おさかなコンビ堂足(童話調)あるところに「あだち」というくろいおさかながいました
あだちにはいっぱい兄弟がいたのですが
あだちだけまっくろなおさかなで、ひとり群れから仲間はずれにされていました
あだちはちょっぴり寂しい気持ちでしたが、見栄をはり群れを離れひとり海をさ迷い泳いでいました
そんなあるひ、めをけがしていて、まわりがうまく見えない、すこしおおきなおさかなにあだちはであいました
おなまえはなんていうの
そうあだちがきくと
なまえは「どうじま」だ
そうおおきなおさかなは答えました
どうじまは目を怪我しているものの、小さなあだちをまもるべく、
たびたび外敵からあだちを護ってくれました
いつしかあだちはそんな優しさに触れて、
どうじまさんともっといたい、
そうおもうようになったのです
そして
おさかなどうしの求愛である、
あいてのからだにきすをしあうこうどうをあだちはどうじまにしてあげました
するとどうじまも嬉しくなり、あだちのからだにたくさんきすをしてくれます
あだち、おまえ、おれのことすきになってくれたのか
こんなけがしている俺でもいいのか
しんぱいそうにどうじまはあだちにききましたが
あだちはあたまをさゆうにふってこうこたえました
ぼくこそこんなまっくろでへんなおさかななのに、
どうじまさんはそばにいさせてくれました
だからその恩返しがしたいんです
ずっとそばにいて恩返しがしたいんです
そう伝えると
どうじまはきすを一回おとしあだちのまわりをくるくると泳ぎ
きゅうあいを受けるこうどうをしめしてくれたのでした
めでたしめでたし