続・本編堂島さんがやってきた!の話優しい言葉を掛けられ、抱き返そうとしたその時だった。
「ただいまー。」
「!!?」
もう一人…僕の堂島さんの声がした。
慌てて玄関へと走ると、不思議そうに僕を見つめる堂島さん。
「透、顔真っ赤だぞ?風邪か…って、そいつ誰だ!」
「あ、いや、その、多分僕とであった頃の堂島さんです。」
「お前がこいつの時代の俺か…。老けたな。」
「なっ…!」
二人の堂島さんが睨み合う。
僕はその間で挟まれ状態だ。
「と、とりあえず、遼太郎さん、お帰りなさい…!」
「…透。」
「ひゃい!」
「こいつに何かされたから顔赤いのか。」
「あぁ、こいつが喜びそうなことを言ってやったぞ。
お前、ちゃんと足立のこと可愛がってんのか?」
「!!」
なぜ火に油を注ぐようなことを堂島さんが言うのだろう。
僕はだんだんと頭がいたくなってきた。
すると、遼太郎さんは僕をぎゅっと抱き締め、
堂島さんにこう言った。
「てめぇはてめぇんとこの足立をしっかり受け止めてやれ。
こいつは俺が射止めた『足立透』だ。お前でもやらねぇよ?」
遼太郎さんがそう言いながら睨み付けているも、腕の力は少し強いままだ。
一方の堂島さんは睨みに怯みもせず。
「安心しろ。俺はこの時代の人間じゃねぇからな。…俺んとこの足立は俺がちゃんと可愛がるよ。
さっきまで飲んでたしな。」
「…そうか。…よく、あいつのこと、見ていてくれ。」
「勿論。」
広角をあげて堂島さんが笑うと、すっと堂島さんは消えたのだった。
「はぁ…。自分が敵になるってのは、こうも大変なんだな…。」
自分が敵。
シャドウと時分が向き合えなかったら。
…確かに色々面倒なことになるよなぁ。
そんなことを思いながら、僕は遼太郎さんの首に腕を回す。
「なんだかいっぱい甘えたくなっちゃいました…。
遼太郎さんがかっこいいことたくさん言ってくれたからかな?」
「そうか。じゃあとりあえず、風呂、行くか。」
今日も僕は遼太郎さんの温かい腕の中でたくさん幸せだ。