うちの透にご用?堂島さんとの待ち合わせで、
沖奈の駅で待っていたのだが、ものの数分で
男からのナンパが絶えない。
今日は厄日なのか?
そう思っていたらまた馬鹿なやつがやってきた。
おにーさん、結構ネコっぽくてかわいいね♪
ちょっと俺とデートしない?
あーめんどくさ。
そう思ったそのとき。
ぐいっと腕を引かれて抱き込まれた。
嗅ぎ慣れた煙草の匂い。
あぁ、この匂いは…
そう思って首をあげると、
犯人を今にも取り押さえそうな形相の堂島さんの顔があった。
俺の連れに何か用か?
は?おっさん何者?
おにーさんとちょっとお話してるからどいてくんない?
うわー、怖いもの知らずだね、キミ。
そう思って堂島さんの方を見たら目が合った。
合った瞬間、凄く優しい目線を落とし、ぽそっと僕にだけ聞こえるような声で一言。
すまん、ちょっとだけ辛抱な、透。
そう言って激しい噛みつくようなキスをかましてきたのだ。
これでもまだ用があるなら俺を通してみろよ
そう堂島さんが言うと、相手はビビって走り去っていった
あぁ、今日も僕の堂島さんは世界一かっこいい