堂島さんの!かわいいところもみてみたい!僕が出所してすぐ、堂島さんが僕を迎えに来てくれた。
同時にプロポーズ的なものもされた。
最初は渋って離れようとしたんだけど、結局堂島さんの熱烈アタックに負けた僕は、
こうして週末堂島さんと一緒に過ごしている。
今日は久々に酒盛りをしようということで、僕がツマミを作り、
堂島さんはちょっとお高いお酒を持参してくれた。
ゆっくりお酒を飲み、他愛のない話をして。
たまに少し大口で笑い合い。
こんな時間が過ごせるとは、獄中の僕では想像つかなかっただろう。
酒盛りをし始めて数時間後。
堂島さんはだんだんと酔っ払いになりつつあった。
「あらちぃ…こっち来い。」
手招きをされ、隣に座り直すと、にっこり笑う堂島さん。
「結構飲みました?ほどほどにしてくださいよ?もうそんなに若くないんだから…。」
「…おれぁまだ、若い!!」
「もう…明日泣いても知りませんよ?」
こんなやり取りも同僚だった頃によくやりとしたものだ。
ふっっと笑みをこぼしながら、おちょこに残っていた堂島さんのお酒をこっそり飲み干し、
飲む量を減らしておく。
すると突然、堂島さんは僕の膝の上に頭を下ろしてきた。
「ちょ、堂島さん??硬いでしょ?」
「んん~俺にはちょうどいい…ぞ?」
大型犬の戯れかと思うくらい大きな体を小さくして、堂島さんは僕の腰回りに抱き着いてきた。
頭はすりすりと僕の腹に擦り付けてくる。
…さながら甘えているかのようだ。
「もぉ…そんなところ触ってたら、えっちな気持ちになっちゃうでしょう?」
少し意地悪く耳元で囁いてみると、びくりと堂島さんが反応したが、
変わらず続けて僕の腰回り、腹部を触り始めた。
だんだんと僕も堂島さんの手の熱にやられて、欲を灯し始めてくると、
堂島さんも気づいたらしく、にやりとした顔でこちらを見上げた。
「あらちのいやらしい匂い、ぷんぷんするぞ…?」
「誰がそうさせてたんですか?誰が。」
「ん~?俺だぁ~。」
ニヒヒ、と笑うと、堂島さんは僕のズボンのベルトを外し、脱がせ始めてきた。
流石に僕も驚き、少し抵抗を見せるが、堂島さんの力は相変わらず強く、抵抗も無意味に終わる。
ふとそこで気が付いた。
「あなた…さほど酔ってないでしょう。」
「…んん~?」
「あなた、酔っ払ってたら耳まで赤くなるはずですけど、全然普通ですよ?」
そういうと、堂島さんは耳を手で覆い、ガバっと起きてきた。
「そ…その…なんだ……。」
「今ならまだ起こりませんから。理由を言って?」
「むぅ……。」
やはりそこまで堂島さんは酔っ払っていなかった。
さっきまでのとろりとした表情から一片、いつもの通り少し眉間にしわを寄せた表情に戻っていた。
堂島さんは話そうか迷っていたのだが、僕がじっと見つめ続けた効果があったのか、
理由を説明することにしたらしい。
重い口を開き、話し始めたのだった。
「その…お前はいつも可愛いし、甘えてくれるし…俺は嬉しい。
でも、お前にもそうした方がいいのかと…思ってだな…。
お前も男だ。頼られたり、甘えられるのは…されたい方、だろう?
俺ぁこの性格だ。なかなかそういうのは…できないから…酒の力でって誤魔化してなら…
できるかと思ったんだよ。」
この人はいつもそうだ。
自分だけの幸せだけでなく、相手の幸せも最大限に引き出そうとしてくれる。
(だから僕は…この人にはかなわないんだ。)
「そんなことしてくれなくても、僕は甘えられれば十分ですよ。
でもたまぁーにこういうのも、悪くないかもね?」
にっこり笑い返すと、安心したのか、堂島さんの表情も少し和らいだ。
「それで?この熱、どうしてくれるんです?」
ゆっくり灯した熱を腹に擦り付け、熱を含んだ声を耳元に届けると、
堂島さんはねっとりとして口づけを返してこう言った。
「そらぁ勿論、隅々まで愛するに決まっているだろう。」