アイドル立透くんの魔法のかけ方「おはようございまーす。」
とぼとぼと眠そうに部屋へ入ってきた青年…。
彼の名は足立透。
社会人アイドルとして、可愛い系の担当を担っている。
ひとたびスイッチが入れば、ファンのことをキュン死させるようなビームを放つと言われているのだが、
どうやら今日はあまり気合が入っていない様子だ。
メイクをしている最中も、
事前のすり合わせをしている時間でも、どこか心ここにあらずといった態度。
マネージャーさんもオドオドと不安な様子を出し始めていた。
そんなとき、再び扉が開かれた。
「おはようございます。」
「堂島さん♡」
あとから入ってきたダンディな男性。
彼の名前は堂島遼太郎。
過去、様々なアーティストとコラボするほどのダンサーであったが、
今は足立透とアイドルユニットを組んでいる。
「堂島さぁーん…遅かったですね。」
「前の仕事がおしてな。…それより足立。お前また打ち合わせあまりきちんと聞いていなかっただろう。」
「…うっ。だって…。堂島さんがいないんだもん。」
机の上をいじいじとしながら、上目遣いで堂島さんを見やる足立さん。
ふぅ…とため息をつく堂島さんだが、
意を決したかのように立ち上がると、足立さんをいきなり抱き寄せて、耳元でこう言った。
「今日のステージ、最高に盛り上げて見せろ。そうしたら褒美をたんまりやるよ。
…どんな褒美が良いんだ。言ってみろ、『透』。」
「…!」
低い声で囁かれ、足立さんの目は既にハートになり、堂島さんに釘付け状態だ。
「いっぱいちゅーしてください…!それと、いっぱい堂島さんの熱い精液、注いでほしい…!」
「わかった。だったら今日1日ステージ盛り上げるため、面倒なのも我慢、だ。」
「ふぁい♡僕、頑張っちゃいます♪」
軽く頬に口づけをすると、一気に足立は軽く飛び跳ね、鼻歌を歌いながら準備をし始めた。
…実はこの二人。
デキているのだ。
『あなたのハートをずっきゅん打ち抜くぞ!社会人YASOINA★アイドル、足立透くんだー!』
『お前のハートをガッツリ捕まえてやるぞ。…逃げるなよ?…社会人YASOINA★アイドル、堂島遼太郎だ。』
(さぁて、今日もじっくり我慢していっぱいご褒美もらちゃおう♪)
(さぁて、今日も1日仕事頑張った褒美に、あいつの全身、喰わせてもらおうか…。)