手乗り立さんと堂島さん足立が突如手のひらサイズになった。
日中は普通に隣で仕事をしていたのだが、急に服だけ残して消えたのだ。
服を漁ると、裸の手のひらサイズの足立が出てきたときは目を疑ったものだ。
だがそれは紛れもない足立で。
とりあえず散らかった服を紙袋に入れ、
俺と足立の早退申請を出し、
ハンカチで足立をくるんで胸ポケットにしまい、
家へ帰ることにした。
「堂島さん…ポッケ煙草臭い…。」
「家まで我慢しろ。他のところだとお前を潰しちまうだろう。」
小さい足立なので表情もも見えない状態だ。
だが、まずは安心なところに運んでからだ。
そうして家に帰った俺は
菜々子が最近遊んでる人形の服からいくつか足立が着られそうなのを身繕って着せて。
腹が減りそうだったので数滴のスープと米粒をいくつか与え。
風呂用にお湯入りコップを用意して…
このように、足立の世話を一挙に取り組んだ。
途中、菜々子や悠にバレないよう、
普段通り夕飯を食べたり風呂に入ったりもした。
そうして、自分のことも一通り終えて部屋に戻ると、
足立は小皿に布団用のタオルを敷こうとしていた。
ふと戻った俺に気づくと、足立はぽつんとこう言った。
「赤の他人なのに…なんかここまでしてもらっちゃってすいません。
…あ、あれ?急に涙でてきちゃったなぁ…。へへへ。」
そのとき、足立が一番不安であることを思い出した。
そんな大事なことに気づけないくらい、俺はテンパっていたのだろう。
でも一番今やるべきことは…。
「足立、そんなこと言うな。お前はもううちの子みたいなもんだろう。
これからずっとこのままでも、俺はお前と一緒にいるからな。」
そう言って、俺は小さな足立に優しくキスをした。