。それを誰かにわかってもらいたかった。誰かって言っても一人だけどな。最後まで面倒なこと残してすまねぇ。それでも、どうせ誰にも見せない手紙だとしても、書くとしたら、残すとしたらあんたしか考えられなかった。ごめんな。





     この手紙はあんたに届くはずがない。だって出すことはないんだから。だから俺の素直な気持ちをここに記す。どうかそれだけは許してくれ。 愚かな山田一郎より



    夕霞 Link Message Mute
    2021/04/18 12:00:00

    間話:拝啓 親愛なるアンタへ

    こんにちは、夕霞です。
    今回は次の話への布石です。
    「手紙」を意識しているので、話としては読みにくいかもしれません。ご了承ください。
    ギミックのようなものもあるので、探してみると面白いかもしれないです(笑)

    それでは注意事項を読んでお楽しみください!
    #二次創作 #左馬一

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