200524_お題:3つのなかの台詞を使って1P漫画&SSをかこう!お題③:
ふぅん。君は君で、信じたいものを信じればいいんじゃない?
僕には無縁なモノばかりだし、信じたくないけどね!
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相変わらず、友情、努力、希望ばかりのつまらない演説を聞きてやる時間が流れている。
大人、ってのは面倒な生き物で。
『人の話をちゃんと聞いてから自分の意見を言いなさい。』
だとか、
『相手の意見を否定するような言い方は避けなさい。』
とか。
見えないルールばかりに縛られないと言葉も発することが出来ない生き物…らしい。
そんなものに縛られながら生活するなんて、窮屈で仕方がない。
自分だけ信じていれば、どんなことだってできると思えてくる。
「ふぅん。君は君で、信じたいものを信じればいいんじゃない?
僕には無縁なモノばかりだし、信じたくないけどね!」
周りなんて関係ない。
自分の信じたいものだけを信じ、見たいものだけを見て生活する。
そして欲しいものはどんな手を使っても手に入れる。
…たとえその人が苦しむことになろうとも。
僕の幸せのため。
僕の幸せだけのために生きてもらうんだ。
僕と一緒に隣で禍々しいこの赤い世界で。
さぁ、共に踊ろう。
自分だけの欲望に従って。
お題①:
友情、努力、絆…
そんなもの、僕の前では無意味だってこと、証明してあげるよ。
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また変な奴に絡まれ、僕はこのクソ田舎…八十稲羽に来ることになってしまった。
暇つぶしでとぼとぼと八十稲羽高校…だった建物を巡回する。
僕をここへ呼び寄せたクソガキ…「皆月」くんは、
僕を使ってペルソナの欠片を集めるって言っていた。
…そう、「特捜隊」…クソガキ共と闘うことで。
彼らを見つけるべく、ぐるぐるとめんどくさい巡回を続けているわけなのだが。
一向に彼らと遭遇できない。
あいつら、本当に馬鹿なのだろうか。
この異様な建物が出てきた時点で、向かうべき場所は定まっているし、
この僕を倒したやつらなら、あがってくるのにそこまでは時間がかからないはずだ。
あいつらがほざいていた「力」ってものは、本当にくだらないなと、
つくづく思いながら歩くと、彼らのニセモノ…が僕の前に現れた。
彼らは僕と力試しをしたいようで、いきなりペルソナを出して僕を襲った。
僕は一応「皆月」くんの味方、って扱いになっているはずなのだが。
…仕方がない。
面倒だが相手をしてやるか。…最小限の力だけで。
「友情、努力、絆…。
そんなもの、僕の前では無意味だってこと、証明してあげるよ。」
お前らの力が心底どうでもいいクズな力だってこと、証明してやろうじゃないか。
お題②:
早く僕のところに落ちてきな…。
そうしたら、もっと気持ちイイこと、教えてあげるよ?
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仮眠をとると言って仮眠室へと入った堂島さんを約束の時間で起こそうと、
眠っている部屋へと入った。
いつも深く刻まれている眉間の皺が少し薄くなり、
薄く呼吸をしながら眠る堂島さんの姿は、
男の僕でもカッコイイ男だと思うほどに整った顔だった。
身長も高いし、頑固なところもあるが、優しい部分もある。
署内では遠巻きにされがちだけど、懐に入れた人への気持ちは厚い人間。
…今まで遭遇した人間で、僕にすらそんな風に接してきた人間がいただろうか。
…家族ですらそんな風にされた覚えはない。
頬を軽く撫で、耳元に唇を寄せて、優しくあなたを呼ぶ。
まだ開かれない目を想像して、見つめてみる。
この人に僕が捕えられるのだろうか。
否、この僕がこの人を捕えればいいのではないか。
そうしたらこの体も、心も、全て僕のもの。
僕の思うがままだ。
「ねぇ、堂島さん。
早く僕のところに落ちてきてください…。
そうしたら、もっと気持ちイイこと、教えてあげますよ?」
何も考えなくても、僕の隣にいるだけで幸福な、自分だけの世界へ、
早く落ちてきて、愛しい人。